News・Blog

令和4年9月議会(一般質問)

2022年9月12日月曜日活動記録

9月12日(月)、一般質問をさせていただきましたので、長文ですが掲載いたします。

【今回の一般質問】
①デジタル回覧板の導入について
②成果連動型民間委託契約について
③学校施設の充実について
④防災訓練について


◆大垣ケーブルテレビ録画放送日
9月18日(日)、20日(火)、いずれも17:00~

【質問】
▼自民党緑風会の種田昌克でございます。それでは、通告に従いまして、4件ご質問いたしたいと思います 
▼1件目「デジタル回覧板の導入について」お尋ねします。多くの自治会が、新型コロナウィルス感染症の影響で会合やイベントの中止・縮小を余儀なくされるなか、感染予防を徹底しながらどのようにして活動をしたら良いのか苦慮されております。
 また、昨今、多くの自治会が運営負担の増大、高齢化や共働き、定年延長に伴う役員の担い手不足、会員の減少といった課題を抱えており、自治会活動の活性化を図るためには、運営負担の軽減を図るとともに、現役世代を含む新たな人材確保、自分ごととして運営に携わっていただける「ひとづくり」が重要となっています。そこで、こうした課題の解決に向けて、自治会が新しい生活様式を取り入れながら感染防止と地域活動の両立を図ることができるよう、スマートフォンやタブレットを活用した「デジタル回覧板」の導入が全国的に広がりを見せています。
▼このデジタル回覧板は、住みやすさランキングで2020年から二年連続全国1位となった石川県野々市市が、2016年に、全国に先駆けて導入したものです。先般、野々市市を視察し、市のご担当者にお尋ねしましたところ、野々市市ではほとんどの自治会長が1年ごとに交代されるため、自治会ノウハウの引継ぎが難しいという課題を抱えておられました。その課題解決のため、デジタル回覧板の導入に至ったそうです。
▼また、市の担当者は、「会合などの出欠については、郵送で通知し、FAXやメールで回答いただいていたものが、デジタル回覧板アプリの出欠欄を操作するだけで報告、誰がまだ閲覧していないかも一目でわかるようになり、今では市にとって、なくてはならないツールです」と言っておられていました。
▼実は、私も野々市市の「ある自治会」にいれていただき、このアプリを使わせていただいています。デジタルなので、そこに住んでいなくても週末しか地元に帰ってこない人も回覧板を見ることができるわけです。利用させていただいて、デジタルという以外、普通の回覧板と同じです。発信の内容としては、市の情報のほかに、「自治会独自の連絡」「ごみの出し方」「不法投棄情報」「葬儀に関する連絡」「家庭菜園のおすそわけ」など身近な情報も写真付きでアップできます。しかも、過去の発信内容も見ることもでき、役員会機能もあり、とても便利です。
▼そこでお尋ねします。今後、自治会活動の維持、運営負担の軽減、そして現役世代などが自治会活動をしやすくするためには、地域活動におけるデジタル化の推進が急務であると考えますが、本市での導入についてお伺いします。
 
