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令和7年3月議会(一般質問)

2025年3月10日月曜日活動記録

▼3月10日(月)、大垣市議会にて一般質問に登壇させていただきました。毎回、長文で恐縮ですが、全文を掲載させていただきます。
 

【今回の一般質問】
・これからの自治会像について
・災害拠点病院としての取組について
・管理不全空き家について
・医食同源について

 
【バックナンバー】

令和5年12月議会
令和6年3月議会
令和6年6月議会
令和6年9月議会
令和7年12月議会

 
[一般質問 一回目登壇]

▼自民党緑風会の種田昌克でございます。
 早いもので3月となりました。今日は、江崎禎英知事の「社会は変えられる」という本を再読いたしましたので、この本を傍らに4件の質問を通告に従いましてさせていただきたいと思います。
 
▼1件目、これからの自治会像について
 自治会もしくは町内会とは、地縁を基にした地域住民組織です。日本のほとんどの市町村にあります。自治会の特徴としては、1、加入単位は個人でなく世帯であること。旦那さんは入っていておかみさんは入っていないということはありません。2、全戸加入を原則とすること。つまり加入することが当然視されがちで、歴史的には強制加入や自動加入だった時代や地域もあるかと思いますが、とはいえ最近では加入するのは当たり前という感覚は薄れつつあるようです。3、機能的に未分化であること。組織や団体というのは特定の目的や関心に応じて活動することが多いのですが、自治会は活動がとても多岐にわたっております。実際に、お祭り、餅つき、ラジオ体操、子ども会、どんど焼き、防災防犯活動、火の用心、ごみステーションの管理、水路清掃、集会所の管理、高齢者や子供の見守り、回覧板などがあります。最後に、4、下請というか地方行政における末端事務の補完作用をなしていることなどが挙げられます。今年は国勢調査があるので、調査員の推薦なども自治会が担っているかと思います。いずれにせよ、自治会は民間の任意団体であるにもかかわらず、半ば公的な団体として、防犯、防災などの地域の活動やお祭りなどの親睦事業をはじめとしたありとあらゆる活動や、行政の仕事にも積極的に協力する組織として、全国どこにでも存在しています。しかし、この自治会ですが、近年多くの課題を抱えております。総務省地域コミュニティに関する研究会報告書には、役員の担い手の高齢化、後継者確保の困難さが挙げられています。自治会役員をされている方は、たまたまその地域に長く住んでいて、恩返しのつもりで定年後に自治会を支えるという奇特な人が大半だと思います。団塊の世代リタイア層により一時的に活況を呈した時期もありましたが、もはや自治会の役員を引き受けて行政の下請仕事への協力を地道にこなしてくれる殊勝な人はめったにおられません。次に、加入率の低下。これは住民の流動性の高まり、生活の多忙化、義務的加入意識の薄まりが原因として考えられます。そこで3点お尋ねしたいと思います。
 1、先日新聞で、岐阜市の自治会加入率が53.7%とあり驚きました。そこで、本市の加入率及び過去からの推移をお尋ねいたします。2、自治会は任意団体ではありますが、行政の末端補完機能を担っていることは事実です。行政からの依頼についてスリム化、断捨離など見直すべき点があるように思いますが、御見解をお聞かせください。3、自治会というのは、行政にとって協力を惜しむことのないとてもありがたい団体だと思います。しかし、今のままで自治会が今後未来永劫維持できると考えていますか。
 
