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令和4年12月議会(一般質問)

2022年12月12日月曜日活動記録

12月12日(月)、一般質問をさせていただきましたので、長文ですが掲載いたします。

【今回の一般質問】
①下水道資源の有効活用について
②教職員の働き方改革について
③高齢者等見守りシールの周知啓発について

◆大垣ケーブルテレビ録画放送日
12月18日(日)、21日(火)、いずれも17:00~


【質問】
▼自民党緑風会の種田昌克でございます。それでは、通告に従いまして、3件ご質問いたしたいと思います
 
1件目「下水道資源の有効活用について」お尋ねします。
▼大雨の日、下水道管に雨水が流れ込み、機能不全に陥って、浸水が起きないように。
トイレやお風呂の水がそのまま川に流されて、川や海が汚れないように。
「使ったその先の水」のために、日夜、尽力している人たちがいます。
▼今年は、わが国最初の近代下水処理施設が運転開始して、ちょうど100年目となります。また、本市では循環型社会実現に向けて持続可能な開発目標SDGsをテーマにしたさまざまなイベントも、積極的に展開されておられることから、SDGs的な下水道資源の有効活用についてご質問させていただきます。
 
▼さて現代において、われわれは下水道システムに助けられて生活しております。地中に埋められている下水道管などのインフラ設備が、「縁の下の力持ち」となって日々の生活を支えてくれています。ヒトは生きていますから、食べて、寝て、そして排泄します。では、その糞尿はどこへいくのでしょうか。トイレでレバーを回したら流れて消えてなくなるのでしょうか。いいえ、そうではありません。下水道管を通って、浄化センターへ運ばれ、分解され、「処理水」と「下水汚泥」となります。 
▼例年9月10日の「下水道の日」を中心に、全国各地で下水道の普及と利用促進を目的とした啓発行事が行われております。本市でも、『わくわく下水道フェア』と銘打ち、浄化センターの一般開放、下水道モデルの展示や体験学習など各種イベントを行っています。私も幾度か参加させていただき、さまざまなことを学ばせていただきましたが、きれいな水にして、水門川へ放流するまで約12時間の行程を行っているとのことです。
▼さて、現代ではこうして下水道により「し尿」を処理しておりますが、江戸時代においては、「下肥(しもごえ)」として「し尿」を利用するシステムが存在していました。現在の下水道のような地中に埋まっているものではなく、自然そのものが微生物たちの分解能力を使って、糞尿を農地に還元し、土を肥やし、作物を育てていました。
▼江戸時代には、さまざまな農業技術があり、とりわけ肥料には地域固有のさまざまな資源が巧みに用いられていました。草木、貝殻、魚、家畜の糞や死骸、藁(わら)、糠(ぬか)、もみ殻、灰、塵芥など、その土地の産物や暮らしと関連したさまざまな有機物が農地に還元されていました。そのなかでも、安定的に得られる「し尿」は価値ある有機物として重宝されていました。私がこどものころには、町内にいくつもの「肥溜め」がありましたが、子どもの頃に遊んでいて、つい落ちてしまったという方も少なくないと思います。何を隠そう、実は、私もその一人です。昔の日本には、こうした糞尿などから堆肥をつくり農業に活用するシステムがありました。そうした忘れかけていたものに光を当て、そこから「宝」を探すのことが、これからのイノベーションになると思っています。
 
▼さて、国土交通省と日本下水道協会が主導し、地方公共団体や民間企業などと連携して進められている「ビストロ下水道」というプロジェクトがあります。これは、下水道から出た処理水や汚泥を農作物に活用しようという試みです。下水道資源で育てた農作物を「じゅんかん育ち」としてブランド化しており、全国の農産地が名を連ねています。循環型社会を目指すことが世界的な課題となっているいま、「食」と「下水道」を結び付けたすばらしい施策だと感じています。
▼そこで、具体的に取り組んでいるところを見てみたいと思い、山形県の鶴岡浄化センターを視察させていただきましたところ、大きく4つの試みを知ることができました。
 
