令和4年6月議会(一般質問)
2022年6月14日火曜日活動記録
6月13日(月)、一般質問をさせていただきましたので、長文ですが掲載いたします。
【今回の一般質問】
①逆線引き地域について
②放置されている空き家や空き地等の対応について
▼自民党緑風会の種田昌克でございます。
それでは、通告に従いましてご質問いたしたいと思います。
▼一件目、「逆線引き地区について」質問をさせていただきます。
「都市計画法」は、昭和30年代後半からの高度成長の過程で、人口の集中が進み、市街地の無秩序な外延化といった課題を背景に、線引き制度、開発許可制度等の導入を骨格として昭和43年に制定されました。
以来、市街地が無秩序、無計画に広がっていく“スプロール”の防止を図る一方、計画的な新市街地の開発・誘導に重点が置かれるなど、人口や諸機能を適正に配置するため運用がされてきました。この都市計画法の第13条第1項第7号には「市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされています。つまり、市街化調整区域は市街化を抑制するために決められた区域であるため、原則として、用途地域を定めることはなく、開発行為などが制限され、住宅を建てることはできません。ちなみに、用途地域とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としており、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など13種類があります。都市計画法に基づいて、おおむね5年に一度、全国一斉に用途地域は見直されることになっております。
「線引き」という言葉ですが、一つの都市計画区域を、市街化区域と市街化調整区域とに区分することを線引きといいます。
一方、「逆線引き」とは、市街化区域であったところを市街化調整区域に変更することをいい、そうした地域を「逆線引き地区」といいます。本来、計画的な市街地整備が行われる予定がない地区に対し、土地区画整理事業が確実になった時点で市街化区域に編入することを前提に、当分の間、用途地域を存置したまま市街化調整区域に編入させる地区のことをいいます。
実は、この本市長沢町、犬ケ渕町地内に13.8ヘクタールの逆線引き地区があります。当該地区は、都市計画道路大垣一宮線にほぼ接し、市街化区域縁辺に位置しておりますが、昭和46年の当初線引き時に市街化区域に編入されました。その後、大垣市では平成3年のに市街化区域内に一定規模の農地がまとまって残存する複数の地区を「未利用地整序地区」としましたが、その際、当該地区地権者には土地区画整理事業への反対が多く、計画的市街化の見込みが立たないことから、当該地区は“逆線引き”されました。つまり、市街化調整区域となったわけです。ただし、平成16年までに区画整理事業の意向が整った場合、市街化区域への編入を可能とするため、大垣市は当該地区に対し特定保留区域を指定し用途地域を存置しました。
その後、結局、平成16年の定期線引き見直し時の意向調査でも当該地区地権者の事業化への同意はならず、大垣市では特定保留区域を解除しました。
先般、当該地区の地権者とともに担当課に確認したところ、今後人口減少が進む中で人口フレームの維持や市街化区域の拡大は困難とのことでした。また、当該地区地権者の今後の土地利用の意向が明確に示されないことや当該地区以外に市街化区域編入の必要な地域があることから、保留された状態にあります。
さて、この「逆線引き地区」である当該地区に、何か建物を建てようとした場合、どのような手順が必要でしょうか。
まず、これら市街化調整区域に建物を建てるためには、市農業委員会に許可申請する必要があります。ただし、「線引き前からの宅地」、「農家住宅」、「分家住宅」等以外の建築が認められることはありません。
また、当該地区は市街化調整区域であるにもかかわらず用途地域に定められているので、市建築指導課または指定確認検査機関の確認が必要となります。
次に、当該地区における税の負担はどのようになっているでしょうか。当該地区は、用途地域とは言っても市街化調整区域であるため、土地の評価額も低くなります。土地に対しての固定資産税は土地の評価額に1.4%をかけた金額となります。
