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令和6年6月議会(一般質問)

2024年6月13日木曜日活動記録

▼6月10日(月)、大垣市議会にて一般質問に登壇させていただきました。毎回、長文で恐縮ですが、全文を掲載させていただきます。
 
【今回の一般質問】
①消防団員の準中型自動車免許取得費補助金制度の創設について
②VUCA時代の人材育成・確保について
③ハラスメント対策について
④地方消費者行政について

 
◆大垣ケーブルテレビ録画放送日
6月19日(水)13:00~(私の出番は16:30頃です)
6月22日(土)8:00~(私の出番は11:30頃です)


【バックナンバー】
令和5年12月議会
令和6年3月議会

 
[一般質問 一回目登壇]
〇自民党緑風会の種田昌克でございます。
今年も既に半分が過ぎようとしておりまして、もう少しで梅雨入り、夏もすぐそこまで来ています。そして来年は昭和でいうと100年の節目の年となります。昭和時代に青春時代を送ったというか学生時代を過ごしましたが、昔は地方自治を学ぼうと思っても専門に学べるところはありませんでした。しかし令和の時代においては、地方自治への関心が高まり、大学のなかには自治行政学科なる学科を設けるところも増えてきておりますし、現役公務員や社会人が公共政策を学ぶことができる大学院もあります。それだけ地域課題に対するニーズや関心が高まってきたのだと思っています。本当に時代は変わりました。
 さて、学生のころ、「鄙の論理」という本を読んだのですが、これは熊本県知事であった細川護熙さんと出雲市長であった岩國哲人さんが書かれた本です。「国が変わらないのなら、地方から変わってみせる」「地方にこそロマンがある」「一流企業より地方自治体が面白い」「青年よ、故郷を目指せ」「どこの会社が一番良いかと聞かれた時、市役所が一番優れていると言われたい」といった熱い言葉が並んでいました。1時間くらいで読める本でしたがとても感動しました。そしてこれからはきっと「地方の時代」が来ると感じ、地方自治に関心を持つきっかけとなりました。それから「地方のことは地方に」という理念のもと地方分権改革が進み、2000年には地方分権一括法によって、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」へと見直され、機関委任事務も廃止されました。これにより地方自治体の政策づくりの幅はぐっと広がり、またその分、意識改革や自治体革新、革新自治体ではなく自治体革新ですが求められるようになり現在に至っています。前置きが長くなりましたが、そんなことも踏まえながら今回は4件につきまして質問や提言をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 
〇1件目、消防団員の準中型自動車免許取得補助金制度の創設について
かつて、私が自動車普通免許を取得した頃は、普通免許で総重量8トンまでの車を運転できました。それが道路交通法の一部改正により2007年6月2日以降は5トン未満に、さらなる法改正で2017年3月12日以降は3.5トン未満と段階的に下げられました。さて現在、大垣市消防団各分団には、市が1台約2,000万円かけて購入した消防ポンプ車が貸与されています。それらはすべて4トン以上となっています。ということは、2017年、平成29年以降に免許取得した団員、またこれから消防団に入団してくる若い団員のほとんどはポンプ車を運転することができないこととなります。今後、準中型免許をもっていない団員が増えてきた場合、火災が起きても運転できる団員がおらず、宝の持ち腐れとなってしまうのではないかと、消防団の機能低下に危機感を感じています。仮に、現在の普通免許しか持っていない団員が消防ポンプ車を運転した場合、無免許運転の扱いとなり、法律で罰せられます。法律で定められている以上、知らなかったでは済まされません。消防団員は非常勤特別職の地方公務員です。普段はそれぞれの仕事を持ち、火災や災害が起きると自宅や職場から駆け付け、消防署員らとともに消火活動や住民の避難誘導などにあたります。本市の団員は、現在626人で、条例で定めた定数670人に対する充足率は93.4%となっており、全国平均の86.2%より高いものの、10年前と比べて60人ほど減少しています。25分団の体制は維持しているものの今後団員不足で活動に支障がでてくる分団が出てくる可能性があります。新入団員の確保は長年の課題であります。ちなみに、準中型免許を取得する場合、所持免許無しの方は40万円前後、普通免許所持の方は17万円前後かかるようです。
 人口減少により消防団員の確保が困難になっています。現在の消防団員のほとんどはポンプ車を運転できるため、現在のところはそれほど必要性を感じないかもしれませんが、将来的にはポンプ車を運転できない団員の方が多く占めることとなるのは間違いありません。総務省では、消防団員の免許取得の際に国費による一部支援を2018年から進めています。消防団に入ると準中型免許をとらせてもらえるというインセンティブがあれば、入団を希望する若い人が増えることも期待できます。
 そこで、有事の際の緊急出動を円滑に行うとともに消防団員の確保及び加入促進を図るためにも、本市における消防団員の準中型免許取得について補助金制度の創設を提案したいと思います。本市のご見解をお聞かせください。
 
