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令和5年6月議会(一般質問)

2023年6月12日月曜日活動記録

 6月12日(月)、一般質問をさせていただきました。あいにくの雨天でしたが、たくさんの方に傍聴にきていただき、誠に感謝いたします。
 1万字を超える長文ですが掲載させていただきます。
 
【今回の一般質問】
①市民会館の廃止に伴う避難所の確保について
②市民プール等の現状と今後について
③桜の名所の維持について
④介護予防教室「買い物deリハ」について
⑤公共交通とまちづくりについて

 
◆大垣ケーブルテレビ録画放送日
6月21日(水)13:00~、24日(土)8;00~

 
【質問】
▼自民党緑風会の種田昌克でございます。
改選後,初めての定例会であり,なおかつ一般質問のトップバッターという栄誉ある機会を与えて頂いた多くの皆さまに感謝の気持ちを込めて、今回も自分らしく頑張りたいと思います。それでは、通告に従いまして、5件ご質問いたしたいと思います。
 
1件目「市民会館の廃止に伴う避難所の確保について」お伺いします。
 老朽化が著しい大垣市民会館は、今年度末をもって閉館され、令和6年度から7年度にかけて解体工事を進めすることが決まっているところですが、ご承知の通り、市民会館は文化イベントや市民活動の発表などの場としてだけではなく、そのほか地域にとって大切なさまざまな機能や役割を有する施設であります。とりわけ安井地区にお住いの方々からは、これら市民会館の持つ役割について代替施設が決まらぬまま、閉館、解体されるのでないかとの心配の声を耳にいたします。
 市民会館の重要な役割のひとつである「避難所機能」についてでありますが、市民会館はこれまで市の指定避難所として、地域住民の安全を担保してまいりました。大雨や台風が接近する場合などは「自主避難所」としても開設されており、おひとり暮しの高齢者など不安に思われる方々が避難してこられます。また、避難所運営には職員のみなさんはもちろんのこと、安井地区の防災士の方々もボランティアとして協力されているとお聞きします。
 昨年12月議会における教育福祉委員会において、教育委員会事務局長が「市民会館が廃止になりましたら、当然のことですが指定避難所の指定も取消しになります。」と答弁され、私も、今年度末の閉館をもって指定避難所の指定が取り消されるものと理解しておりますが、では、そのあとはどうなるのかという疑問がわいてきます。
さて、今年もいよいよ出水期に入りました。先般も、台風2号や前線の影響による大雨により、全国で土砂崩れや住宅の浸水被害などが発生しましたし、5月には能登半島において最大震度6強、昨日は北海道で最大震度5弱の地震がありました。こうしたニュースを耳にするたび、お一人暮らしの方や在宅避難ができない方はとても不安な気持ちになるだろうと心が痛みます。市民会館は、安井地区のうち築捨町や新田町の方の避難所となっております。とりわけ築捨町自治会は、本市で一番大きな自治会で、699世帯2,130人の方が住んでおられます。私は、地域をまわり、市民会館廃止に関してのご意見をお聞きしましたが、市の職員さんが考えている以上に地域のみなさんは、市民会館廃止を重く受け止め、不安に思われていると感じております。 
 そこで、地域の代弁者として、市民会館避難所の代替施設について、地域のみなさんが一刻も早く安心できるように、できるだけ早く、代わりの避難所を指定していただくことを強く要望いたしたします。市民会館の廃止に伴う避難所の確保について、本市のお考えをお聞かせください。
 
