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令和6年9月議会(一般質問)

2024年9月11日水曜日活動記録

  • 岐阜新聞(2024.9.11)
  • 中日新聞(2024.9.11)
▼9月10日(火)、大垣市議会にて一般質問に登壇させていただきました。毎回、長文で恐縮ですが、全文を掲載させていただきます
 
【今回の一般質問】
  • 大谷翔平選手寄贈グローブの活用方法について
  • 無縁遺骨対策について
  • 市営墓地行政について
  • 女性防災職員に期待される役割について
 
【バックナンバー】
令和5年12月議会
令和6年3月議会
令和6年6月議会

 
[一般質問 一回目登壇]
▼自民党緑風会の種田昌克でございます。
 先般の台風10号の影響による大雨で、被災されましたみなさまに心よりのお見舞いと、一日も早い、復旧復興をお祈り申し上げます。また、職員のみなさま、消防及び消防団のみなさま、排水機場運転手、堤防監視員など、災害対応等にあたられている多くのみなさまに心よりお礼申し上げます。
 さて、この夏はパリ・オリンピックおよびパラリンピック、都市対抗野球、高校野球などで、多くの感動をいただきました。とりわけ、都市対抗野球につきましては、大垣市代表西濃運輸野球部の快進撃。10年ぶりの黒獅子旗までもう少しのところでした。私も背番号88のユニフォームレプリカのシャツを着て東京ドームでの応援に参加させていただきました。私は野球の経験がなく、それほど詳しくないのですが、それでも、初めてプロ野球を観に行った日の感動。亡き父に連れられ、兄弟3人が縦じまの背番号22のシャツを着てナゴヤ球場に行ったことを覚えています。なぜか、正札堂で縦じまの22番のシャツが大量に安売りされており、母が私たちにお揃いで買ってくれました。後日、そのシャツを着て小学校に登校したところ、先生から22番はもういない。真夜中に突然、白獅子の球団にトレードされたのだと教えてもらいました。みなさんも野球というと、お父さんとキャッチボールをしたとか友達と草野球をしたとか、いろんな思い出があるかと思いますが、通告に従い、4件の質問を通じて、市長はじめ理事者のみなさんと市政についてキャッチボールをさせていただきたいと思います。
 
▼まず、1件目、大谷翔平選手寄贈グローブの活用方法についてです。
 アメリカメジャーリーグの大谷翔平選手は、昨年はホームラン王と2度目のリーグMVPに輝きました。今年はロサンゼルス・ドジャースに移籍して、大リーグ史上初のホームラン50本、50盗塁への期待も高まっています。
 その大谷選手が、昨年、全国の小学校に野球のグローブを寄贈され、本市の小学校にも1月9日に届いたそうです。大谷選手からは、「子どもたちが野球というスポーツに触れ、興味を持つきっかけになってほしいと願っています」というメッセージも添えられていました。
せっかくいただいたグローブですから、いただいたほうも最大限に有効活用しなければなりませんし、それは大谷選手の願いでもあると思います。
 では、この大谷選手から届いたグローブはどのように使われているのでしょうか。なかなか伝わってきません。小学生の子どもがいないから伝わってこないのかも知れませんが、実はお子さんをお持ちの方からも同様の声を耳にします。そこでお尋ねしたいと思います。
〇大谷選手からのグローブは、スポーツ庁から教育委員会を通じあくまで希望する小学校だけに寄贈されました。こちらが希望していただいいたのですから、当然積極的な活用が求められると思います。では実際にどのように活用されているのでしょうか。また、今後どのように活用していくのでしょうか。具体的に教えていただきたいと思います。
 

