香川県ゲーム条例判決
2022年9月25日日曜日雑感
▼子どものゲームのプレー時間の目安などを示した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(2020年4月施行)」について、高松地裁は「憲法に違反しない」という判決を出しました。
▼ゲームやネットの依存症を防ごうと、香川県ではゲームなどをしすぎると学力や体力の低下を招くとして、18歳未満の子どもの1日のゲーム時間を「平日60分、休日90分」を目安にするよう保護者に努力義務を課しています。
▼これに対し、高松市出身の大学生(19)と母親が「この条例が憲法で保障された基本的人権を制限している」として県を訴えていましたが、ルールを破ったとしても罰則がないため、「人権を制限しているとはいえない」と判断されました。
▼ゲームに没頭するあまり、それ以外のことがどうでもよくなり、日常生活に深刻な問題が出てしまう「ゲーム依存症」が問題となっています。ゲーム依存症は、①ゲームの時間を自分でコントロールできない、②勉強や日常生活にも影響が出ているといった症状が続くことで診断されます。実際に、ゲームをやりすぎて、朝、学校に行けない。ゲームでイライラして物や家族にあたるといった問題が指摘されています。また、韓国では24歳の男性が86時間もオンラインゲームを続け、エコノミークラス症候群で亡くなったケースもあり、WHO(世界保健機関)は2019年に「ゲーム依存症」を病気と認定しました。
▼新型コロナウイルスの影響で、学校が休校になったり、外出が制限されたりしたため、プレー時間が長くなったという子どもが増えているそうです。病院を受診する小学生も増えており、ゲームで高額の課金をしてしまい、ゲームを取り上げた親に暴力をふるった小学生のケースもあります。2020年に横浜市が行った調査では、オンラインゲームを経験した小中学生のうち。約1割にゲーム依存の傾向があることがわかりました。学年別にみると、小学4年男子で23%、小学5年男子で22%だったそうです。
▼ゲームは楽しいし、ゲームのすべてが悪いわけではありませんが、どうしたら上手に付き合えるのかを考えてみてはいかがでしょうか。
香川県ネット・ゲーム依存症対策条例
https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/10293/0324gj24.pdf