2件目「成果連動型民間委託契約について」お尋ねします。
▼いま、行政と民間の関係が変わろうとしています。▼急激な少子高齢化が進むわが国は「課題先進国」と呼ばれて久しく、社会的課題も多様化・複雑化しています。また、税収入が減り、扶助費をはじめとする義務的経費が財政を圧迫する中、限られた資源を有効に活用するためには、民間事業者への委託事業の成果を可視化し、それらに基づいた支払いを行うことは喫緊の課題であると考えます。
▼従来の官と民のイメージはというと、「行政は採算が取れない事業や費用対効果が悪い事業を担い、成果が見込める事業や費用対効果が高い事業は民間が行うべき」とか、「採算性のある事業を官が行うことは民業圧迫にあたる」など、官と民の役割分担については、このようなイメージが持たれていたと思われます。
▼しかし、全国的にそのような官と民の役割分担に変化が起きています。それが、PFSと呼ばれるペイ・フォー・サクセスやSIBと呼ばれるソーシャル・インパクト・ボンドという「成果連動型民間委託契約方式」という官民連携の仕組みです。
▼PFSとは、事業の成果に連動して、委託料の最終支払い額が決まるという民間への行政サービス業務委託契約のことをいいます。
SIBは、PFSをさらに拡大させたもので、事業者に資金がない場合に民間資金提供者から資金調達するものをいいます。
▼従来型の委託事業というのは、市が仕様書を作成し、一般競争入札または指名競争入札による価格競争により行うもので、これを「仕様発注」といいます。つまり、公共事業の入札において発注者である市が発注内容や実施方法等について「これを使え」とか「こうしなさい」とか詳細に仕様を規定した発注方式のことです。落札した事業者はその仕様書に従って完璧に業務を実施してはじめて委託料が支払われます。裏を返すと、仕様通りに実施された結果、成果は出ても出なくても委託料は支払われます。仮に、民間事業者からすると、もっと良い方法があるのになあと思っていても仕様書に書かれていないので、できないということになります。 そうした問題点を改善するためのスキームがPFSとなります。
▼PFS導入によるメリットを考えてみますと、民間事業者にとっては、自分たちの創意工夫した事業提案によって事業を実施し、その結果が良いほど報酬が増えることになるため、事業取組の意欲が大幅に向上します。
▼行政にとっては、仕様書通りにやりさえすれば、これまで結果が出なくても支払いをしてきましたが、成果目標の達成に応じた支払いを行うことにより、政策効果が乏しい歳出を徹底して削減することができ、「ワイズスペンディング」いわゆる賢い支出を実現できるようになります。それは、住民にとっても、仕様発注に比べて、課題が効果的に解決されますので満足度が向上すると考えられます。つまり、行政も事業者も住民も、「三方一両得」というわけです。
▼具体的に、PFSの事例をひとつご紹介します。神奈川県鎌倉市では、本庁舎の維持管理費の削減額そのものが成果となり成果指標が設定しやすいテーマであることから、PFSを活用することにしたそうです。
▼ちなみに、事業者は、公募型プロポーザル方式にて選定し、契約金額は、サービス提供前と提供後の各業務に係る経費の差額の90%を支払うというものでした。
▼例えば、それまで1億円かかっていた維持管理費を事業者が、いろんな契約を見直すなどして9千万円まで落とした場合、市は浮いた分の1千万円の9割、900万円を事業者に支払い、翌年度からは市はその契約を継承し、見直されたあとの額で契約をするので、毎年1千万円浮くというわけです。
▼市と事業者は、業務委託契約を締結し、事業者は自らの費用と責任で現状分析や市場調査、コスト削減等の施策立案などのサービス提供を行います。そのため成果連動支払いのリスクは事業者が負っておりますので、もし成果が出なければ市としては支払いがなく、費用を回収できないリスクを避けることができます。
▼参考までに、このPFS事業を請け負った事業者は、その後、鎌倉市で培ったノウハウを生かし、複数の他自治体でも同様の契約を受託することができたそうです。市民はもちろん、行政にも民間にとっても非常にメリットがある契約であったと思います。
▼私は、PFSは、近い将来、日本中で導入される手法だと考えます。国も内閣府に成果連動型事業推進室という部署を設け、交付金を出して推進しております。
▼例えば、「認知症予防」「子宮頸がん、大腸がんなどのがん受診率向上」「生活習慣病予防」「児童生徒の野外体験学習施設」「校舎跡地利用」「不登校問題やフリースクール運営」「生活困窮者就労支援」など、さまざまな行政課題の解決のために使える手法だと思っています。
▼今後、本市におけるさまざまな課題解決のために、こういう手法があるということを職員一人ひとりが常に頭の隅におき、ワイズスペンディング実現のため導入を検討してはいかがでしょうか。お伺いします。
 
▼3件目「学校施設の充実について」お尋ねします。
▼学校施設は、児童生徒などが一日の大半を過し、生きる力を育むための教育の場、いわば「ひとづくり」の場として重要な意義を持っています。このため、大垣市議会自由民主党緑風会では、学校施設整備に向けた財源確保のため、国への要望活動を行い、多くの事業採択を受けてきたところです。こうした中、本市では、これまで、校舎の耐震化をはじめ、トイレ洋式化、エアコン設置などについて取り組んでおりますが、市内の小中学校を拝見させていただきますと、まだまだ、取り組むべき箇所は多いと感じております。
▼とりわけ、星和中学校の外壁改修の残り分や、水はけの悪い小野小学校のグラウンド改修などは、計画を前倒しして、取り組んでいただきたいと思っております。
▼保護者からも、さまざまな声を耳にいたしております。ここで、昨年度、安井小学校の保護者から寄せられた声をご紹介したいと思います。
「運動会を観に行ったときに初めて学校のトイレを使わせていただきました。驚いたことに、男女兼用でした。男の人が用をたしている後ろを通って女性も同じトイレを使用しました。先生や子どもに確認すると、普段から男女兼用で使っているとのことでした。」
▼私は、どんな児童生徒も安心して学べるよう、また地域コミュニティで支え合う小中学校に地域の方や保護者が安心して集えるようにするためにも、学校施設の整備充実は不可欠だと考えています。
つきましては、これまでの学校施設の整備の取組を踏まえ、今後の予定について、お伺いいたします。また、安井小学校の男女兼用となっているトイレ、水はけの悪い小野小学校のグラウンドについては、一刻も早く改修なり整備を進めるべきと思いますが、市の考えをお伺いいたします。
 