2件目「市民プールの現状と今後について」お伺いします。
 今年も7月15日にオープンする大垣市民プールは、1989年(平成元年)にレジャーと競技の両機能を併せ持つ施設として開設され、市民に親しまれ34年目を迎えます。開設当時に、公営プールでウォータースライダーがあるところはまだめずらしく、いつも長蛇の列ができていたのを思い出します。
 さて、この歴史ある市民プールですが、コロナ禍における2020年、2021年は閉場されましたが、昨年は人数制限などの利用ルールを設けるなど新型コロナウイルス感染対策を講じた上で開場され、子どもや家族連れで賑わいました。私も、家族で利用させていただいておりますが、最近、「水の循環設備」や「ウォータースライダー」など、かなり傷んできているように感じております。そして、全国的に公営プールが老朽化を理由に減り続けているニュースを耳にするたび、市民会館同様に市民プールもまた存続が危ぶまれるのではないかと心配しておりますし、実際に地域からもそういった心配する声を耳にします。
 スポーツ庁が公表した「令和3年度体育・スポーツ施設現況調査」によれば、公営プールの数は1996年と比べると、約4割減って3,194か所となっております。ちなみに、全国の小中学校のプールの数は、25年前と比べると約6千か所も減り、約2万2千か所だそうです。このように全国的に公営プール等が減少の一途をたどっておりますが、大垣市民プールの現状と今後の活用についてはどのように考えておられるのでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響により、使用されていなかった小中学校プールの状況と合わせてお聞かせください。
 
3件目「桜の名所の維持について」お尋ねします。
 ときおりふと、「あのとき見た、あの桜はきれいだったなあ」と思い出すことがあります。そして、「あの桜にまた会いたいな」と思いながら、毎年、桜の季節がくるのを楽しみにしている市民のひとりでもあります。多くの市民のみなさんが、桜が咲き誇る季節を心待ちにし、それぞれにさまざまなさくらの思い出をお持ちのことと思います。
 今年も、水門川では川の両岸に桜が咲き乱れる中、舟に乗って桜を愛でる市民のみなさんの姿を見ることができました。また、夜桜見物では現実とも思えない日本画のような世界に誘ってくれました。墨俣一夜城の桜は声も出ないくらい感動的ですし、また、輪中堤では空を覆うような桜のトンネルの中、満開の桜を眺めてのんびり散策することができます。
 ところが、ここ数年、桜並木を見ていますと、幹がこけむしていたり、樹皮がはがれてきていたり、花の数が少なくなってきた木も見られるようになってきました。国内におきましても桜の名所は終戦後に植えられたところが多く、衰えや枯れが進む場所が増えてきています。また、聞くところによりますと、ソメイヨシノの寿命は、何も対策をとらなかった場合には、一般に60年から70年とのことで、しかも、近年の夏の高温や乾燥、台風被害で木自体が弱っているのではないか、健康状態に何らかの問題があるのではないかと心配しております。つまり、今私たちが楽しんでいる桜の多くは、寿命を迎えているか、あるいはそう遠くない未来に次第に枯れていくのではないかと心配しております。川沿いの桜並木は、満開に咲き誇る姿が川の穏やかな流れと相まって良好な景観を生み、川やまちに安らぎとにぎわいをもたらす大切な地域の資源です。まさに芸術品です。
そこで、お尋ねしますが、市内の桜の現状についてどのように把握されておられますか。また、桜の名所維持、桜の長寿命化、計画的な世代交代など、今後どのように取り組んでいかれますか。お聞かせください。
 