▼まず、「汚泥発酵肥料つるおかコンポスト」。浄化センターで発生する汚泥をコンポスト化して販売されていました。この汚泥発酵肥料は、昔の堆肥と違って肥料成分が多いので、少ない量でも効果があります。また、化学肥料よりもかなり格安の価格設定のため、供給が需要に追い付かず、作っても作ってもすぐに売れてしまうとのことでした。
▼次に、「消化ガス発電事業」。これまで焼却されていた消化ガスを有効活用、下水汚泥から発生する消化ガスを燃料として発電し、下水道資源(バイオマス)の有効活用を図っておられました。また、売電以外の利用方法として、農業用ビニールハウスにて消化ガス発電事業で発生した熱や温水を活用し小松菜、ホウレンソウ、キュウリ、ミニトマトなどを栽培し、JAを通じて一般販売のほか、学校給食へも提供しているとのことでした。
▼3つめは、「処理水を用いたアユの養殖」。井戸水を利用した池で、処理水を使って藻を育て、その藻を養殖池に投入して2,500匹のアユを育てておられました。アユは商品化に向けて取り組んでいる途中で、塩焼き、炊き込みご飯や甘露煮などさまざまな試作品がつくられていました。
▼4つめとして、「処理水を用いた水耕栽培」では、クレソンやバジル、ピーマン、メロンなども栽培されており、処理水の栄養分により、すべての野菜が順調に成長し収穫が得られたそうです。
▼下水汚泥由来肥料は、なぜ作物によいのかというと、それは、下水汚泥に、農業に有効な窒素やリンが豊富に含まれているからだそうです。有機物を含んだ肥料は微生物の力で元気になりますし、厳格な基準をクリアして肥料登録されるため、高い安全性も確保されます。もうひとつ、魅力的なのがコスト面です。ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で化学肥料なども高騰するなか、下水汚泥由来肥料は安く、化学肥料の十分の一ほどで買えます。下水道からつくった肥料が生産者に届けられ、育った農作物がレストランやお店に並び、それを私たちがおいしくいただいて、再び下水道に帰っていく。バトンをつないで循環を生み出す「ビストロ下水道」には、自然環境や地域社会を動かすポテンシャルが秘められていると思います。
▼そこで、お尋ねいたします。本市におきましては、これまで下水汚泥、処理水についてどのような活用がされていますか。また、「ビストロ下水道」に取り組むなどさらなる有効活用を検討してみてはいかがでしょうか。

2件目、「教職員の働き方改革について」お尋ねします。
▼数年前にNHKの「ハーバード白熱教室」という番組がヒットしました。これは正解のない問題をマイケル・サンデル教授が学生たちと対話しながら答えを見つけていくという番組でした。
▼いつの時代も子どもたちは、答えのない道を自分で探り、成長し、自分の力で歩んでいかなければなりません。日本の教育は小中高、もしかすると大学ですら、児童生徒は正解を答えないといけないという教育を受けています。ところが、数学などの問題を除けば、実際の社会で起こっていることは、正解がなかったり、複数あったり、グレーであったりなど、どのように対処すべきか難しい問題で満ち溢れていると感じます。
▼さて、今年から高等学校において「公共」という必修科目が加わりました。教育指導要領には、自分で調べて答えを探し、先生や生徒同士で対話するアクティブ・ラーニングを重視せよということが記されています。それで、ある出版社がそういう教科書を作って現場の先生に見てもらったところ、「この教科書は誰も買わないですよ。教師の時間は非常に限られています。この教科書を使って子どもを教えるには、教師側は相当な準備をしなければなりません。教師にそのような時間はないんです」と言われたそうです。なんと、本来、本業である教えることに時間を割けないほどに教師と言うのは忙しい。つまり、教師は授業以外にしなければならない仕事がやたらにあるということです。中学教師で、1日の労働時間がだいたい11時間といわれていますが、そもそも教師に時間がなさ過ぎるという問題を何とかすべきですし、子どもを、そして人材を育ててこそ、社会は成長し、社会の基盤はできるのに、わが国の教育はこのままでいいのかと暗澹たる気持ちとなりました。
▼近頃、そういうこともあってか、学校現場でよく耳にする「働き方改革」って何だろうと考えることが多くなっています。
▼これまで、学校の先生たちの中には、子どもたちのため帰宅が遅くなり、自身の家庭を顧みない生活を送ってきた方もおられると思います。家族のウェルビーイングまで保障しようとする企業がある中、ブラックな職場環境のままでは教員を目指す若者はさらに減り続けるのではないかと危惧しております。ほぼ時間無制限で延長戦を繰り広げる「野球型の働き方」から、決められた時間内で勝敗を決する「サッカー型の働き方」に変えていかなければなりません。学校現場でも、ワーク・ライフ・バランスの本来の意味は何か、今の働き方は持続可能かを見つめなおしていただきたいと願っています。
 