▼最後4件目「防災訓練について」お尋ねします。
▼近年、地球温暖化等の気候変動の影響による異常気象は激甚化・頻発化し、全国で水害・土砂災害等の災害をもたらしております。
▼また、一昔前に比べると、行政から住民に発せられる防災情報は格段に進歩しているにもかかわらず、リスク情報の重要性や意味が十分に理解されず、切迫性が伝わらないなどの理由から、避難行動を決断できない住民が存在し、多くの人命被害が発生しております。
▼自然災害から身を守るためには、行政による公助のみならず、地域の避難体制を構築するなど共助を強化することに加え、住民一人ひとりが災害を「自分ごと」と認識し、災害時に適切な避難行動をとる必要があります。
また、洪水との闘いを繰り返し、幾度も泥水で涙をぬぐってきた歴史を持つ本市であるからこそ、「排水機や堤防、雨水貯留施設など、施設の能力には限界があり、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へと意識を改革し、社会全体で洪水氾濫に備える「水防災意識社会」を再構築する取組みが必要であると考えます。
そして、子供から家庭、更には地域へと防災知識等を浸透させる防災教育・人材育成が重要となります。
本市では、東日本大震災の前から「防災ひとづくり塾」を開講し、地域における人材育成に取り組んでおられます。「10年先を思う人は木を植える。100年先を思う人は人を植える」という理念のもと、「志のみ持参」で多くの方が参加され、実に約800人の防災リーダー、防災士を育成することができました。現在では、各防災訓練への協力、防災出前講座はもとより、市外にも飛び出して広く活躍している人もいらっしゃいますし、受講時に15歳だった少年が今では立派な消防士となり、多くの命を救っていることも存じ上げております。今後も地域防災等においてさらなる飛躍を期待しております。
▼私も長く防災に携ってきましたので、これまで行われてきた防災訓練については重々承知しております。それを踏まえたうえでご質問いたします。
防災・減災対策の新たなステージに向けた官民連携の防災訓練が必要だと思いますが、新たな取り組み、今後の防災訓練の方向性についてどのようにお考えでしょうか。お伺いします。
以上、1回目の発言を終わります。