〇2件目、VUCA時代の人材育成・確保について
 4月20日の新聞各紙で報道されましたが、総務省によると、2022年度に自己都合で辞めた自治体職員は1万2,501人もいたそうです。2013年度は5,727人だったので約10年で2.2倍になりました。年齢別では、30歳未満が4,244人で2013年度比2.7倍、30歳以上40歳未満が4,173人で同3.1倍となり、30代までの若手が全体の3分の2を占めています。このことは、自治体における住民サービスの低下、組織弱体化を懸念させるものだと考えます。
 さて近年はVUCAの時代だといわれていますが、VUCAとは、「Volatatilityボラティリティ(変動性)」、「Uncertainlyアン・サーテンリィ(不確実性)」、「Camplexityコムプレクシティ(複雑性)」、「Ambiguityアムビギュイティ(曖昧性)」の頭文字を取ったもので、従来の枠組みや構造が大きく変化、転換し、先行きが不透明な状況が生まれていることを表現する造語です。これからの自治体はこうした時代状況の中でどのような役割を果たし、自治体職員はどのように働くべきか考えなければなりません。冒頭に申し上げた地方分権改革以降の自治体においては、自治体自らが地域住民を支える体制や政策をつくり、それを担う力をつけ、能力を向上させることが求められています。さらに、これからの自治体職員には「正解のない問い」に取り組む力も求められています。「問いの背景は何か、現場では何が起きているのか、何が問題なのか、どうして解決できてないのか」と「問い自体」を問い直し続け、取り組んでいく必要があります。「人口減少時代に地域を持続させるにはどうしたらよいか」「これからの自治会や消防団のあり方は」「公共施設のファシリティマネジメントは」「認知症の拡大にどう対応するか」「買い物難民、高齢者の足の確保は」などとても難しい課題が自治体には問われています。まさしくVUCA時代の難しさといえると思います。
 そうしたなか、昨年8月の人事院勧告で、目を引いたのが「選択的週休3日制の導入」であります。その背景としては、公務員が学生にとっての就職先としての魅力が薄れてきており、総務省の調査によると、2020年度の地方公務員の試験倍率は5.9倍で、2011年度の8.8倍からずいぶん低下しました。それを受けて、全国の自治体では働きやすい職場、魅力ある職場を目指し、「週休3日制」を試験導入する動きが出始めています。
 たとえば、岡山市では今年4月から「フレックスタイム制」「選択的週休3日制」を試験導入しています。フレックスタイム制は、午前7時から午後7時15分の間で、職員は各々の予定に合わせて勤務時間を決めることができます。各々の予定が何かは不問で、1週間の起算日も自由に設定できます。ただし、週の総勤務時間38時間45分は維持しなければならないとのことです。そしてこの制度をさらに拡充し、丸1日休むことができるようにしたのが「選択的週休3日制」です。土曜、日曜のほか平日の1日を休むことができます。その代わり、残る4日の勤務時間は3日が9時間45分、1日が9時間半となり、1週間の総勤務時間は変わらないとのことです。ちなみにこの3日間の休みをどのように使うのかは個人の自由ですが、余暇やレジャーはもちろんですが、育児や介護などの家庭生活の充実、社会貢献のほか、学び直しつまりリスキリング、リカレント教育などへの活用を想定しているそうです。
 そこで、1点目としまして、国では2025年4月からの選択的週休3日制の実現を目指しています。こうしたなか、全国の自治体においても試験導入するところが増えてきています。本市としてはどのように取り組んでいきますか。お尋ねします。
 次にリカレント教育、リスキリングについてですが、リカレント教育とリスキリングの大きな違いは、誰が主導するかにあります。リカレント教育は、「学んでは働き働いては学ぶといった学習と仕事が循環することをいい、はたらく個人が能動的に学ぶことを示す概念です。個人が任意のタイミングで学習をし、仕事や生きていく上で役立つ知識・スキルの習得に努めます。対してリスキリングは、仕事に必要なスキルを習得することで、学びを主導していくのは職員や従業員個人ではなく自治体や企業などの雇用側です。人づくりは重要です。地方自治体が発展していくためには「人づくり」を基本においた行政運営が求められています。しかしながら、地方自治体は大手企業と比較すると、職員の能力開発にかかる予算が少ないと感じています。人づくりの重要性は認識しつつも、現実的には軽んじられているように思います。人づくりを軽視することは中長期的には地方自治体が衰退していく可能性が強まることを意味します。かの武田信玄の「甲陽軍鑑」でも「人は城、人は石垣、人は堀、」と人材、人づくりの重要性を説いています。そこで2点目ですが、私は少しでも多くの職員にリカレント教育、リスキリングにチャレンジしていただきたいと思っています。本市における制度や取り組み、リカレント教育やリスキリングについてどのようにお考えかお尋ねします。
 