▼2件目、災害拠点病院としての取組について
 さて、市民病院には、新年度から新設される予定の危機管理部と連携して、より安全で安心な災害拠点病院としての役割を期待しております。災害医療は、地震、火災、洪水、テロ等のケースでは対応が異なると思いますが、今回は地震に特化してお伺いしたいと思います。災害拠点病院とは、災害時における初期救急医療体制の充実強化を図るための医療機関と定義されています。岐阜県内においては13病院、大垣市においては市民病院のみが指定されています。そこで、まず1点目についてお尋ねします。
 能登半島地震において、市民病院から災害派遣医療チームDMATが派遣されました。本当にお疲れさまでした。能登半島地震被災地での活動において感じたこと、また何か経験や知識など、今後に生かせるものがあったかと思いますが、どのように市民病院の業務に生かしていきますか。
 次に、大垣で大規模災害が発生した場合において、災害拠点病院である大垣市民病院は、災害による負傷者に加え、入院や外来の患者さんの命も守れるような、災害に強い病院でなければなりません。そのためには、災害においても医療を継続するためのBCPや災害対策マニュアルに沿って様々な災害を想定した訓練を行い、訓練実施後には得られた反省点からよりよい災害対策を見いだせるよう、検討を重ねる必要があると思います。そこで、続きまして7点お尋ねいたします。
 1、災害拠点病院として外来での受診中に大規模災害が発生した場合はどのような動きになりますか。2、災害用医療薬品の備蓄状況はどうですか。3、能登半島地震の救護所において、スターリンクが非常に役立ったという体験談を聞きました。災害時における市民病院の通信環境はどうでしょうか。4、病院における防災訓練は多種多様でありますが、どのような訓練をどの程度行っていますか。5、病院運営に必要な水の確保について、生活用水、空調、血液透析、滅菌などで必要な水はどのように賄うことになっていますか。6、病院の耐震性能はどうですか。室内の棚、機器などが倒れてきたら心配という声がありますが、どのような対策をしていますか。7、市民病院には医師、看護師をはじめ、様々な職種の大勢の職員がいます。しかし、能登半島地震のように元日とか土日とかに災害が発生したときに、職員は病院まで来ることができるのかと考えます。つまり、職員は市内在住ばかりでなく、市外在住、もしかしたら県外在住の方もいらっしゃるかと考えますが、非常参集体制はどうなっていますか。また、休日等についてはどのようにマニュアル化されていますか。
 
▼3件目、管理不全空き家について
 空き家問題は自治会にとって頭の痛い問題の一つであります。空き家というのは、長期間誰も住んでおらず使用されていない建物のことを言いますが、昨年9月に公表された総務省の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は、総住宅数の5.9%となっており、約17軒に1軒が空き家だそうです。これは所有者からすれば放置しておいても使用目的など緊急性がなく特段困らない、いわゆる何となく空き家とも言われ、これがちまたにあふれています。これら何となく空き家の数は、この20年間で約2倍に増加しております。2038年には3軒に1軒が空き家になるという試算もあります。国交省によると、2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されてから、同法に基づき指導や勧告、行政代執行など、特定空家に対する措置を行っていますが、こうした対応だけでは空き家の増加を十分に食い止められていないのが現状です。自治体職員の人手不足も課題だと思います。それに空き家というのは調査しにくいというか、分かりにくい。住んでいれば、そこにはがきを送りさえすれば答えてくれたり、何らかのリアクションがあります。空き家の場合はそういうわけにはいきません。国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の単身世帯の割合は、2020年、全国で13.2%、それが2035年には16.8%、2050年には20.6%に増加すると予測されています。ちなみに、本市における65歳以上単身世帯の数は、令和7年2月末現在で2,730世帯とのことです。これは独り暮らし高齢者台帳に登録されている方の数ですが、この数字は将来の空き家予備軍の可能性を示しています。そもそも空き家の何がいけないかというと、まず、建物の腐朽や破損による倒壊事故の心配がありますし、樹木や雑草の繁茂、不審者の侵入や放火など、地域の心配事は尽きません。地域の価値、ブランドをどんどん下げていくことにもつながります。その空き家が増える要因の一つが、1973年に住宅不足の解消を目的に導入された固定資産税の住宅用地特例と言われています。住宅が建つ土地の固定資産税を最大6分の1に減額する措置で、解体して更地にするよりもそのままにしておいたほうが税金が安くなり、空き家放置の一因と指摘されてきました。そうした中、2023年12月には、管理状態が悪い空き家を減らすための改正空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されました。自治体が特定空家の予備軍である管理不全空家に認定し改善されなければ、特定空家同様に固定資産税の軽減が受けられなくなるというものです。軽減が受けられなくなれば、固定資産税が最大で6倍となります。昨年3月に出された大垣市第2次空家等対策計画によると、本市の空き家件数は2,422件で、空き家率は4.6%とあります。つまり、22軒に1軒が空き家ということです。これまで以上に空き家対策を強化していくことが求められています。そこで4点お尋ねします。
 1、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある空き家について、どういった基準や手続で管理不全空家に認定していますか。2、本市における管理不全空家の指定件数及び固定資産税等の住宅用地特例措置からの除外となった件数はどのくらいでしょうか。3、大垣市空家等対策計画を見ると、空き家の改善目標などが挙げられています。例えば今年度は34件、来年度は36件といった具合に目標が定められています。今後の管理不全空家への取組としてどのようなことを検討しておられますか。4、令和5年度の空き家解体の行政代執行件数は1件だったと記憶しておりますが、今年度の件数と費用、そして国や県の補助金はあるのでしょうか。それと、これまでの費用の回収状況についてお尋ねいたします。 
 