▼こうしたなか、働き方改革の一環かどうかはわかりませんが、本市では小中学校ごとに「学校支援ボランティア」を募集し、学校内の除草や登下校時の見守りなどを地域にご協力いただいておりますし、PTAでも学校によって多少の違いはありますが、保護者が学校行事などをお手伝いしています。
▼PTAに関しては、ちかごろ「PTA業務代行サービス」をするという会社が現れ話題となっています。なかには「PTA業務を丸ごと外注したい」という問い合わせも受けるそうです。そもそもPTAは子供たちの健やかな成長を見守るための「活動」を行う任意組織であり、業務遂行団体ではありません。業者に依頼しなければ引き受け手が無い「活動」は、本当にやる必要があることなのかどうか、PTAは本来誰が何をするものなのかをいまいちど考える必要があると思います。
▼一方、学校の先生の中には、部活動顧問をやりたくて教職を選択された方もおられると思います。今後、「働き方改革」により部活動の地域移行が進むなか、これまで、部活動を指導されていた先生方はどのような立場になるのか。これまでどおり、部活動を指導できるのかそうでないのかという疑問が湧きます。ぜひ今後の課題としてご検討いただきたいと思います。
▼いずれにしても、今の働き方では、教員の生活も学校自体も持続可能ではなくなってしまいます。午前中の粥川議員がご提案されたスクールサポートスタッフの導入について私も支持します。教育を大切にしない国はやがて滅びます。そこで、私は声を大にして言いたいのですが、教育に関わる予算や人を潤沢に割いていただき、教員が生き生きと働き、子どもたちも楽しいと思って通えるような学校環境を整えていただきたいと思います。
 
そこで、お尋ねいたします。
1点目、GIGAスクールやふるさと大垣科などの改革も含め、本市における「教職員の働き方改革」の具体例は。
2点目、その働き方改革が、こども、教員、地域にとってどのような良い効果をもたらすのか。 
以上、2点についてお願いします。
 
▼3件目「高齢者等見守りシールの周知啓発について」お尋ねします。
▼本年4月からQRコードシールとICTの活用により、高齢者のひとり歩きを地域で見守る取り組みが始まりました。
▼昨年、本市では、認知症の行方不明高齢者がお亡くなりになるという悲しい事故があり、安全対策が急務となっているところですが、QRコードが印字されているこの見守りシールは、「高齢者がGPS端末を持って出かけないという課題」を衣服等にQRコードを張ることで解決し、しかも身元確認を容易とし、安全確保、家族や介護者の負担を軽減することにつながるものです。
▼市内のあちらこちらに見守りシールを周知啓発ポスターが貼られており、市としても力を入れて取り組んでいただいているなあと感じているところです。
▼ところが、先日、小学生の息子とウォーキングをしていたところ、自分の帰る家がわからなくなったという男性に遭遇しました。衣服等を確認したところ、残念ながらQRコードシールは貼られておられませんでした。しかし、いきつけのお店の名前をおっしゃられたので、そこまでお連れすることができました。
▼私もこのQRコードの啓発に少しでも貢献したいと思い、啓発ポスターをいろんなところで貼らせていただいております。貼っていると、通りすがりの方から「これ何?」と聞かれることもあります。「スマートフォンで読み取るとインターネットを通じて、シールを付けている人の家族と連絡を取ることもできる優れものですよ」などとご説明させていただいております。
▼そこでお尋ねいたします。現在の登録者数、それと、今後広く市民に周知啓発するためにどのような取り組みをされているのでしょうか教えてください。
 
以上、1回目の質問を終わります。

【答弁】
(石田市長)