〇3件目、ハラスメント対策について
 令和2年6月1日に労働施策総合推進法、通称、パワハラ防止法が改正され、令和4年4月からは、パワーハラスメント防止措置が企業に義務化されました。しかしながら、さまざまな形での、職員へのハラスメントが県内はじめ各地で続発しています。その背景には古い価値観というか、現代の倫理観に追い付いていないこと、そして自治体における対策の不備があると感じています。セクシャルハラスメントが新語・流行語として注目されたのは、平成が始まった1989年でした。嬉しい言葉ではありませんが、その後、世の中に定着してしまいました。同時に、いまもハラスメントは多様化し、各種〇〇ハラスメントとして裾野を広げ続けています。職場で起こるハラスメントとして真っ先に浮かぶのが、上下関係や権力を利用した嫌がらせ行為「パワーハラスメント」です。上司から部下、先輩から後輩に対して行われる場合の多いパワハラは指導との線引きが難しく、個別の対応や状況に沿った客観的な判断が必要となります。先ほどの人事院勧告には、ゼロ・ハラスメントに向けた取り組みとして、課長級以上の職員等に対し、ハラスメント防止対策の理解促進を図る研修の実施についても書かれています。そこでまず1点目として、本市のパワーハラスメント等防止の取り組みはどうなっているかお尋ねします。
 次に、カスタマーハラスメントいわゆるカスハラが社会問題となっています。カスハラとは顧客などが従業員などへの暴言や脅迫、過剰な要求、商品やサービスへの不当な言いがかりといった迷惑行為を指します。そのために精神疾患を発症したり、退職に追い込まれたりする人もいます。
三波春夫さんの有名な「お客様は神様です」という言葉があります。当初は日本の美徳を表す面もあった言葉が、いつしか過剰なサービス精神の象徴として知られるようになり、果ては、ムリな要求を突きつける客の言い分に使われるようになりました。自治労が2020年に全国の自治体職員ら約1万4,000人を対象に行った調査によると、過去3年間に住民から迷惑行為や悪質なクレームを受けたと回答した職員は全体の46%にのぼり、行為別では、暴言や説教が64%で最多。SNSやネットでの誹謗中傷9%、ストーカー行為7%とのことです。本市においても被害を受けている職員がいるかも知れません。こうしたなか、全国的には、自治体職員が身に付ける名札を名字のみの表記に変更する動きが広がっています。本市ではフルネームと所属している課を記載した名札を採用しています。これは、住民に顔と名前を憶えていただくとともに、より親近感をもってもらいたいという気持ちの表れだと認識していますが、一方、職員を守る観点も必要だと感じています。
 そこで2点目としてお尋ねします。本市においてはどのようなパワハラ・カスハラ防止に関する取り組みを行っていますか。また、窓口などにおける迷惑行為の現状から自治体職員が身に付ける名札をフルネームから名字のみの表記に変更する動きが県内外の自治体において広がっています。有効な手段であると考えますが、本市ではどのように検討されているのかお尋ねします。
 