4件目「介護予防教室「買い物deリハ」について、お尋ねします。
 65歳以上が総人口の約3割を占める超高齢社会において、わが国では、健康寿命を延ばすことが個人にとっても社会にとっても重要となっております。現在、日本人の平均寿命と健康寿命の間には約10年の開きがあり、多くの方はこの期間を介護が必要な状態で過ごしているのが現状です。介護が必要となる原因を見ると、認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱、骨折、転倒が多くなっています。こうした加齢による生活機能の低下を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。また、筑波大学の研究によると、運転免許を返納することで交通事故を未然に防ぐ一方で、自宅に引きこもりがちになり、老いが加速し、運転を辞めた人の要介護認定のリスクは運転を続けている人に比べて約2倍となるとのことです。そうした課題に対応すべく、本市では、この4月から「買い物deリハ」事業を開始され、取り組まれております。これは、買い物を楽しみながら同時にリハビリをしようという斬新な試みです。
 この事業では、介護スタッフが、参加される高齢者の自宅からショッピングセンターまで送迎をして、お買い物に同行します。先月、見学させていただきましたが、70代、80代の11人の方が参加されておられました。まず、ショッピングセンターのイベント会場に集まって、身体測定など簡単な健康チェックを受けた後、リハビリ専門の理学療法士による体操で体を動かします。それから、いよいよショッピングカートを押してお買い物に出かけます。食品売り場を歩き回ったり商品を持つことで筋力の向上につながり、店員とのコミュニケーションや代金を計算して払ったりすることで、認知症予防の効果も期待できるとても良い事業です。参加者の方からは、「友だちができてうれしい」「体操だけでなく買い物ができるから車の運転ができない自分にとってはとても助かる」「月1回が待ち遠してくてならない」という嬉しい声をお聞かせいただきました。
 ところで一方、本市の介護保険給付費に目を移しますと、平成29年度に約118億円でしたが、令和3年度は約131億円と右肩上がりで増加してきております。これはかなりの額です。これからも後期高齢者はますます増え続けますので、深刻な介護従事者不足や、国や自治体の財源確保が課題となってまいります。こうした買い物リハなどのフレイル予防事業への参加を呼びかけ、結果的に、高齢者がお元気に過ごされることにより、通所介護事業所の利用を抑制できれば、元気に生活できるようになるだけではなく、社会保障費の抑制につながり、ひいては、自治体にとってもよいこととなり、地域社会の元気ハツラツにつながるのではないでしょうか。
 全国的にも、政府は令和2年度から、保険者機能強化推進交付金、介護保険保険者努力支援交付金といった「インセンティブ交付金」を導入し、介護予防等の取組みに積極的な自治体への交付金配分を増額するなど、成果を上げた自治体には大幅拡充するようになりました。これを契機に、フレイル予防で健康寿命を伸ばそうと努力する自治体が増えてきています。実際に、豊田市では健康寿命を延ばして、今後、介護保険給付費10億円の削減を目指す取り組みをはじめられたそうです。
 そこでお尋ねします。本市の介護保険給付費の現状と推移はどのようになっておられますか。また、介護予防教室「買い物deリハ」について、今年度は試行的な取り組みとお聞きしていますが、今後どのように事業展開されていく予定ですか。お聞かせください。
 
5件目、「公共交通とまちづくりについて」お伺いします。
 公共交通は、市民のみなさんにとって重要度が高い分野のひとつだと思っています。本市を含め地方都市の多くが、クルマ利用を前提とした暮しやまちづくりといった、いわゆる「クルマ社会」となっております。自家用車があれば、自分が行きたい時に行きたい場所に自由に移動できるのですが、一方、自動車免許を持たない若い人や、免許を返納した高齢者など日常的に移動が不便な人たちのために必要不可欠なのが、「公共交通」であります。環境負荷や渋滞、移動制約者の発生、中心市街地の衰退、行政コストの増加、市街地拡大に伴う都市インフラの維持コスト拡大など多くの課題を生み出す自動車中心のまちづくりはいつか限界を迎えるように思います。自家用車に頼りすぎない選択肢のあるまちづくり、高齢者も含めた活力あるまちづくり、行政の経費面において効率的なまちづくり、環境にやさしいまちづくりのためにも公共交通の役割は大きいと感じています。本市には、鉄道や路線バス、タクシーなどの公共交通があります。また、公共交通政策としては、12の「自主運行バス」路線や「バスロケーションシステム」の運用がなされており、福祉政策としては、「外出支援サービス事業」「高齢者バス通院助成事業」などを展開されております。また、養老鉄道の運営や支援、バス路線への補助も行っております。つまり、税金を投入して、移動手段の維持・確保を行うなど、実に、本市は公共交通を支えております。
 しかし、世の中は大きく変わりつつあります。人口減少や高齢化の進展などにより、市民のライフスタイルが多様化するなかで、移動の目的や手段も多様化しております。誰もが目的地まで便利で安全に移動することができるように、地域の移動手段の確保など、生活利便性の維持・向上を図っていく必要があります。とりわけ、高齢ドライバーによる痛ましい交通事故が社会問題として取り上げられ、運転免許証返納者が増加しております。免許返納後も移動に困らないような仕組みを講じていかなければなりません。このため、新しい技術を活用した新たな公共交通のあり方が求められているのではないでしょうか。
 さきほどの「お買い物deリハ」の質問でも申し上げましたが、いままで、移動することに不自由がなかった人ほど、その移動手段の希薄さに驚き、買い物や病院など当たり前だった生活行動が制限されてしまうという厳しい現実を突きつけられています。そして、今後の生活が不安でいっぱいとなると訴えておられます。全国的には、こうした社会問題に対し、移動の確保と効率化そして利便性の向上、地域活性化などに貢献する仕組みとして、自動運転バスの実証実験を行っている自治体が増えてきています。また、交通手段をひとつのサービスに統合し、より便利な移動を実現する仕組みであるモビリティ・アズ・ア・サービス「MaaS」の取り組みを推進しようという流れもあります。
 そこでお尋ねします。本市における公共交通の問題点や課題はどこにあると思われますか。また、全国的にはMaaSなどのモビリティサービスの導入、自動運転バスの実証実験、AIオンデマンドバスの運行などの取組みがなされています。本市においては「新しい公共交通のかたち」をどのように描かれていますか。以上、1回目の質問といたします。
 