▼4件目、医食同源について
 健康増進や健康寿命の延伸は、地方自治体の最重要課題の一つであると言えます。抱える課題である生活習慣病の拡大と医療費の増大は、食生活の改善、フードセルフケアで解決できるのではないかと思っています。江崎知事の本には、食べ過ぎと運動不足、そして現代社会特有のストレスという新たな障害を自らつくり出して健康を害していますとあります。つまり、今、私たちが健康を害している主な原因は、自分自身の行動に由来するものということになります。2005年に食育を推進するために食育基本法が制定されました。本市においても大垣市地域保健計画の重点施策として、健康的な食生活の支援が掲げられており、さらにその中にバランスのよい食生活の推進、野菜摂取量増加の推進、減塩の推進、糖尿病予防に向けた栄養指導の充実とあります。国民一人一人が自らの食について考える習慣を身につけ、生涯を通じて安心な食生活を営めることが何よりも健康づくりに資すると考えます。医食同源とは、日頃からバランスの取れたおいしい食事を取ることで病気の予防や治療につなげるという考え方です。この言葉は、実は日中国交正常化の頃に日本で生まれた造語だそうです。そのほかには、身土不二という言葉もありますし、地産地消、スローフードに関する取組も様々なところでされております。実際に本市においては、生ごみや草木等を堆肥にして土に戻し、環境に優しく安心できる野菜などを育て、それらを活用した料理の試食等を行うめぐるマルシェを開催。大垣桜高校も参加しており、とても多くの方でにぎわっておりました。食に関する関心の高さをうかがい知ることができました。また、私たちの健康は私たちの手でをスローガンに、食を通した健康づくりのボランティアとして活動を進めている食生活改善協議会という組織があります。地域では食改さんと呼ばれ、ピンクのシャツを着て活動されているので御存じの方は多いと思います。食改は全国で約12万人の会員がおります。大垣市では、昭和47年に45人のメンバーで始まりました。もともと健康生活問題に取り組む意欲的な女性の方々が始められた活動ですからずっと男性会員はおりませんでしたが、平成11年の男女共同参画社会基本法の施行により男性会員の加入を認めることになったそうです。現在、大垣市で245名の食生活改善推進員が活動しています。私も2年前に研修を受け入会し、大垣市で4人目の男性会員となりました。食生活改善推進員は健康づくりの案内役として、バランスの取れた食生活の定着を目的に、自主的な活動と行政の支援活動の両面から活動を進めております。家族、そしてお隣さん、お向かいさんへと働きかけ、地域ぐるみのよりよい食習慣づくりを進めています。言わば地域における草の根運動であり、先ほどの自治会活動とも関わり合っております。
 先般、山形県山形市を訪れた際にこのようなレシピ集をいただきました。こちらが、市と地元の高校生がつくったレシピ集です。こちらが、市と食改さんが作ったレシピ集です。
 全国の食改のホームページを見ますと、富山県射水市ではバラエティーに富んだたくさんのレシピ集が掲載されております。長野県松本市では、例えば妊娠期用、若者用、高齢者用などのいろんなレシピが、石川県野々市市では、児童館で子供たちと食育事業の様子が掲載されておりました。本市の食改においては、毎月地区センターなどで実際に料理を作り、試食したりする地区伝達講習会が開催されております。そのほかに親子料理教室やヘルシー料理教室など、会員以外の方が参加できるものもあります。食生活の改善、フードセルフケアを継続して実践していくためには、一人一人が食や健康に関する正しい知識を学び、目的に合った食の選択ができるようになること、知識だけでなく調理に関するノウハウまで身につける必要があります。そこで2点お尋ねいたします。
 1、市が食生活改善協議会や高校などと連携して様々なレシピ集を開発してはいかがでしょうか。また、そのレシピ集を基に、誰でも参加できる料理教室を開催してはいかがでしょうか。特に、大人だけでなく子供たちと一緒に作って食べることができればと思います。2、今回、災害拠点病院の質問原稿を書くに当たって、能登半島の被災地に行かれた大学病院の看護師さんから経験談を聞きました。被災地では栄養状態の悪化が深刻で、特に高齢者や小さなお子さんが食べやすい食事の提供が課題であるとのことでした。そこで提案ですが、避難所用レシピを作成してはどうでしょうか。
 以上、1回目の質問といたします。
 