▼2件目、無縁遺骨対策についてお尋ねします。
 無縁遺骨とは、火葬後に引き取り手がない遺骨のことをいいます。総務省が昨年3月に公表した調査結果では、核家族化と少子高齢化で65歳以上のひとり暮らしが増えており、身内がいても弔う人がいない死者の数は、2018年4月から2021年10月までの3年半で10万6千人に上り、うち、火葬後も引き取り手がないいわゆる「無縁遺骨」は、約6万柱と急増しているとのことです。
 そうしたなか、昨年11月、高齢化する社会が抱える課題を追った「ルポ無縁遺骨 誰があなたを引き取るか」という本が発売されました。さっそく手に取ってみました。冒頭でいきなり、昭和の大女優、島田陽子さんがひとりで亡くなり遺体の引き取り手もなく自治体によって荼毘に付されたことが書かれていました。老後も精力的に仕事を続け、決して孤独ではなかった方ですら「無縁遺骨」になるのだという事実にショックを受けました。
 さて、全国に6万もの無縁遺骨がある背景には、独居高齢者の増加や親族の引き取り拒否が広がっていること、そして地域とのつながりの希薄化があるかと思います。市町村は「墓地、埋葬等に関する法律、いわゆる墓地埋葬法」や「行旅病人及行旅死亡人取扱法、いわゆる行旅法」などに基づき、火葬や埋葬を担う人がいない、または判明しない場合、遺族などに代わって行うことが定められています。行き倒れなど身元不明で亡くなっている場合のほか、単身者や生活保護の受給者が死亡し、引き取り手がないといった場合には無縁遺体として扱われ、親族がいても疎遠などを理由に拒否される際は行政が代わりに火葬します。今後、離別や死別、未婚など配偶者がいない人の増加で、身寄りのない人がますます多くなることが予想されます。そして将来的には、自治体の負担増大につながるのではないかと考えています。
 そこで4点お尋ねします。
〇1点目、本市においては親類の引き取り拒否の場合、どのような処理をされていますか。一連の流れについて教えてください。
〇2点目、現在、本市の遺骨の対応件数をお尋ねいたします。
〇3点目、その場合、検死、棺桶、火葬などの葬祭費用がかかるかと思いますが、1件あたりいくらぐらいかかっていますか。
〇4点目、ご自身が亡くなられた後の葬儀や納骨などの手続きに不安を抱えるおひとり暮しの方は多くいらっしゃると思います。こうした死後のことに関する市民の心配やニーズへの対応は行政の責務であると考えます。例えば、他市で導入されている市民ニーズに応えるような事業、つまり健康なうちから市が葬儀や納骨先の希望を聞き取り、葬儀事業者と生前契約をあっせんし契約情報を把握する。そして、市は定期的にその方を訪問して見守り、亡くなられた後は納骨まで見届けるといった市民の死後に関するサポート事業などの導入について、本市のご見解をお聞かせください。 