【答弁】
(市長)
▼市民会館の廃止に伴う避難所の確保について、ご答弁申し上げます。
 近年、気候変動により、全国各地において台風や線状降水帯による大雨で甚大な浸水被害が発生するなど、自然災害が頻発化、激甚化しております。
 今月初旬の前線と台風2号による大雨では、上石津町地内において土砂災害の危険性が高まった事から、上石津町時山地区に対し、警戒レベル3の高齢者等避難を発令し、避難所として、上石津農村環境改善サブセンターを開設しました。
 幸いにも、本市におきましては、大きな被害には至りませんでしたが、いつ何時大きな災害が発生するか分からない中、命を守るため、身近なところで安全に避難できる避難所を整備する事が重要と考えております。
 こうした中、安井地区には、災害時に避難生活を送る指定避難所として、市民会館をはじめ、安井小学校、安井保育園、安井幼稚園、安井地区センター、ながさわこども園、西美濃農業協同組合ふれあいホールの7か所がございます。
 このうち、市民会館は、昭和43年の開館から約55年が経過し、老朽化が著しく、極めて耐震性が低い状況にある事から、令和5年度末をもって閉館する事とし、昨年の12月議会におきまして、大垣市民会館条例の廃止について、議決を頂いた所です。
 市民会館の廃止に伴う指定避難所につきましては、現在、施設の規模や利便性を踏まえ、近隣において複数の候補地の調整を進めており、地域住民の皆様のご意見も賜り、最終決定して参りたいと考えております。
 今後とも、頻発化、激甚化する災害に備えるため、安全、安心のまちづくりに取り組んで参りますので、ご理解賜ります様お願い申し上げます。
 
(教育委員会事務局長)
▼市民プール等の現状と今後について、ご答弁申し上げます。
 大垣市民プールは、幼児プールや25mプール、50mプールの他、流水プールやウォータースライダーを備えた、競技・レジャーの両機能を併せ持つ施設として、平成元年5月にオープンし、コロナ禍前の令和元年度には約67,000人の皆様にご利用頂いているところでございます。
 また、小中学校のプールの使用状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度以降、水泳の授業が未実施の学校がございましたが、本年度は市内全ての小中学校で実施する予定となっております。
 市民プールの主な修繕状況につきましては、令和元年度に循環ポンプ修繕工事に約130万円を要した他、本年度は、ウォータースライダー鉄骨階段の点検委託及び修繕工事で約500万円を予算計上している所でございます。
 今後も、市民プール利用者の皆様が安心して快適にご利用頂ける様、毎年の定期点検結果等をもとに、安全・安心を最優先に施設の適切な維持管理に努め、引き続き活用して参りますので、ご理解賜ります様、お願い申し上げます。
 