【答弁】
[市長]災害拠点病院としての取組について
・大垣市民病院は、平成8年12月に岐阜県から地域災害拠点病院の指定を受けており、大規模災害発生時に傷病者の受入れや、災害派遣医療チームDMATが出動できる体制を整えており、能登半島地震の際には、DMATを4回、延べ17日間派遣した。被災地内における支援活動については報告会において情報共有を行うほか、院内インフラの重要性を再認識し、訓練内容の見直しや備蓄品の補充等を実施している。
・外来診療中に大規模災害が発生した場合には、外来診療や予定手術を中止し、多数来院することが想定される傷病者の受入れ体制を整えいく。
・毎年、避難・初期消火訓練、防災救助訓練に加え、大垣徳洲会病院及び西濃厚生病院と連携した集団救急模擬訓練も実施している。多数の傷病者や避難者を想定したトリアージ訓練や衛星電話を活用した通信訓練、除染テントの展開訓練等、多様な状況に応じた実践的な内容。
 ・病院運営に必要な水の確保については、平時より生活用水、空調、血液透析、滅菌等、院内で使用する水は専用水道として、深さが異なる4ヵ所の井戸からくみ上げている。
・病院職員の非常参集体制については、災害発生直後に全職員がスマートフォンから被災状況や出勤の可否を報告する災害時職員参集システムを導入している。市民病院の敷地内及び徒歩5分圏内に医師及び看護師が居住する職員住宅があることから、迅速な医療人員確保につながるものと考えている。また、休日、夜間を問わず病院機能を維持するため、平成27年に事業継続計画、BCPを策定し、随時見直しを行っている。
・令和6年11月には埼玉県草加市と災害時における相互応援協定を締結し、資機材だけでなく、医師、看護師等の医療従事者の派遣等、人的支援についても連携を強化したところである
・令和7年度に整備予定のドクターカーを災害時にも活用し、早期の救命措置に取り組むことにより、医療提供体制の強化にも努めていく。
 
[市民活動部長] これからの自治会像について
・令和6年4月1日現在、489の自治会があり、世帯単位の自治会加入率は72.6%。県内21市の平均64.8%に比べ高い水準を維持。しかし、令和元年度と比較すると、県内平均が4.8ポイント減少し、本市においても3.8ポイントの減少となっている。
・自治会と行政は、よりよいまちづくりを進めていく上で重要なパートナー。とりわけ大規模災害時等においては地域の絆が重要であることから、自治会は欠かすことのできない存在。時代に即した自治会運営が持続可能となりますよう支援に努めいく。
 