【答弁】
【デジタル回覧板の導入について】
▼デジタル回覧板の導入について、ご答弁申し上げます。
 回覧板は、市民の皆さんが暮らしに関する情報を共有するための重要な広報ツールとして活用されております。
 市から各自治会へ情報提供する手段として、毎月1日、15日の広報おおがきの配布に合わせて、関係部署からのお知らせなどを回覧していただいているほか、自治会内において、小中学校からの連絡や地域活動に関する周知等に利用されています。
 また、回覧板は、ひとり暮らしの高齢者などの安否確認や、住民同士がコミュニケーションをとる機会になるなど、地域における連帯感を醸成する役割も担っております。
 一方、近年のライフスタイルの多様化から、不在等による回覧の遅れや、コロナ禍における受け渡しへの不安等が課題であると認識しております。
 ご提案いただきました「デジタル回覧板」につきましては、情報の同時配信ができるという利点がございますが、スマートフォンやパソコンなどになじみのない方への対応や、費用面などの課題がございます。
 デジタル回覧板の導入につきましては、利用主体である大垣市連合自治会連絡協議会の意向をお聞きしながら研究してまいりたいと存じますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
【成果連動型民間委託契約について】
▼成果連動型民間委託契約について、ご答弁申し上げます。
 成果連動型民間委託契約とは、国や地方公共団体が行う民間事業者への委託契約等において、行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に応じ、支払額が変動する契約手法でございます。
 同手法の導入効果といたしましては、民間事業者のノウハウ等を活用し、柔軟できめ細やかなサービスを提供することにより、市民満足度の向上と、より高い成果の創出が期待されること、また、費用対効果が高まることなどが挙げられます。
 国は、地方公共団体等がこの手法を活用して事業を実施するための指針として、令和3年2月に、「成果連動型民間委託契約方式共通的ガイドライン」を作成し、適正な成果指標や評価方法、支払条件の設定等に関する考え方を示しております。
 こうしたなか、本市におきましては、令和3年3月に、国の共通的ガイドラインを全庁的に情報提供しており、引き続き研究してまいります。
 今後とも、市民ニーズに対応したサービスの提供に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
【学校施設の充実について】
▼学校施設の充実について、ご答弁申し上げます。
 本市では、「文教のまち大垣」の時代を拓く人づくりを目指すため、大垣市第2次教育振興基本計画において、「学校教育」を重点分野に位置づけており、児童生徒の豊かな学びを支える教育環境の充実が重要であると認識しているところでございます。
 このため、これまで、校舎の耐震化をはじめ、トイレの洋式化、普通教室等へのエアコン設置を実施したほか、屋内運動場の改築、校舎の外壁やグラウンドの改修などにも取り組んでまいりました。
 こうした中、本年度には、大垣市公共施設等個別施設計画【建物編】に基づき、小野小学校及び星和中学校の外壁改修、興文小学校及び青墓小学校のグラウンド改修、義務教育学校開校に向けた上石津中学校の改修を進めているところでございます。
 また、来年度は、星和中学校校舎の外壁改修や上石津中学校の改修を継続するとともに、江東小学校の屋内運動場の改築や小野小学校のグラウンド改修を行うため、国の補助事業の採択を要望しております。さらに、令和6年度以降に実施予定のグラウンド改修につきましては、国の補助制度が令和6年度までの時限措置であることが示されているため、本市の財政負担を軽減できるよう、計画を前倒しして実施することも、検討してまいりたいと考えております。
 なお、ご指摘の安井小学校南校舎の男女兼用となっているトイレの改修につきましては、検討してまいります。
 今後も、一人ひとりの学びを支える学校施設の計画的な整備・充実を図り、児童生徒が充実した学校生活を送ることができるとともに、心豊かにたくましく生きる力を育成してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
【防災訓練について】
▼防災訓練について、ご答弁申し上げます。
 近年、全国各地で地震や台風等による風水害、土砂災害等の自然災害が毎年のように発生しており、本年3月には、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生したほか、先月には、前線の停滞により、東北地方や北陸地方で大雨となり、132の河川が氾濫して、約1,700棟が床上浸水するなど、大きな被害が発生しております。
 本市におきましても、先月4日の大雨の際に、赤坂町地内において、杭瀬川が氾濫危険水位まで上昇したことから、赤坂東地区の一部地域に警戒レベル4の避難指示を発令いたしました。
 こうした中、本市におきましては、災害に備え、総合防災訓練や、土砂災害訓練を実施するとともに、各地区におきまして、連合自治会ごとに地区別防災訓練を実施していただくなど、市民の皆さんの防災意識の高揚と、地域防災力の向上を図っているところでございます。
 また、出水期前の5月には、大垣市災害対策本部の運営訓練を実施し、各地域事務所や現地対策本部をはじめ、中部電力や大垣ガス等の防災関係機関とテレビ会議システムを利用して通信訓練を行うなど、災害対応力の強化に取り組んでおります。
 現在、市の防災訓練において実施している新たな取り組みにつきましては、スマートフォン等で避難所の受付ができる避難所受付支援システムの体験会をはじめ、各地区の防災倉庫等の備蓄物資の管理ができる防災備蓄管理システムの説明会など、デジタル技術を活用した訓練メニューを取り入れております。
 また、大雨による浸水被害を仮想空間で体験することができる浸水体感VRや、スマートフォン等を活用したデジタル防災訓練の体験会等もあわせて実施しております。
 引き続き、地区別防災訓練等におきまして、より多くの市民の皆さんに、デジタル技術を活用した訓練メニューを体験していただけるよう努めてまいります。
 次に、今後の防災訓練のあり方につきましては、地区防災力を向上させるためには、幅広い年代の皆さんが参加できる訓練が必要であると考えております。
 このため、これまでの総合防災訓練の内容を見直し、本年度は、子どもから大人まで楽しみながら参加できる体験ブース型の防災イベントとして、おおがき防災フェス2022を11月に開催いたします。
 この防災フェスでは、自衛隊や警察、消防をはじめ、防災関係機関により、災害時に活動する車両等の展示や、ダンボールベッドの組立て、消火器の取り扱い、災害時伝言ダイヤルなどの利用体験などを実施し、市民の皆さんが日常への備えや、災害時にとるべき行動について考え、学ぶことができる防災イベントを目指してまいります。
 今後とも、「自らの命は自らが守る」という意識が醸成された地域社会の構築に向け、命を守る行動を実践的に学ぶことができるよう、デジタル技術を活用しながら、防災訓練の充実に取り組んでまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