(都市計画部長)
▼桜の名所の維持について、ご答弁申し上げます。
 本市には、「飛騨・美濃さくら33選」に選ばれた奥の細道むすびの地や、約1,000本の桜並木が続く墨俣一夜城、犀川堤の他、36品種・約180本の桜が大垣城を囲むように咲き誇る大垣公園等、多くの桜の名所がございます。
 これらの名所は、昭和初期から桜の植樹が行われ、現在までの永きにわたり、関係団体や地域の皆様と連携して、維持管理に努めて参りました。
 こうした取り組みにより、毎年、開花の時期に、「水の都おおがき舟下り」や「春の芭蕉祭」、「すのまた桜まつり」といったイベントが行われ、市内外から多くの花見客が訪れる桜の名所として、新聞やテレビ等のメディアに取り上げられる様になって参りました。
 また、昨年4月からは、水門川の護岸にテラス席を設け、水辺空間と桜を楽しんでもらうイベント「まちなかスクエアガーデン」に合わせて開催する等、憩いとにぎわいを作り出す取り組みも進めております。
 この名所を守るため、本市では桜の木を1本ごとに台帳管理し、グリーンドクター等が定期的なパトロールで、健康状態をチェックする事により、枝枯れや樹皮の損傷等をいち早く見つけ、肥料の散布や枝・幹の手当て、新たな苗木を植樹する等の素早い対応に繋げています。
 また、堤防を維持するうえで、木の植え替えができない墨俣の犀川堤等につきましては、老木の枝を切り落として新たな枝を芽吹かせ、その枝を育てて花を咲かせる取り組みを継続的に実施しております。
 なお、奥の細道むすびの地周辺の桜につきましては、損傷個所の手当てによる桜の樹勢回復や、若木への植え替えなど、桜並木の景観を維持したまま世代交代していく取組を計画的に進めて参ります。
 今後も、関係団体や地域の皆様と一丸となって、水都大垣が桜色に染まる春の美しい景観を守り、次世代に引き継いでいける様、桜の名所の維持に努めて参りますので、ご理解賜ります様お願い申し上げます。
 
(健康福祉部長)
▼介護予防教室「買い物de(デ)リハ」について、ご答弁申し上げます。
 本市では、高齢者の生活機能の維持、向上に向け、健康や介護予防に関する知識の普及啓発を目的とした介護予防教室開催事業を実施しております。
 本事業は、社会福祉法人等に委託し、転倒予防体操や音楽療法等、バラエティあふれる教室を開催しておりますが、さらなる事業展開を図るため、本年4月から、新たな教室として「買い物de(デ)リハ」を導入致しました。
 本教室では、商業施設と連携して、理学療法士による買い物に必要な歩行、動作等、身体機能の維持、向上につながる体操や、看護師による介護予防に向けた栄養バランス指導等の実施の他、一部参加者には送迎を行うことで、買い物支援にもつながるものと考えております。
 また、現在国では、こうした介護予防・健康づくり等に向けた取り組みを進める自治体を評価する、介護保険保険者努力支援交付金等の制度を導入しており、本市におきましては、介護予防教室や笑・話・歯動場(わっはっはどうじょう)等の様々な取り組みを行っていることから、県内でも上位に評価されているところでございます。
一方で、本市の介護保険給付費は増加傾向にあり、第8期にあたる本市の介護保険事業計画におきましては、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に187億円に上ると推計しております。
こうした状況を踏まえ、介護予防の取り組みの重要性を再認識し、本事業を通じた市民ニーズの把握に努めながら、今後の事業拡充については検討して参ります。
引き続き、社会福祉法人等と連携を図りながら、介護予防教室開催事業のさらなる充実により、高齢者の健康増進に努めて参りますので、ご理解賜ります様お願い申し上げます。
 
(都市計画部長)
▼公共交通のまちづくりについて、ご答弁申し上げます。
 本市では、令和2年度に、地域公共交通の維持、活性化の他、福祉や観光、まちづくりにも配慮した持続可能な地域公共交通の在り方をまとめた「大垣市地域公共交通網形成計画」を策定しました。
 この計画に基づき、令和3年度に上石津地域における高齢者の買い物等の日常生活を最優先にしたバス路線の再構築や、利用者が増加傾向にある青柳線を増便した他、一部路線が重複していた荒尾線のルート変更したところ、たいへん好評であり、利用者の増加にもつながっております。
 さらに、本年4月から青墓地区では、高齢者の買い物や通院、既設路線への接続による大垣駅等への移動ができる様、地域内の商業施設を拠点とした路線を新設し、また、小野地区では、通勤通学や買い物等の利便性向上を図るため、事業者と連携してソフトピア線を延伸しております。
 引き続き、利用実態の状況を確認しつつ、市内全域について、バス路線の新設や利便性向上に向けた見直しを行うなど、交通事業者と連携して検討して参ります。
 また、昨年度は、デジタル化の推進として、市内を運行する路線バスの全国相互利用可能な交通系ICカードの導入を図ると共に、路線バスの位置情報等がスマートフォンでリアルタイムに確認できるバスロケーションシステムを導入しました。
 さらに、バス停の位置や時刻表等の検索が簡単に行える公共交通デジタルマップを整備する事で、グーグルマップの乗換検索等が、たいへん便利に利用できる様になった他、オープンデータ化した事により、他の情報サイト等でも活用頂けるものと考えております。
 今後も、まちづくりと連携した公共交通ネットワークの形成や、移動ニーズに対応したサービスの提供を行うと共に、次世代交通等の新しい技術に関する情報収集にも努めるなど、誰もが利用しやすい持続可能な公共交通の充実を図って参りますので、ご理解賜ります様お願い申し上げます。
 