〇4件目、地方消費者行政について
 電話番号188をご存じでしょうか。これは消費者ホットラインの電話番号です。「イヤヤ」と覚えていただくと良いかと思いますが、悪質商法等による被害、不適切な表示に関するトラブル、製品やサービスなどによる事故などについて相談したいときに使えます。消費者庁としても、いろんなチラシを作って啓発を行っています。たとえば「気を付けて悪質商法、見抜く力、断る勇気を」、「知ってほしい悪質商法、アポイントメントセールスそれ勧誘目的かも」、「ちょっと待って、そのネット注文定期購入ですよ」、それとこれは「だまされやすさを測る心理傾向チェック」というチラシですが、騙されやすさを自分で診断することができます。例えば、おだてに乗りやすいとか、素敵な異性からの誘いだと断れないとか、新しいダイエット法や美容法にはすぐ飛びつく、など15のチェック項目があり、合計点で自分の騙されやすさを知ることができます。私もやってみました。何点だったかは差し控えさせていただきますが。自信過剰は禁物だということがわかりました。
 さて昔から、悪質商法というのは後を絶たず、昭和30年、40年代の押し売りに始まり、マルチ商法、原野商法、先物取引商法、ねずみ講、現物まがい商法など悪質商法の歴史を紐解くと枚挙にいとまがありません。とりわけ、押し売りについては、主婦が一人でいる時間を見計らって玄関に上がり込み、粗悪なゴムひもなどを法外な値段で売りつけることがあったようです。当時は電話機の無い家庭も多く、助けを求めることは困難だったと思います。また、現物まがい商法といえば、金、地金などを用いた手口である豊田商事事件を思い出します。高齢者を中心に全国で数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円近くと見積もられ、老後の蓄えを失った被害者も多いと聞きます。近年、高齢化や地域コミュニティの希薄化などに伴い、消費者を取り巻く環境が変化し、消費者トラブルは複雑・多様化しています。2022年4月には成年年齢が18歳に引き下げられ、若年者がトラブルに巻き込まれる可能性も増しています。そうしたなかトラブルを防ぐため、消費者問題の現場である地方自治体は消費者行政の推進体制を構築していく必要があると考えます。財源や人員等の制約もあるなか、消費者行政をどのように実行していくのか気になるところであります。まず、地方消費者行政の法令上の位置づけですが、1968年に制定された「消費者保護基本法」において地方公共団体の消費者行政に関する事務が初めて明文化されました。翌年には地方自治法の固有事務に消費者保護が規定、地方公共団体が本来行うべき事務として位置づけられました。2009年には国においても消費者庁が発足し、「消費者安全法」が制定されました。具体的な事務として、市町村は苦情相談、あっせん、情報収集・提供、都道府県との情報交換等の事務が規定され、これらの事務を行うため、消費生活センターの設置が努力義務とされました。
 令和5年版消費者白書によりますと、2022年の消費生活相談件数は87万件。架空請求に関する相談は1万6,000件。1万6,000件というと大変な数字のような気がしますが、これでも過去20年でもっとも少ない数字だそうです。一方、通信販売の「定期購入」に関する相談件数は過去最多となり、そのうち65歳以上高齢者の割合が過去最多となりました。また、SNS関連の相談件数も過去最多となり、幅広い年齢層でトラブルが発生していますが、とりわけ中高年の増加が顕著で、2022年は50歳代が最多となり、2021年に最多であった20歳代を上回ったとのことです。一方、高齢者の消費生活相談は、相談全体の約3割を占め、「訪問販売」の割合が高い傾向にあり、「健康食品」や「点検商法」に関する相談も依然として高いそうです。注意喚起の意味も込めて、どのような相談があったのか少し具体例を紹介しますと、①小学生の子どもが保護者のスマホで、オンラインゲームの課金をして、クレジットカード会社から30万円の請求が来たので取り消してほしいといった相談。②SNSで知り合った人に勧められ、FX取引を学ぶ講座を50万円で契約をしてしまったがやめたいという相談。③ネット販売で初回のみで解約できると確認して毛染めシャンプーを注文したが、次回以降を解約しようと思って電話するもつながらないという相談。④SNSで有名百貨店の閉店セールの広告を見てブランドの時計を格安で購入したが偽物だったのでお金を返してもらいたいが連絡がつかないという相談、などがあったそうです。このように、毎年約90万件のさまざまな相談があり、高齢者や成人になったばかりの若い人たちがカモになっていると思われます。またインターネット取引に関する相談件数が増加傾向にあり、こうしたなか、地方消費者行政に期待される役割は大きいと感じています。
 本市においては、こうした相談窓口として、「消費生活相談室」が設置されていますが、消費生活センターの設置基準として、1週間に4日以上相談窓口を開所していること、消費生活相談について専門的な知識及び経験を有するものを配置していることなどが定められています。そこでお尋ねしますが1点目として、本市における消費生活相談に関する体制と相談対応実績をお聞かせください。
次に、高齢者や障害者の被害が増加・深刻化しているなかで消費者本人が相談にくるのを待つというのでは十分ではないと考えます。このため2014年の法改正で高齢者など被害にあいやすい消費者を地域で守る「消費者安全確保地域協議会」通称、見守りネットワークの仕組みが導入されています。そこで2点目、本市における啓発活動の実績、見守りネットワークの活動等について具体的に教えてください。
 最後、3点目として、本市の消費者安全行政として課題としてとらえていること、今後どのように取り組んでいくのかお尋ねします。以上、1回目の質問といたします。
 