▼3件目、市営墓地行政について
 お盆とは、ご先祖様をはじめ、亡くなった方々があの世からこの世に帰ってくる期間のことをいい、1年のうちで最も死者供養が盛んな時期であります。わが家でも、古くからの習わしに沿って、提灯やお花のほか、手入れするための掃除用具を持ってお墓へ行き、ご先祖様をお迎えしました。
 しかしながら、少子高齢化が進み、「終活」という言葉がすっかり世の中に浸透するなか、多くの方がお墓を巡る問題に直面し社会問題となっています。そうしたなか近年増えてきているのが「墓じまい」です。墓じまいして遺骨を別の場所に移すことを「改葬」といいますが、厚生労働省の統計によると、改葬は2022年度に全国で15万1,076件もあったそうです。2012年は7万9,749件でしたので、10年で2倍近くに増えたことになります。
 先ほどの無縁遺骨の件と同様、墓じまいをされる親族や縁故者がおられる場合は良いのですが、継承する人がいない墓は「無縁墓(むえんばか)」となります。無縁墓の数は年々増加してきており、社会問題化していることからも身近に感じている人も多いのではないでしょうか。
 無縁墓がどのくらい増加しているのかというと、昨年9月の総務省の実態調査結果によると、公営墓地を運営する市町村の、実に58.2%が無縁墓を抱えているそうです。墓地には元来、自治体、民間、寺院などさまざまな運営主体があります。本市の場合は、大きく市営墓地、地域の墓地であるいわゆる村墓地、寺院の墓地などに分けられます。
 そうしたなか先般、わが家の先祖代々のお墓がある村墓地のみなし管理者である地元の自治会長さんから墓地を使用している家々に通知がありました。どういう内容であるかというと、前回、墓地使用者を把握してから36年が過ぎ、今回あらためて、使用者の住所氏名などを調査したところ、104区画のうち35区画の連絡先が把握できないことがわかった。このまま放置すれば、今後、法令に基づく墓地の改葬や墓じまいの手続きができなくなり、そしてさらにこの先、手が付けられない区画の増加が懸念されることから、この際、村墓地の問題点を整理・検討し規約を作成したうえで墓地管理組合を立ち上げたいという内容でした。私はこの通知を読んで、あらためて墓地は地域の課題であるとの認識を新たにいたしました。
 自治体が墓地行政にどこまで関与するべきかというと、これは非常に難しい問題であります。しかし避けては通れない問題でもあると考えます。墓地にはさまざまな運営主体がありますが、あくまで本市が運営主体である市営墓地について5点お尋ねいたします。
〇1点目、市営墓地の現在の区画数と使用率について。
〇2点目、全国的に墓じまいをするケースが増加傾向でありますが、昨年度の墓の返還件数はどれほどでしょうか。また、7月15日号広報で「市営墓地使用者募集」が掲載されていましたが、昨年度の新規申込件数について。
〇3点目、先日、うちの近所にある羽衣霊園を訪ねさせていただきました。すると、いくつかの墓に、1年以内に申し出がなければ改葬する旨が書かれた立札がありました。つまり無縁墓であることを確定する法律上の手続きとして、このような立札が立てられているわけです。ではこうした手続きを経て確定した無縁墓の数はどれほどあるのでしょうか。また、無縁墓発生抑制のためどのような対策を講じているのでしょうか。例えば、市営墓地の使用者が亡くなった場合に備え、管理を受け継ぐ縁故者等の連絡先などを把握しておくと、今後の無縁墓防止対策になると考えますが、そうした情報を把握しているのでしょうか。
〇4点目、改葬の仕方もさまざまあり、多くの人の遺骨を一緒に埋葬する「合祀墓(ごうしぼ)」「合葬墓(がっそうぼ)」、樹木や花壇などを墓標にする「樹木葬」、最近ではパソコンやスマートフォンで墓参りする「メタバース霊園」や遺骨を宇宙に送る「宇宙葬」などもあります。この改葬のなかで一番多いのは合祀墓、合葬墓だそうです。本市として今後、合葬式墓地の設置など検討されていますか。
〇最後5点目、墓じまいをする際には、墓石の解体・撤去工事等にそれなりの費用がかかります。全国的には、霊園や墓地の良好な管理を促進するために「墓じまい補助金」制度などの施策を設けている自治体がありますが、本市では検討されていますか。ご見解をお聞かせください。

▼4件目、女性防災職員に期待される役割についてですが、
 これについては、昨日、宮脇議員が同様の質問をされ、もう私が述べることはほとんどないのですが、これまで阪神淡路から荒崎水害、東日本大震災までいろんな避難所を見てきた経験から少しだけ述べさせていただきたいと思います。
 男女平等の達成度を測るジェンダー・ギャップ指数でわが国は昨年、調査対象146か国中125位で過去最低でした。そうしたなか、内閣府は全国1741市区町村について、昨年4月時点の防災・危機管理部局の女性職員数を調査し、その結果を公表しました。それによると、担当職員に占める女性の割合は全体で11.5%にとどまり、964市町村つまり全国の55.4%の市町村では女性防災職員はゼロとのことでした。
 防災部局に女性が少ないのは、「緊急対応は長時間労働で男性が適任」という無意識の思い込み、つまり、アンコンシャスバイアスが影響しているとの指摘もあります。
しかし、阪神淡路のとき、避難所における女性への配慮が不足していることは既に問題となっていました。たとえば、避難所で赤ちゃんが夜泣きし、どこかのおじさんが怒鳴る。するとまた泣き出す。しかたないのでお母さんは避難所の外に赤ちゃんを連れて出て行くようなこともありました。寒い1月か2月のことでした。あれから約30年、能登半島地震の避難所生活においても、やはり「女性用の支援物資が無造作に並べられていて手に取りにくい」とか「避難所で授乳や着替えができない。トイレに行きにくい。」といった女性への配慮不足が指摘され、もっとニーズをくみ取った対策が必要だといわれています。これはひとえに、男性中心の避難所運営をしているからに他ならないと思っています。決して男性がだめだといってるのではなく、私も大いに反省するところでありますが、悲しいかな、わからない、きづかないといった部分がどうしてもあるわけです。ですから、いまだに課題として残っているのだと思います。
そうしたなか、今年度、本市においては、防災担当として女性職員が2名配置されました。私が知るこの30年間でおひとりしか女性の防災職員はおられませんでしたので久々の配置となります。否応なしに期待が高まっております。
 そこで、
〇1点目、今後、本市の女性の防災職員にどのようなことを期待されますか。
〇2点目、この4月から新たに取り組んでいること、今後計画していることなどあれば。たとえば女性視点での防災講座や防災訓練の実施などあればご紹介ください。
 