【まとめ】
▼ただいまは、それぞれご答弁いただき、ありがとうございます。
 
▼「市民会館の廃止に伴う避難所の確保について」ですが、市民の不安を取り除くことが行政の第一の役割です。近隣において複数の候補地の調整を進めているとのご答弁でしたが、ぜひ、地域の皆様のご意見をしっかりと聞いていただきながら、新たな避難所を指定していただくよう強く要望いたします。また、ご承知のとおり、市民会館には、避難所としての役割のほか、サービスセンターや投票所としての役割もあります。この4月の県議選の際に、アクアウォークの2階において期日前投票をさせていただきましたが、サービスセンターで用事を済ませた後、すぐ目の前にある期日前投票所で簡単に投票を済ませることができ、とても便利だと感じました。つきましては、市民会館の廃止に伴い失われる「サービスセンター機能」と「投票所機能」に関しても、地域の皆様のご意見をお聞きしていただき、市民のみなさまの利便性を追求した代替施設を選定していただきますよう、こちらも強く要望いたします。
 
▼次に、市民プールについてですが、令和元年度には67,000人もの方にご利用いただいたとのことでした。コロナ禍で制限されていた分、今年のプール開きを楽しみにされている方は多いのではないでしょうか。今回、市民プールについてお伺いしましたのは、地域において、市民プールについても市民会館同様に存続が危ういのではないか、配管等の漏水が激しく、長くはもたないのではないかという声を耳にしたためです。こうしたうわさ話は、いろんな尾ひれがついてあっという間に広がります。いわゆる「流言飛語」というもので、災害時においては様々な流言が発生し、適切な情報共有を妨げ、被災地での緊急業務や支援活動に支障をきたしたり、人々を不安にさせたりといった問題を引き起こします。「流言は知者に止まる」という言葉があります。愚かな人々は、根も葉もないうわさ話を次から次へと広めていきますが、賢明な人は、そういうことに興味を示さないから、風評もそこで止まってしまうことをいいます。 私も常に気を付けるように心がけておりますが、情報が多く、いろんな言葉に翻弄され、真実を見極めるのが難しい世の中において、なかなか、賢明な人とはなり難しだと感じています。そういう意味で、今回この時期において、市民プールの現状につきましてご答弁いただけたことは良かったと思います。市民のみなさんが、安心して市民プールをご利用いただけるよう、日々の点検等も怠らず、維持管理に努めていただきますようお願いいたします。
 また、先般、市民プールにお伺いし設備等の現状をあらためて見せていただきました。プールの塗装の劣化状況につきましては、まだ水が入る前でしたのでプールの底や側面の塗装状況をしっかりと確認することができました。ところどころ劣化しているところがありましたが、オープンに向けて、職員のみなさんでシリコンやペンキ等を使って補修されているとのことでした。また、ウォータースライダーや気になっていた循環設備については、流れるプールや50メートルプールの下にある配管の状況などを確認させていただきました。今年度、ウォータースライダーの点検委託や修繕工事で約500万円を予算計上されているとのことでしたが、ハード面以外の安全対策もしっかりとお願いしたいと思います。つまり、プール監視員についてであります。今回はお尋ねしませんでしたが、広報おおがき5月1日号に「市民プールの臨時職員の募集」が掲載され、18歳以上の人、80人募集とありました。夏休み中なので体力がある若い学生さんなどがたくさん応募してきてくれていることを期待しておりますが、昨年、私が利用したときは、たまたまだったのか、監視員の年齢がかなり高い印象を受けました。いずれにしましても、イザという時のために、心肺蘇生法をはじめてとして、救助活動や応急手当に関する知識と技能をしっかりと身に着けて、水の事故防止に努めていただきますようお願いいたします。