【答弁】
[市長]
 消防団員の準中型自動車免許取得費に対する補助制度につきましては、若い世代の団員を確保する上でも有効であると考えられることから検討を進めていく。
 
[企画部長]
 「選択的週休三日制」の導入については、職員の働き方を柔軟にする一方で、市民サービス体制を確保するなどの課題があるため、調査研究をしていく。
 職員のリスキリングについては、外部研修に積極的に職員を派遣していく。
 パワハラ等の職場ハラスメントは、職場秩序の乱れ、人材損失、悪影響を及ぼす問題である。パワハラ防止対策としてはパワハラ防止指針と策定し、全職員に周知徹底している。
 カスハラについては、SNS等による個人の検索やインターネットでの指名の公開などの迷惑行為などから職員の安全等を守るために、名札の表記を名字のみに変更し、今月より市民サービスセンターから順次導入している。

[市民活動部長]
 令和5年度の相談件数は1,326件で、そのうちの約半分が50歳以上の方からの相談だった。屋根等住宅修理の訪問販売、インターネットや電話・電力の契約切り替え、健康食品の定期購入などに関する相談が多い。
 
[一般質問 二回目登壇]
 ただいまは、それぞれご答弁いただきました。
 
 さて、消防団員の準中型自動車免許についてですが、市長から現在検討を進めていただいていただいているとの、前向きなご答弁ありがとうございました。本市におきましても、ぜひ進めていただきたいと思います。
 