以上、1回目の質問といたします。
 
【答弁】
[市長]女性防災職員に期待される役割について
・本年4月から、防災対策に女性の視点を取り入れるため、危機管理室に女性職員を2人配置した。うち一人は、専門的な知識を持つ保健師とした。
・今後、災害時において、女性や要配慮者のほか、避難所を利用するすべての方が不安をいだかないようなきめ細やかな対策を期待している。
・今月からは保健センターと連携して、小さな子どもがいる家庭向けの活動にも取り組んでいる。
 
[教育長]大谷翔平選手寄贈グローブの活用方法について
・体育の授業において、ベースボール型の学習で全員が使えるように配慮している。
・休み時間や放課後に、クラス等に貸し出している学校もある。
・今後は、活用方法について、学校と子どもたちが一緒に活用を考えていく。
・各学校での事例を教習していく。
 
[健康福祉部長]無縁墓地行政について
・遺体の引き取り手が不明な場合は相続人を調査し、遺体または遺骨の引き取りを要請するが、拒否された場合は、市において埋火葬を執り行い、寺院にて供養する。
・無縁遺骨の対応件数は、令和3年度3件、4年度2件、5年度5件。今後の推移には注意が必要と考えている。
・埋火葬にかかる費用は1件あたり約13万円。
・市民と民間事業者との死後事務委任契約に市が介在するような事業については、社会情勢の変化を注視しながら調査研究する。
 
[生活環境部長]市営墓地行政について
・市営墓地、市内5か所にあり、全区画3,225区画のうち2,982区画を使用。使用率は92.5%。
・昨年度、新規使用開始は8件。墓じまいは27件。
・無縁墓は12基。
・合葬墓については引き続き研究していく。
・墓じまい補助金制度は現在のところ考えていない。
 