▼下水道は、近代下水道制度の基礎となる旧下水道法が明治33年に施行されて以降、快適な生活環境と清らかな水環境の実現に不可欠な施設となっているほか、近年では、その水処理過程から発生する下水汚泥などの有効活用も各地で盛んに行われております。
 こうした中、本市におきましては、平成29年度から消化ガス発電設備を導入し、下水汚泥の減量化の過程で発生する消化ガスを活用して発電を行っており、昨年度は、一般家庭のおよそ650世帯分に相当する約230万kwhを発電し、得られた電力を再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して売電することにより、9,800万円ほどの収入を得ております。
 また、発電の過程で発生した熱につきましても、消化槽の加温に活用し、環境負担の軽減に努めております。
 さらに、減量化した下水汚泥は、セメントの原料や路盤材などの建設資材、炭化肥料にすることなどにより、その再資源化率は約99%となっております。
 とくに、炭化肥料は植物の栽培に適しており、わくわく下水道フェアなどのイベントで配布し、市民の皆様にご活用いただいているところでございます。
 また、処理水につきましても、一部の処理場において機器の清浄や水処理過程で再利用しております。
 なお、ビストロ下水道につきましては、下水汚泥や処理水などの更なる活用に向けて、その費用対効果も含め、調査・研究してまいります。
 今後とも、下水道資源の有効活用をすすめ、循環型社会の形成に向けて取り組んでまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
(山本教育長)
▼教職員の働き方改革について、ご答弁申し上げます。
 本市では、令和元年度に策定した「大垣市学校の働き方改革方針」を改訂しながら、各学校における業務内容の見直しをはじめ、ノー残業デーや夏休みの学校閉庁日の設定を行うとともに、教職員の意識改革に取り組み、働き方改革を推進しているところでございます。
 はじめに、教職員の時間外勤務につきましては、本年度は、小学校が月40時間未満、中学校が月45時間未満の目標を設定するとともに、勤務時間記録システムにより、正確に勤務時間を把握し、適切な労務管理を行っております。
 これにより、時間外勤務時間は、大幅に減少するとともに、県の平均を下回るなど、一定の成果を上げております。
 次に、「学校支援ボランティア」につきましては、学校区ごとに活動しており、令和4年11月末現在で、1,237人の登録があり、除草などの環境整備をはじめ、登下校時の見守り、授業や学校行事への支援などをお願いしているところでございます。
 また、学校区を超えた「教育支援ボランティア」につきましては、令和4年11月末現在で、104人の登録があり、遊具修繕や樹木の剪定など、専門的な技能を生かした学校環境の整備支援などを行っていただいており、良好な学校環境の整備や、教職員の働き方改革に大きな効果が上がっております。
 次に、大垣市版「GIGAスクール構想」の推進につきましては、タブレット端末の活用により、児童生徒にとって、効果的な学習が実現できているほか、教職員にとっても、授業で使用する資料を短時間で作成できるとともに、児童生徒の学習状況を容易に把握できており、分かりやすい授業づくりに役立っているところでございます。
 次に「ふるさと大垣科」につきましては、学習の連続性や講師の確保等を図り、児童生徒の学習意欲や充実感を高めていくため、本年度から、「土曜授業」を廃止し、平日に実施しており、児童生徒が効果的に学ぶことができるとともに、教職員の働き方改革にもつながっております。
 次に、教職員の働き方改革による効果につきましては、教職員が児童生徒を向き合う時間の確保のほか、児童生徒と地域の人の触れ合う時間が増えることにより、児童生徒の学力向上や、豊かな人間性を育むことにつながると考えております。
 今後も、「大垣市学校の働き方改革方針」に基づき、児童生徒一人ひとりに寄り添った学習環境の充実を第一に考えながら、教職員の働き方改革も推進してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
(三浦健康福祉部長)
▼高齢者等見守りシールの周知啓発について、ご答弁申し上げます。
 本市では、認知症になっても住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができるまち「おおがき」を目指し、地域全体で認知症の方とその家族を支えるまちづくりに取り組んでおります。
 とりわけ、本年4月から開始した高齢者等見守りシール交付事業は、認知症高齢者等の衣服にQRコードが印字された見守りシールを張り付けていただき、行方不明時には、発見者がシールのQRコードをスマートフォンで読み取ることにより、登録された家族に連絡ができるもので、12月1日現在の登録者数は、67人でございます。
 事業周知につきましては、広報おおがきや市ホームページ等でのPRをはじめ、公共施設、医療機関、薬局、スーパーなどでのポスター掲示や、介護サービス事業者連絡会、地域ケア会議などの各種会合を通じて周知に努めております。
 また、本事業は登録者のみでは成り立たず、声掛けしていただける地域住民の見守り協力が必要不可欠であり、その裾野を広げる取り組みが重要となってきます。このため、各地区の民生・児童委員協議会や地域包括支援センターと連携して、認知症への理解を深める「認知症サポーター養成講座」と、QRコードの読み取りや声掛け等の「見守り模擬訓練」を合わせて実施し、地域住民の関心を高めつつ、協力者の拡大に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、認知症の方やその家族が、安心して生活できるよう、施策の充実に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