[都市計画部長] 管理不全空き家について
・管理不全空き家の認定件数は、本年2月末現在で62件。
・固定資産税等の住宅用地特例の除外については、現在、法に基づく指導等、改善に向けた事務手続を進めている段階であることから該当案件はない。
・近年増加している所有者不明空き家に対しては、民法改正を踏まえ、昨年度から裁判所への申立てを行い、選任された財産管理人により売却等の対応を進めている。
・行政代執行については、令和4年度と5年度に各1件実施。令和4年度分は全額費用の回収をしているが、5年度分につきましては回収を進めているところである。今年度は、延べ床面積等を基に、国から約250万円の補助を受け、1件約1,000万円で実施した。
 
[健康福祉部長] 医食同源について
・食生活改善協議会や高校等との連携によるレシピ集の開発につきましては、平成25年から地産地消アイデア料理コンテストを開催し、平成29年に地元野菜を活用したレシピ集を作成して、ブロッコリーや里芋など、市特産物の普及啓発に積極的に取り組んでいる。
・平成29年から、食生活改善協議会が大垣東高校を訪問し、調理実習等を通じて若い世代に食の重要性を伝える事業を行っている。
・令和5年には、環境SDGsおおがき推進事業において、大垣桜高校と連携し、生徒が考案したお菓子などのメニューを具現化し、めぐるマルシェで販売した。
・市の管理栄養士が監修した生活習慣病予防に役立つレシピを市ホームページに随時掲載。食生活改善協議会が、これらのレシピを基にどなたでも参加できる料理教室として、市内20ヵ所の地区において伝達講習会を開催している。
・避難所用レシピの作成については、令和4年に市と清流の国ぎふ女性防災士会、食生活改善協議会との協働により、避難生活においても簡単につくれるレシピを作成し、市ホームページに掲載している。
 