[一般質問 二回目登壇]
ただいまは、それぞれご答弁いただき、ありがとうございました。 
▼まず、無縁遺骨対策についてですが、2020年の国勢調査によると、ひとり暮らしは全世帯の38%を占め、2040年には高齢世帯の4割が独居になると推計されています。一緒に暮らしている人を家族ととらえるならば、これからの日本では家族がいない人が急増します。
つまり、死後を遺族が担うという日本の伝統が崩れつつあるため、無縁遺骨が増え、大きな課題となっていくのではないかと心配しています。神奈川県大和市は、2021年「おひとり様政策課」を設け、交流の場の紹介や終活支援に取り組んでいるそうです。本市も、もう一歩踏み込み、新たな対策をする必要があるのではないでしょうか。
 無縁遺骨や無縁墓も問題ですが、一番の問題点は、「無縁社会」というか生きながらにして地域と関係を断っている人がたくさんいることだと思います。高齢社会白書によると、60歳以上の高齢者全体では9割の人が毎日会話しているのに対して、そのうちひとり暮らしの男性だと約3割、女性だと約2割が2~3日に1度しか会話しないとのことです。本年4月に「孤独・孤立対策支援法」が施行されましたが、この法律の趣旨は、「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会」を目指すとなっています。独居高齢者は様々な課題に直面することが考えられます。また、地域の方とも職場の方とも「形式的な付き合い」を好む傾向が進んでいると言われ、そういう方には、ぜひ、本市が展開している「さわやか みまもり Eye」に参加することをお勧めします。私も活動に参加しておりますが、「さわやか みまもり Eye」のEyeには4つの意味があります。一つ目は文字通り「目」です。この目が大切です。2番目のアイは、挨拶のアイ。あいさつにより交流が生まれます。3番目のアイは愛情のアイ。4番目は本市の市民憲章にある市民相互の助け合いのアイです。元気なうちに共助の関係を作っておくことが必要だと思います。緑色のキャップをかぶって、さっそく明日からでも、子どもたちの登下校を見守れば、元気なあいさつを返してくれますし、簡単に地域デビューすることができお勧めだと思います。
2022年には孤独死を扱った「アイ・アムまきもと」という映画が公開されました。ロケは山形県酒田市役所で撮影されました。身寄りもなく亡くなった方の火葬や埋葬をする主人公の職員役を阿部サダヲさんが演じています。孤独死した男性の身元を調べ、娘さんを探し出し、連絡を取ってみると、素っ気なく遺骨を引き取る気はないと断られてしまいます。すると、主人公はある行動をとります。もしこれが大垣市役所での話であったとしたら、職員のみなさんはどのような対応をされますか。もし、みなさんが亡くなられた方、つまり当事者であったら、どのような対応を望まれますか。ぜひDVDでご覧いただき自分事として考えていただきたいと思います。
 地域で安心して死ねることをどのように実現していくか、新たな時代の福祉政策の柱のひとつとして自治体の知恵が問われているのではないでしょうか。
  
▼次に、市営墓地行政についてですが、
 墓地行政は最先端の行政課題だと感じています。これまで「揺りかごから墓場まで」といわれてきた福祉国家が想定していたのは、墓場に入るまでの話でしたが、今日では無縁墓をどうやって防止していくのか、新たな墓地ニーズにどのように対応していくのか、墓場そのものが課題となりつつあると感じます。
 これまで、先祖代々の墓は、その子孫が管理して引き継いでいくといった考えが一般的でした。しかし、遠方に住んでおられたりして清掃など管理ができないとか、引き継ぐ人がいないなどの理由で、「墓じまい」をするケースも増加傾向にあります。
 「墓じまい」をされる方がおられるのはまだ良いケースで、深刻なのは「無縁墓」だと思います。無縁墓増加の背景としては、家族形態の多様化や、子孫が先祖伝来の土地を離れるケースの増加が考えられます。
 現在の無縁墓の数は12基とのことでしたが、市営墓地が占める割合は市全体のわずかにすぎませんから、これはまさしく氷山の一角、市全体としてはもっと多くの無縁墓が存在すると思います。
 1999年3月に「墓地埋葬法施行規則」が改正され、墓地運営者が無縁墓を撤去する場合の手順については、まず、官報に死亡者の本籍や氏名と、1年以内に申し出がなければ改葬する旨を掲載すると同時に、墓地にも、同じ内容を立札にして最低1年間掲示することと定められています。これらの公告に対して1年以上経過しても申し出がない場合、改葬の申請を行うこととなります。私が羽衣霊園でみた立札はまさしくこれに該当するものであります。
 お墓というのは、どうしても個人や家の問題であるという側面がありますが、最終的には、空き家問題同様に公共的課題となる可能性があります。将来的に自治体はこれまでのような関与では済まされなくなる可能性が高いと思います。
 今後、地方自治体として墓地行政をどう展開していくのか、市営墓地の整備及び村墓地など民間墓地の整序を図ることを念頭に、基本理念や基本方針を定める必要性があるのではないでしょうか。さらには福祉政策との連携という形に発展させて取り組まなければならないかもしれません。
 お墓問題は、風習、地域性、政教分離の問題なども踏まえて、これからも考えていかなければならない難しい問題です。今後、他の自治体の動向なども注視しながら、市民ニーズに合った墓地行政を展開していただくことを強く願っております。
 