VUCA時代の人材育成・確保について
 社会に出てから学び直しをするリカレント教育は非常に高まりを見せています。ちょっと前に、歌手の松田聖子さんが「中央大学通信教育課程」を卒業されたことが話題になりました。また同じく相川七瀬さんもこの春大学を卒業し、4月からは大学院に通っておられます。これらのニュースに、「忙しい」とか「歳だから」とかはもう言い訳にならないと思われた方、背中を押されたという方、結構おられるのではないでしょうか。本市には、「職員の修学部分休業に関する条例」「職員の自己啓発等休業に関する条例」があります。私は20年ぐらい前にこの制度で部分休業を取らせていただき、夜、大学に通わせていただきました。社会人になってからの学生生活では他の自治体の職員や地方議員の方と机を並べて学ぶことができました。これは、とても大きな財産となり、「夏の扉」ならぬ「人生の扉」が開いたと思っています。ぜひ、多くの方にこの制度を使って学び直していただきたいと思っています。いまは、昔のように電車を乗り継いで大学まで行かなくても、自宅のパソコンを使ってリモートで大学の講義を受けることができる時代になりました。大垣に住みながら東京の大学で学べる時代です。時代にあった制度にしていただけると良いと思います。週休3日制については、群馬県前橋市が昨年8月から9月にかけて試験導入されました。「満足」が54%を占めたそうです。
 それと、3月議会において「職員採用試験の年齢制限撤廃について」提言させていただきました。今年も県内の自治体において職員募集がはじまっております。ベンチャー市役所を掲げる飛騨市においては、スピード感、攻めの姿勢、誠実、3つのSでドSな市役所をキャッチフレーズに、職員募集を展開しておられます。一般行政職(ふるさと枠)では、民間企業や官公庁等で通算5年以上職務経験がある29歳から61歳までの方が応募できるそうです。また、羽島市においては、実務経験者枠というのがあり、国及び他の地方自治体で常勤職員としての行政実務経験が継続して5年以上ある方を募集しています。民間のように行政も、役所から役所へ転職をする時代となってきたようです。本市におきましてもVUCA時代に合った、広く多様な人材確保について研究していただきたいと思います。
 
地方消費者行政について
 7月3日からいよいよ新紙幣が発行されますが、となると、これに便乗した詐欺が予想されるのではないでしょうか。新紙幣が発行されても、旧紙幣が使えなくなることはありません。おそらく詐欺の手口としては「古いお札は使えなくなるから回収します」といった内容や「古い紙幣を振り込めば代わりに新しい紙幣に交換する」といったものが予想されます。本市でもぜひ注意喚起など行っていただき、市民のみなさんが被害にあわないように広報していただきたいと思います。消費者トラブルの現場は地域であり、その解決は基礎的な住民サービスであります。地方消費者行政の充実、相談しに来るのを待つのではなく積極的に街に出ていただき若者やお年寄りが被害にあわないように啓発活動に努めていただきたいと思います。
 