【まとめ】
▼ただいまは、それぞれにご答弁いただきありがとうございました。 
▼まず、「高齢者等見守りシールの周知啓発」について、「見守り模擬訓練」が今後、少しでも多くの自治会等で開催していただけると良いと願っております。一方で、大人だけでなく子どもたちにもぜひこうしたことを社会問題として知っていただきたいとも願っています。地域と学校もしくはPTAなのか分かりませんが、連携、協力して訓練が開催できると、地域で大人と子どもがお互いに見守り合う関係づくり、仕組みづくりができ、それこそが「地域コミュニティ」の醸成につながると考えます。
また、このシールの存在を、必要とされている多くの方にぜひ知っていただきたいと思います。さらなる周知啓発のために、たとえば、わかりやすい動画やマンガなどを作成してみてはいかがでしょうか。
 
▼次に「下水道資源の有効活用について」ですが、消化ガスによる発電により、約9,800万円の収入を得ているとのこと。「し尿」を「宝」にした素晴らしい成果だと思います。
また、下水汚泥には、「し尿」に由来するリンなど肥料の原料となる成分が豊富に含まれており、肥料としての利用は農業の持続性にも大きく貢献できると思います。全国的には、汚泥の焼却灰の多くは埋め立て・建設資材に利用されており、下水汚泥の肥料利用は1割にとどまっているのが現状だそうです。
▼その一方、農水省は「みどり戦略」のなかで「2050年までに輸入燃料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減する」との目標を掲げており、新たなバイオマス活用推進基本計画では、下水汚泥中の有機物を利用する割合を「下水道バイオマスリサイクル率」として追加し、2030年には約50%とする目標を掲げています。
▼今回、鶴岡浄化センターを視察させていただいて、私は本当にワクワクしました。本市も、循環型社会実現に向けて積極的に取り組んでおられますが、大垣公園で開催された「めぐるマルシェ」において販売された「草木堆肥由来の野菜でつくっためぐるカレー」は大好評でした。市長。今度は、下水道処理水で野菜の水耕栽培やアユなどの養殖ができたら素敵だと思いませんか。
「下水汚泥という名前のイメージが悪い」「コストや安定供給の面で課題がある」などの意見もあろうかとは思いますが、昔やれていたことを今の時代にどう実現していくのか。究極の循環型社会の実現に向けて、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。大垣市の職員のやる気と能力をもってすれば、不可能はありえないと確信しております。ぜひ、よろしくお願いいたします。
 
▼最後に、「教職員の働き方改革」についてです。
正直、いまの学校は「持続不可能な」状態に陥っている気がしてなりません。
家庭の貧困、特別な支援を必要とする子どもの増加、人手不足などのさまざまな社会問題が学校に押し寄せ、学校自体が持続不可能に陥っていると思います。学習指導要領には「持続可能な社会の作り手」を育成していくことが目標として掲げられています。しかし、学校が持続できない状況にあれば、そうした子どもを育成することなどできません。まずは、学校のなかで持続可能な社会モデルを作っていく必要があるのではないでしょうか。
▼また、教職員が元気でやる気に満ちていれば、教育活動は充実し、子どもたちに良い影響を与えることと思います。そのためにも「教職員」を幸せにする必要があります。教職員の幸福度を高めることで子どもの幸福度は高まると思います。ぜひ、教職員はもとより、子どもたちにとっても、保護者にとっても、地域にとっても良い効果のある「働き方改革」となるようにお願いいたします。
 
▼最後になりますが、本日で退任されます山本教育長様、長い間おつかれさまでした。40年前、私が通う東中学に、スポーツ刈りをされた山本先生が赴任されて来られたときのことを、昨日のことのように思い出します。当時は、校内暴力が渦巻いた大変な時代でしたが、現代においても、教員が向き合う厳しい現状には変わりがないように思われます。教育が変われば、人が変わり、社会が変わると思います。大勢の人たちの小さな努力の積み重ねで、この社会を大きく変えていければと思っております。
今後はゆっくりと疲れをとっていただき、健康に留意されお過ごしください。本当にありがとうございました。
以上で、私の一般質問を終わります。




 

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