▼女性防災職員に期待される役割についてですが、
 女性職員が保健センターと連携してとりくんでいただけるとありました、防災部局が、福祉や教育、都市計画など様々な部署と連携して新たな取り組みを行うことはとても良い事だと思います。保健センターといえば、例えば、食改さんと「災害時の料理レシピ」などを作って、動画配信などしてはどうでしょう。福祉避難所となっている介護施設などと連携した訓練の充実や、女性目線、暮し目線で防災の普及啓発活動を行っている清流の国ぎふ女性防災士会などともさらに連携を深めていただきたいと思います。
 群馬県高崎市では、今年度、災害時における女性や要配慮者への支援を強化するため、女性中心の防災部署を新設したそうです。新設したのは「防災安全2課」という課で、これまでの「防災安全課」が「1課」、女性中心の課が「2課」という形で新設されたそうです。
 本市においては、2課はありませんが、今年度女性職員を配置したことは「より災害時における女性や要配慮者への支援を強化しなくてはいけない」という意識の表れだと評価します。
 たとえば、避難所運営というのは、性別に関係なく男性も女性も運営に参加し、コミュニティ避難所をこころがけることが大切です。避難所は自分の家、同じ避難所にいる人たちはいわば家族という意識を心がければ、気づきが増え、争いが減り、円滑な避難所運営が行えるはずです。
 男性がリーダーになって女性が従うという運営体制ではなく、性別にかかわらず、みんなで乗り越えようという気持ちが大切だと思います。困難を乗り切るためには「鳥の目、虫の目、魚の目」が必要です。さまざまな視点で見ることによってそれまで見つけられなかった課題や答えが見つかるからです。やるべきことは山ほどあると思います。新時代の防災行政を男女共同で一歩ずつ、これまでの目に、「女性の目」を加えた防災行政を期待しています。
 