 それと、小中学校のプールの使用状況についてもご答弁いただきました。小中学校のプールは、児童生徒が急増した1970年代から80年代前半に整備されたものが多く、古いものでは築40年以上が経過しており、文部科学省も「築40年を超えると全面改修が必要となり、全国各地で学校施設の老朽化が課題となっている」といっております。今後、本市においても塗装や設備機器の不具合が発生してくるのではないかと思いますし、これまで長年「1校1プール」体制をとってきましたが、今後はどうしていくのか。つまり建て替えるのかそうでないのか。いまから真剣に考えていく必要があるのではないかと思っています。プールを建て替えるとおそらく億単位の費用がかかるかと思います。将来的な話ですが、学校によっては市民プールなどを使って授業をすることを検討するのも選択肢のひとつだと考えます。学校プールを複数の小学校で共同利用する方法もありかと思います。移動手段や学校間の調整など課題もありますが、学校プールについては、施設の老朽化や財政負担を背景に集約する動きが全国的に広がっております。教員にとっては、塩素濃度の測定や清掃などの負担が大きく、学校でのプール授業では、教員1人が指導、1人が監視するのが精一杯ではないかと思います。昨年、一昨年と息子の通う小学校のプール授業はなかったのですが、プールの清掃は行われました。私が小学生の頃は6年生みんなでやったものですが、いまはそういう時代ではないとのことで、保護者のみなさんに清掃への参加を呼びかけました。当然のことながら、先生方は授業等で忙しく、一昨年は保護者7名でプールの清掃を行いました。大変きつい作業でよく熱中症にならなかったなあと記憶しております。もし、プールを集約すれば、教員や保護者の負担減やコストダウンにつながる可能性もあります。今後の課題としていただけたらと思います。
 
▼次に、「桜の名所の維持について」ですが、桜並木には入学や卒業、受験、就職、出会いや別れなど市民のみなさんのさまざまな思い出がつまっています。私も息子が誕生した際には、杭瀬川の堤防で記念植樹をさせていただき、とても良い思い出となっております。オーバーかもしれませんが、水門川桜並木など本市における桜の名所は、われわれ市民にとってかけがえのない人生の大切な一部となっています。この景色を子孫たちに見せられるように、ぜひ、将来を見据えた桜並木の管理保全を行っていただきたいと願っております。
平成9年の『河川法』抜本改正を受けた国の、「河川区域内における樹木の伐採・植樹基準」というものがあると思いますが、河川によっては、洪水時における水位上昇や倒木による堤防の弱体化など治水上の支障とならないよう国や県などと植え替えの協議なども必要となってくるかも知れません。ぜひ研究等よろしくお願いしたいと思います。
 また、桜というと桜餅を思い出すのですが、ピンク色と緑色のコントラストがとっても愛らしい桜餅は、見ているだけでほっこり優しい気持ちになる和菓子です。桜餅を包み込む桜の葉はとてもよい香りがします。餅と一緒に食べるかどうかは人それぞれですが、水門川で花見を楽しませていただきながら、大垣で作られた桜餅をいただくことは、まったく至福のひと時であります。私としては、もっと桜をいろんなかたちで楽しみたいという気持ちがあります。そこで全国的にはどのような楽しみ方、取り組みがされているのか調べてみたところ、東京の小金井市では、ソメイヨシノの花から取り出した酵母を使ってパンを作っておりますし、愛知県大府市ではやはり桜酵母を使って、桜が舞うと書いて「桜舞」という清酒を製造販売されているそうです。水門川や犀川などの桜を愛でながら、大垣の桜を原料としたパンや清酒があれば素敵だなとおもいますがいかがでしょうか。
 