ハラスメント対策について
 ちょっと前に、主人公が昭和から現代にタイムスリップするというテレビドラマが放送されてました。職場やバスの中でたばこを吸っていたり、中学の野球部で生徒にケツバットをしたり、スピーチとスカートは〇〇がいいみたいなセリフが出てきたり、今となってはかなり不適切な部分もありましたが、決してこのドラマは、「昭和は良かった」とか、「昭和は不適切だったけど輝いていた」などと、単に昔を美化しようというものではなかったように思います。つまり「コンプライアンスは忘れてはいけないけど、もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃないか」という令和時代を生きるわれわれへのメッセージが込められていたような気がします。近頃の昭和が再評価される現象というのは理解できるところもあるんですが、一方で、昔の記憶が都合よく書き換えられるということもよくある事だと思います。いま思えば、昭和から平成にかけてのセクハラ、パワハラは大問題でした。私たち世代は多かれ少なかれ誰しもが経験しておりますが、いまはそれを問題視し、何とかしようという良い時代になりました。
 例えば、全国の自治体では「カスハラ防止条例」を制定しようという動きがあります。三重県四日市市では一昨年、条例を定めましたし、桑名市は今年中の条例制定を目指しておられます。一般社団法人地方自治体研究機構の調査によると、2023年12月現在で、全国で43条例が制定されているそうです。一般市民から職員に対するハラスメントだけでなく、議員から職員に対してもパワハラなどの深刻なハラスメントがやまないことも背景にあるとのことで、私は謙虚に初心を忘れず、襟を正して市民のお役に立つ仕事をしなければならないと、思いを新たにしたところであります。
 それでですが、先ほど、「今月より、名札を名字のみに変更し、市民サービスセンターから順次導入している」とのご答弁でしたが、さっそく取り組んでおられて良い事だと思う反面、ちょっとお聞きしたいといいますか素朴な疑問があります。私だけではないと思うんですが、ここにおられる議員や傍聴されておられる方は、いま初めて名札が変更になったことを聞いたというか知ったと思うんですが、いかがでしょうか。これに関しては、事前に議会への報告等は必要ないのでしょうか。
 それと、今の名札は、平成16年9月議会で、当時の企画部長が「事務服の廃止及び名札の大型化につきましては、実施に向けて検討を進めてまいりたいと存じます。」と答弁され、その後、今のフルネームの大きな名札になったと記憶しています。せめて議会に対して、こうこうこういう理由でフルネームから名字のみの名札に変更しますといった事前説明があれば、窓口等におけるカスハラ問題について議論したり、ことの本質や解決策についても理事者側と認識を共有できたのにと思います。もうひとつ、全庁一斉に導入しなかった理由は何でしょうか。また順番として、本庁からではなく市民サービスセンターからという理由は何でしょうか。きっと、ほかの議員のみなさんも、今日傍聴に来られている市民の方も関心というか疑問に思われることだと思いますので敢えてお尋ねしたいと思います。以上、2回目の質問といたします。
 
【答弁】
[企画部長]
※メモを取れませんでした。ケーブルテレビをご覧くださいませ。
 
[一般質問 三回目登壇]
 ありがとうございます。一生懸命に取り組んでおられることは理解できました。議会の本来の役割は多様な意見を持ち、様々な視点から行政に意見し、行政の施策を高めていくことで、市民からもそれが求められているのだと思います。議会が行政の追認機関となり下がってはなりませんし、議会と行政は付かず離れずの関係でいなければならないと思います。冒頭で地方分権の話に触れましたが、地方自治法改正案が今国会で審議されています。大規模災害や感染症など非常時に自治体だけで対処するのは限界があるから、そのため国主導の態勢を整える必要があるというのが理由だそうです。これは地方分権一括法の精神や枠組みを変える恐れがないかと心配しております。名札の件は、ささいな出来事かも知れませんが「蟻の一穴」という言葉があります。小さな蟻の穴でも、そのままにしているとどんどん大きくなり、ついには堤防を崩してしまうことがあることの例えです。これを放置していると、「なんだ、やらなくても許されるのか」と思う人が必ず増えます。小さい問題の芽を摘むことが、大きな問題への最善の予防策になると信じています。
 さて、いまはいまで大変な時代でありますが、住民のクレームの中には、行政サービスの品質向上につながる貴重な意見があるのも事実です。住民の正当な訴えにまで耳を貸さないようでは困ります。行き過ぎた悪質な言動と、的確な批判をきちんと見極めるようにしていただきたいと思います。神奈川県大和市でも名札を名字表記に変更したのですが、市立病院や消防だけは職員から「フルネームを伝えることで安心してもらいたい」との声が上がり変更を見送ったとのことでした。本市においても、本庁、地域事務所をはじめ病院や図書館、競輪場、そして市民サービスセンターなどいろんな職場があります。もしかしたら大和市のように職員からいろんな意見があるかもしれません。住民とのコミュニケーションは地方自治、とりわけ基礎自治体の根幹でもあります。今回もいろいろと提案させていただきましたが、ハラスメントという言葉が「問題を起こさないように」という意味にすり替わって、職場内や住民とのコミュニケーションまで委縮させることがないよう、距離を遠ざけることがないよう願って私の質問を終わらせていただきます。(約44分間)
 

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