▼最後に、大谷翔平選手寄贈グローブの活用方法について
 野球を知らない、キャッチボールすらしたことがないという子どもが増えている中、やはりグローブは使ってこそ価値があると思います。どのように使うのが良いか、学校は子どもと一緒に考えて欲しいと思います。他市の事例を紹介しますと、野球による地域活性化に取り組む群馬県桐生市では、寄贈された3つだけでは使いづらいため、市が独自に1校当たり右きき用7つ、左きき用1つの計8つのグローブやバットを配布したそうです。そこで、大谷選手のグローブの活用方法について、野球素人の私なりに5つ提案をさせていただきたいと思います。
 提案1、先ほど、教育委員会が主体となって活用する予定は考えていないとのことでしたが、市内の小学校には、トータル右利き用44個、左利き用22個、計66個のグローブがあります。それらのグローブをひとつか二つにまとめて各小学校で順番に使ってはどうでしょうか。グローブの使い方はそれぞれの小学校で考えていただくと良いと思いますが、たとえば地域の人や保護者の方とキャッチボールイベントや実際にゲームを体験してみてはどうでしょうか。使うボールは、軟式ボールでなくゴムボールが良いかと思います。こんな機会があれば、私も地域のおじさんのひとりとして、子どもたちとキャッチボールしてみたいと思います。
 提案2、大谷選手は夢や希望を与えてくれる憧れの存在です。子供たちのキャリア教育にもなると思います。授業の中で、かなえたい夢や目標をどう実現していくのかを話し合う際に、このグローブを活用することで、より学びが深まることが期待できるのではないでしょうか。
 提案3、グローブそのものの活用ではありませんが、子どもたちが大谷選手にお礼の手紙を書いてはどうでしょうか。全国の小学校の中には、希望する児童が大谷翔平選手の思いを踏まえ、お礼の手紙を書き、さらにその手紙の写しをホームページに掲載しているところもあります。こどもたちに「ありがとう」といえる人に育っていただきたいと思います。感謝の心は人生を豊かにすると思います。
 提案4、埼玉県行田市では、春休みや夏休みなどの長期の休みの際、小学校にグローブを置いといても誰も使わないことから、市の文化施設で展示をしたとのことです。長期休みの期間を有効活用し、多くの人に見てもらい、「普段目にすることができない市民の方に、感動していただきたい」という試みです。さらに希望があればスタッフ立ち会いのもと、手にはめることもできるそうです。
 提案5、野球体験教室の開催です。県立大垣北高校野球部は、1年程前から小学3年生から6年生を対象にした野球教室を開いており、とても好評だと伺っています。この取り組みによって、今年3月にはスポーツ庁からも表彰されました。これまで学校が選出されたことはなく初めての快挙とのことで、大垣北高野球部を誇りに思います。市内には、北高野球部のほかにも西濃運輸野球部、大垣ミナモソフトボールクラブ、岐阜協立大学野球部など地域の野球チームが数多くあります。こうしたチームにご協力いただきこれまでボールに触れたことがない子どもたちにも野球の楽しさを教えていただけるような教室をお願いできないものでしょうか。
とりあえず、5つの提案をさせていただきましたが、考えればまだまだアイデアは出そうな気がします。私はこのグローブをどう活用するか真剣に考えるべきだと思います。このままではただの記念品になってしまうのではないでしょうか。
 今回この質問をさせていただいたのは、この夏、野球の力ってすごいな、スポーツの力ってすごいなと感じたからであります。たまたま偶然、高校野球、島根県代表と西東京代表の試合を観ました。出雲大社の神様と野球の神様が相談してシナリオを描いたのではないかと思うほどの感動的な試合でした。エラーをした仲間をチームメートが気遣う姿や負けたチームの監督が勝ったチームの選手ひとりひとりにおめでとうと声をかけている姿に感動しました。地方から甲子園にでてきた球児たちが野球の名門校に一歩も引けをとらない見事な戦いを見せてくれました。多くの国民が、あっぱれ!と叫んだのではないでしょうか。そして多くの野球少年たちに夢と目標を与えてくれた試合だったのではないかと思います。
 それと、パリ・オリンピック、ビーチバレー決勝。ご覧になった方も多いと思いますが、ブラジルとカナダの選手がネットをはさんで口論をはじめ、イエローカードも出され会場内を不穏な空気が覆いました。そのとき、DJが機転を利かし、ジョン・レノンさんの名曲「イマジン」を流しました。するとどうでしょう、会場内で自然と合唱が生まれ、選手のくもった表情が笑顔に変わったのです。音楽やスポーツの力ってすごいなあと思ったわけです。人間はもっともっとスポーツや音楽でさまざまな争いごとや問題を乗り越えていけるのではないかと思いました。そのためにもこのグローブを使って何かできることがあるのではないでしょうか。きっと、あるはずです。
 もうひとつ、音楽といえば、何年か前に、中学校の公民の教科書を見ていたら、福山雅治さんの名曲「家族になろうよ」が防災や家族を考える教材として掲載されていました。いまでも掲載されているかはわかりませんけど、この曲は、「絆」とか「かけがえのないもの」、そして、「家族とは何か?」を問いかける最高のバラードだと思います。余談ですが、私の好きなフレーズは、「明日のわたしは それほど変われないとしても、一歩ずつ与えられる人から 与える人へ変わっていけたなら」というところが特に気に入っています。被災して助けられる側の人だった方が、その後、防災リーダー、災害ボランティアとして活躍されているケースを数多く知っています。私自身も昭和51年、いわゆる9・12水害で多くの市民のみなさん同様、被災しました。わが家も含め、多くの家が床上床下浸水し、ゴムボートなどで小学校の体育館などに避難しました。当時はそれでも翌日から学校の授業は行われ、体育館の避難所から教室に通う同級生が何人もいました。父や消防団員だったおじさんたちが、嵐の中、水防活動に出かけて行った姿を今も覚えています。子ども心に自分たちも大きくなったら必ずきっとと思いました。かつての私たちがそうであったように、いまのこどもたちも、いつかきっと、お父さんみたいに大きな背中で、いつかお母さんみたいに静かなやさしさで、おじいちゃんみたいな無口な強さで、おばあちゃんみたいにかわいい笑顔で、と大人の背中を見てそれぞれ成長していくのだと信じています。福山さんの歌詞のように。とは言いつつ、私もなかなか思うようには変われず未熟なままでありますが、職員のみなさまとともに一歩ずつ成長できたらと思います。そして、来年のお盆の墓参りには、ご先祖様に少しでも良い報告ができればと思い、私の質問を終わらせていただきます。
 
 

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