▼次に、介護予防教室「買い物deリハ」についてですが、
 現在、わが国には700万人を超える買い物難民の高齢者がいるといわれております。そういう方たちを社会保障費の消費者から地域経済の消費者とし、さらに生活支援と運動を通じた介護予防ができる事業は、行政、高齢者、地域経済にとってまさしく『売り手によし、買い手によし、世間によし』の三方よしではないかと考えます。こんなに良い事業なのに、11人の参加者では本当にもったいないと感じています。そして来年度以降は本格的に事業を実施していただき、どんどん進めていただきたいと願っております。しかし、見学させていただいて課題だと感じたことを申し上げますと、この事業を受託する業者が果たしてどのくらいあるのかということです。とりわけ、送迎車とドライバーの人材確保がキモではないかと感じました。たとえば、デイサービスの空き車両などを協定締結などして使わせていただくことはできないでしょうか。また、この事業は、昨年9月議会で私が提言させていただいたペイ・フォー・サクセスやソーシャル・インパクト・ボンドの手法を使うのにも適した事業であると感じました。それはともかく、市と介護事業所、商業施設が連携することに成功のカギがあると思います。ぜひ、今後、この「お買い物deリハ」事業が大きな成功を収めることを期待しております。 
 
▼最後に、「公共交通とまちづくり」についてですが、
 自家用車に依存する全国の地方都市では、利用者減少により、公共交通の維持が困難となり、利便性が低下することで益々縮小する負のスパイラルに陥っています。
立地適正化計画制度が導入されて、今年で10年目を迎えますが、立地適正化計画と地域公共交通計画の関係は、よく「車の両輪」に例えられます。、両計画が互いに連携することで、都市に必要な機能及び居住の集約と公共交通の充実という好循環を実現することが期待されています。
 コンパクトシティ実現のためには、公共交通の活性化、中心市街地や公共交通沿線での都市機能の集積など、公共交通を中心とした社会への転換が必要だと思います。そのための手段のひとつとして、既存交通と新たなモビリティサービスとの融合は欠かすことができません。近隣では、岐阜市や桑名市で自動運転バスの実証実験が行われております。昨年、私も岐阜市の自動運転バスの実証実験に参加してまいりました。実証実験であるため、市の担当者のほかに運転手というかオペレーターの方と一緒に乗車させていただきました。信号機のある交差点や対向車とのすれ違いなど、まだ人の操作が必要な場面もありましたが、非常に快適に市役所から川原町や岐阜公園までを走行しました。岐阜市では、今年の秋から5年間、中心市街地において、自動運転バスの走行実験を毎日行うとのことで、信号機とバスを通信でつなぐシステムなど、実用化に必要なインフラ整備も段階的に進めるとのことでした。近未来というか、そういう時代がすぐそこまで来ているのを実感いたしました。
 一方で、自家用車依存社会からの脱却のためには、我々自身の意識を少しずつ変えていく必要があるかと思います。最近になって免許証を返納した方から、いろんな声をお聞きします。たとえば、「地域内だけをぐるぐるまわるバスを運行できないか」とか「地区センターなど、待ちやすい場所にバス停を置けないか」とか「行きたいところにいけるようにオンデマンドバスを運行してもらえないか」、そして「免許を返納してはじめて、公共交通の大切がわかった」など本当にいろんな声をいただきます。
 また、先ほどのご答弁にもありましたとおり、本市では、積極的に、新たな取り組みをされておられます。たとえば、最近導入された「バスロケーションシステム」や「グーグルマップの乗り換え検索」を利用しましたが、本当に便利だと感じます。でもまだできることがあるはずです。今後、さらに安心・快適で持続可能なまちを目指すために、「新しい公共交通のかたち」を模索しチャレンジし続けていただければと願っております。
 最後に一言だけ。若い頃に恩師からいただいた言葉を述べさせていただきたいと思います。「諸君の学ぶところを、諸君自身の利益の為に用いず、世のため、人のため、殊に弱者のために用いよ。虐げるものとなることなく、虐げられたものを救う人となれ。諸君の生涯を高貴なる目的のためにささげよ」。これからの4年間も、この言葉をしっかりと胸に、市民のみなさまのために取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。

 

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