【まとめ】
▼ただいまは、それぞれにご答弁いただきありがとうございました。
 ▼とりわけ、学校施設の充実については、非常に前向きなご答弁をいただきました。子供たちの笑顔が目に浮かんでくるようです。心よりお礼を申し上げます。
 学校は「未来を切り拓くひとづくりの場」であります。少しでも早く実現できますようご尽力よろしくお願いいたします。 
▼また、市政全般に言えることかも知れませんが、防災訓練も自治会活動も、芭蕉のいうところの「不易流行」であると感じます。世の中が変わっても変わらないもの、変えてはいけないものもあれば、世の中の変化とともに変わっていくものもあります。
▼昨日、三城地区センターで開催された地区別防災訓練に参加させていただきました。浸水VR、EV自動車、ダンボールベッドなどを体験でき、非常に興味深く楽しく参加させていただきました。しかし、防災訓練はあくまで手段であって目的ではありません。当然、お祭りではありません。命を守るための訓練です。職員も住民も真剣勝負、行政の防災に対する意気込みがヒシヒシと伝わってくるような緊張感のある防災訓練が必要だと思っています。常に備えておかなければいけないという点では、災害も戦争も同じです。ウクライナでは「銃を持たないと家族を守れない」と多くの男性や女性が真剣に訓練しているニュースを観ました。
防災・減災対策の新たなステージに向けた時代に合った「不易流行型防災訓練」を官民連携して取り組んでいただきたいと思います。 
▼デジタル回覧板は、これから県内はもちろん全国でもどんどん広がっていくと思います。乗り越えなければならない課題もあると思いますが、「神様は乗り越えられない試練は与えない」といいます。スマホ普及率は90%以上で、60代の人も約80%が保有しています。ぜひ、実現に向けた研究をお願いいたします。 
▼最後に、成果連動型民間委託契約について、たとえば「企業を誘致してくれ」という業務委託も可能ではないかと思います。昨年も、岐阜財務事務所が、自治体を対象に「ぎふPFSセミナー」を開催されました。本市職員も参加されていたかも知れませんが、ぜひ引き続き、導入に向けて研究していただきたいと思います。
▼将来において、多くの自治体の財政はひっ迫してくると思います。国としても今までみたいなばらまきはできない。いくらお金があっても足りない。だから、しっかり評価して、数値目標をたててやっていかないとけない。エビデンスつまり証拠や根拠に基づいた「行政経営」という概念が求められている時代です。
▼当たり前のことですが、行政が取り組む政策に対しては、社会的課題の解決に資する効果があることが期待されています。しかし、行政の事業がすべて成功するかというと、必ずしもそうとは言えません。また、昨今では社会情勢の変化や技術の進歩は速くなり続けており、もはや10年後に私たちの生活がどのようになっているのか予測することさえも困難です。こうした中で、これまでうまくいっていたことが、数年後にはうまくいかなくなるということが出てくるのは容易に想像できますし、実際にこの10年間であらゆる分野で新陳代謝が起こっています。そうした流れの中で、行政だけが例外であるはずがありません。行政も変わっていく必要があります。行政職員一人ひとりがPFSやSIB的発想をもつということは、そうした変化にどのように対応すればよいのかという具体的なアイデアを出すための引き出しを持つことでもあります。
▼よく、公共政策はアートかサイエンスかという問いを立てられることがあります。問いの見方によっては、アートは結果重視で政治家寄り、サイエンスは過程重視で行政寄りという考え方ができます。しかし、いずれにしても、エビデンスが不明確な政策はあってはなりません。本日申し上げた「デジタル回覧板」も「PFS」も「学校のトイレ」も「防災訓練」もすべてこれからの政策立案は、ますますエビデンスに立脚することが重要となります。本市におきましても、市民の幸せため、未来に向けたまちづくりのため、解決すべき様々な課題に対し、PFSやSIB的発想を持ち、かつエビデンスに基づいた政策立案ができる「ひとづくり」がなされることを期待して、私の質問を終わります。

 

記事一覧

コンテンツを表示するにはJavaScriptを有効にしてください。