[一般質問 二回目登壇]
 ただいまはそれぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。
 まず、これからの自治会像についてですが、江崎知事の本には、自分はもっと働けるのにと思いつつ定年後を悶々として過ごしている高齢者は少なくないと思われます。町内会やボランティア活動に積極的な高齢者ほど認知症になりにくく、会長などの役についている人は、さらにそのリスクが小さくなるという調査報告もありますと書かれています。私は、自治会は地域コミュニティー維持のためにも必要な組織だと考えます。しかし、現状のままでは10年後、20年後に自治会というものが存続しているかどうか心配です。そうした危惧する気持ちから、本市が描く自治会の将来像を確認したく、今回の質問をさせていただきました。地方自治法は、いわゆる自治会について、一定区域に住む人々の地縁で形成される団体と定義しています。入退会は基本的に個人の自由です。最高裁が、強制加入団体ではなく、会員はいつでも退会できると判断したこともあり、加入の強制は違法だとされています。自治会の課題として、先ほど役員担い手の高齢化と後継者不足、加入率の低下を挙げさせていただきましたが、これらの課題は、定年制の延長による社会状況の変化のほか、個別具体的な問題にも起因していると感じています。
 具体的に4点申し上げますと、例えば1点目、回覧板についてですが、4年前の9月議会におきまして、デジタル回覧板の導入について提言させていただきました。その後、本市におきましてはどのような議論がされたのか、また、どういう進捗状況であるのかとても関心がありますが、総務省はデジタル回覧板などの導入で情報共有の円滑化、利便性を高め、若い世代が自治会活動に参加しやすくなるとして地域活動のデジタル化を推進しており、全国51の自治会で実証実験を行いました。全国の自治会ではどんどんデジタル化が進んでいます。千葉県市川市のある自治会では、紙の回覧板を残しつつデジタル回覧板を始めたそうです。回覧板を回すのが面倒という高齢者の負担を軽くするほか、若い世代にも気軽に見てもらい、自治会活動に関心を持ってもらう狙いもあるといいます。本市においても、アナログ回覧板とデジタル回覧板を併用して、少しでも自治会業務を減らしてはいかがでしょうか。
 2点目、自治会費等の徴収業務についてですが、北海道苫小牧市のある自治会では、自治会費をコンビニ払いで納められるようにしたそうです。1,332軒にコンビニ用の払込用紙を発送したところ、8割近くの方がコンビニ納付されたそうです。自治会費は年間3,600円で、集金代行会社に支払う費用は手数料や封筒代等を含めて1件当たり300円ほど。役員が郵送作業するものの、1軒1軒徴収に回ったり多額の現金を管理する必要もなくなり楽になったとのことです。また、先ほどの市川市の自治会でも、電子マネーでの会費納入を検討中とのことです。
 3点目、広報配布について。先日も御高齢の方が一生懸命広報を配っておられる姿をお見かけしました。これは、決してフレイル予防のためにやっているわけではありません。少しはそういう効果もあるのかもしれませんが、量と回数が多く、とても持続可能性があるとは言えないと思います。そうした中、全国には自治会を通して配布していた市の広報紙を民間事業者によるポスティングに切り替えているところもあります。神奈川県南足柄市は、人口4万人弱で自治会加入率は約63%ですが、自治会の負担を減らすために2022年から広報紙の配布を月1回ポスティング業者に委託することにしたところ、ほかのチラシと一緒に配るため1件当たりの単価を下げることができ、市の経費削減にもつながったそうです。なお、ポスティング経費は約200万円とのことでした。
 4点目、ごみステーションについて。多くの自治会はフリーライダー問題に悩んでいます。つまり自治会未加入者にも自治会のごみステーションを使わせるかどうかという問題です。これは、本市においても自治会ごとに対応が分かれていて、自治会未加入者には使わせないというところもあれば、一定の負担金を支払うことで使用を認めているところなど様々です。こうした中、神戸市のある御夫婦が自治会への非加入を理由に地域のごみ捨て場の利用を禁じられたのは違法だとし、ごみステーションを利用する権利の確認を求める訴訟を起こしています。この自治会の年会費は3,600円ですが、中には掃除当番などをしたくないと言う人もいるので、そういう人は年会費1万円を払えばごみステーションを使用できるそうです。しかし、自治会員でない住民は利用禁止です。神戸市によると、集まったごみを回収する作業は行政が担っているが、ごみステーションの管理は基本的に地元住民に委ねているとのことです。夫妻は令和2年、自治会の対応は所有権の濫用として訴訟を神戸地裁に起こしました。自治会側は、会費を払っていないのに利用を認めれば自治会員との間で著しい不平等を生じると反論。しかし、神戸地裁は、この夫妻にはごみステーションを利用する権利があると認めました。判決を不服とした自治会側は控訴しましたが、大阪高裁は1審に続き、自治会側の違法性を認めました。たとえ自治会に入っていなくても維持管理費などの負担を求めればよく、非自治会員の利用を一切認めないのは正当化できないと判断しました。そうした金銭負担の提案を夫妻にすることなく出禁、つまり出入り禁止としたのは、入会の強制に等しいとしたのです。この裁判は現在上告中となっておりまして、最高裁の判断が待たれるところです。このようなごみステーションをめぐるトラブルは全国各地で起きており、この訴訟は氷山の一角に過ぎないと思います。自治会ありきの仕組みは限界に来ている一つの事例だと思います。時代の変化に合わせて、市も自治会も変わる時期が来ているのではないでしょうか。
 次に、災害拠点病院としての取組についてですが、今回質問させていただいた以外にも様々な課題があるかと思います。例えば病院のトイレ、下水道とかですが、ぜひ市民のための病院として災害対策に取り組んでいただきたいと思います。厚生労働省は、自宅以外の場所からも患者がオンライン診療を受診することを認めました。能登半島地震においては、災害関連死を防ぐために、高齢者や妊婦など配慮が必要な人を2次避難所に受け入れるまでの期間、アリーナなどの体育館をいわゆる1.5次避難所にしていました。大垣で災害が起きた場合、やはりこうした1.5次避難所が必要になってくると思います。その際に、市民病院は災害対応でてんやわんやの状態となっているはずです。大垣が被災した場合には、どこか遠くの被災しなかった病院とオンライン診療ができる仕組みが必要となります。そうした中、先ほどの答弁にありましたが、埼玉県草加市と災害協定を締結されました。締結式には、草加市立病院のドクターも出席されていたとお聞きしております。大垣市においても、大規模災害が発生した場合、1.5次避難所に大垣市民病院のドクターが駆けつけることはほぼ不可能です。ぜひ草加市民病院と大垣市の避難所をオンラインでつなげていただき、診療できる仕組みづくりを構築していただきたいと思います。江崎知事は、政府が2026年度に創設を目指す防災庁の県内誘致を目指す方針を表明されました。危機管理部においても、災害時に大垣市の司令塔として、これまで以上の役割を期待しております。
 次に、管理不全空家についてですけども、一言だけ。これだけ社会問題になっている空き家問題ですし、今後空き家は減るどころか増え続けると思います。大垣市としても空き家対策課、もしくはお墓問題等も併せて終活支援課の創設をしてはいかがでしょうか。20年ほど前、本市の防災・防犯担当者も僅か3人でした。それが、新年度は危機管理部が創設される予定となりました。現在の住宅課の職員も僅か3人で空き家対策に取り組んでいます。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 最後に、医食同源についてですが、未病をテーマに食生活から健康を考える取組が必要だと思います。健康寿命を延ばし、高齢になっても元気で暮らすことができる豊かな長寿社会の実現を目指していただきたいと思います。食事こそ人生そのものという人もいます。人間の食事は餌ではありません。食事それ自体が心に輝きを与えなければ意味がないということだと思います。避難所では、塩分の多い食事が原因による循環器疾患のリスクが高まるという話も聞きました。つまり、被災地においては下水道がやられており、スープを捨てることができないため全部飲み干すしかありません。しかし、それだと塩分を取り過ぎてしまう。カップ麺などは、最初からスープの粉を半分以下にするなどの工夫をしないと健康を害するということでした。ぜひ避難所用レシピを使った調理を防災訓練に取り入れていただきたいと思います。それと、子供たちの食の確保についても一言申し上げたいと思います。知っている人には当然の話なんですけども、夜間定時制高校には生徒のための給食があります。例えば、大垣商業高校の定時制にも当然、夜の給食があります。これは、学校が自主的に実施しているのではなく、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に基づいて実施されているわけです。私は、希望する小中学生にも様々な居場所において夜の給食があればいいと思います。例えば、南部子育て支援センターの児童館では毎日夜の給食が出るとか。ちなみに平成3年まで、本市では大垣市立第一女子高等学校を運営しておりました。少し前まであった北部体育館は学校の体育館でした。70年代には1,000人ぐらいの生徒さんがいたそうです。私は高校時代、夕方部活をしていると、紡績工場などで働いている生徒さんたちが登校してくる姿を見かけました。この学校は定時制だったので、当然設置者である大垣市が給食を提供していたのだと思われます。とは言え、実現にはかなり課題がありますので、そんなことができればすてきだなと思っております。
 この4年間、石田市政において、岩盤のように動かなかった様々な案件が動き出しました。ただいま審議中の新年度予算案を見るにつけて、新年度はもう期待しかないと思っています。さらなる大垣市の発展のため、市民のために御尽力いただきたいと願っております。
 最後に、あと2分間時間がありますので、江崎知事の本から一節、御紹介したいと思います。こうあります。行政の仕事は、時代や社会の変化に伴う政策課題をいち早く見つけ出し適切に対応することです。では、その政策課題はどこにあるのか。実は、政策課題はどこにでもあります。よく現場を回って政策課題を探せと言われますが、実際には政策課題だけではなく、その答えも現場にあります。大切なのは普通の感覚です。おかしいことはおかしいと言える感性を持ち続けることです。日々の生活の中で感じたおかしいを具体的な行動に移すか、仕方がないと言って見逃してしまうか、その差はほんの僅かなのです。歴史にifはありません。しかし、同時に未来に絶対もありません。1,000年に一度の転換期とも言えるこの時代が、後世の人たちから沈黙と絶望の時代と呼ばれるか、変革と希望の時代と呼ばれるかは、これからの私たちの行動にかかっています。次の世代に引き継ぐための取組を今から始めましょう。私たちの未来は私たち自身が選ぶのですとあります。江崎知事の本、ぜひ読んでいただきたいと思います。
 これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 

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