つまり、市街化調整区域は土地評価額が低いため、固定資産税の負担も少なくて済むということになるわけです。当然、市街化調整区域であるため都市計画税については賦課されません。
しかし、国税、具体的には相続税となると話は違ってきます。
まず、土地の相続税を評価する方法は2種類あります。「路線評価方式」と「倍率方式」といわれます。どちらを用いるかは評価する土地の所在で決まりますので、毎年7月1日頃に国税庁が公表している「路線価図」「評価倍率表」といった「財産評価基準書」で確認します。
まず、路線価方式ですが、路線価とは、その道路に面する土地1㎡あたりの評価額です。市街地の路線には路線価が定められており、そのような路線に面した土地は路線価をもとに評価します。
倍率方式とは、路線価が定められていない地域の評価方法をいいます。路線価図に「倍率地域」と掲載されている地域は倍率方式で「固定資産税評価額×倍率」で土地の相続税評価額を計算します。
土地を相続等によって取得した場合、倍率地域では、このように評価倍率を用いて相続税評価額を算出します。
▼では、倍率表で長沢町のページを確認しますと、まず市街化区域についてですが、「市街化区域」の宅地については、「路線」とあります。これは、この宅地は、路線価をもとに評価するということです。
同じく、田んぼと畑は「市比準」とあります。つまり、ここは市街地農地で、宅地に比準して評価する という意味です。 「宅地に比準して」というのは、あたかも宅地のごとく、という意味で、市街地に近い分、宅地並みに評価する、ということになっています。
▼次に、倍率表の市街化調整区域に目を移します。「市街化調整区域」で「1.都市計画上の用途地域に定めている地域」。これがまさしく逆線引き地域のことですが、宅地は1.1とあります。これは、宅地の固定資産税評価額に倍率1.1をかけたものが相続税評価額ということです。
田んぼと畑はどちらも「周比準」とあります。つまり、
ここは市街地周辺農地で、宅地に比準して評価するという意味です。
▼では、具体的にどのような計算をするのか。計算式は、
(農地が宅地であるとした場合の1㎡あたりの価格-1㎡あたりの宅地造成費)×地積
となります。
なお、市街地周辺農地の場合は、この答えに80/100をかけます。
▼では、長沢町6丁目地内の田んぼを実例に相続税評価額を、計算しやすいように数字をまるめて、概算で計算してみます。ちなみに、この田んぼの固定資産税評価額は480㎡で63,000円です。1㎡あたりの評価額は約131円となります。
・まず、宅地であると仮定した場合の1㎡あたりの価格は24,000円とします。
これは、すぐ隣の長沢町6丁目地内の宅地の平米単価を計算しました。
(固定資産税評価額12,045,147円÷495㎡≒約24,333円から導いた数字です。)
・1㎡あたりの宅地の造成の合計は9,000円とします。これは、国税庁の都道府県ごとの「宅地造成費の金額表」をもとに計算したものです。
・また、地積は479㎡ですが、数字を丸めて500㎡で計算します。
▼では、自際に数字を当てはめて評価額の計算をしますと、
(24,000円-9,000円)×500㎡×80/100=6,000,000円。
これが、長沢町6丁目地内の田んぼの相続税評価額となります。
▼仮に、この土地が用途地域に定められていなかった場合は、「農業振興地域内の農用地区域」または、「用途地域でも農用地区域でもない地域」となります。
「農業振興地域内の農用地区域」であれば、田畑は純農地となり固定資産税評価額に乗ずる倍率は12倍となります。固定資産税評価額は63,132円なので、
数字をまるめて計算すると、63,000円×12=756,000円となります。
「用途地域でも農用地区域でもない地域」であれば、中間農地ということとなり、田んぼであれば固定資産税評価額に乗ずる倍率は16倍ですので、計算すると、63,000円×16=1,008,000円となります。
以上のことからわかるように、
用途地域に定められていなければ、概算ではありますが、756,000円または1,008,000円であるはずの土地の相続税評価額が、用途地域に定められているために、6,000,000円となることが分かります。
参考までに、当該地域に宅地があった場合は、用途地域であってもそうでなくても市街化調整区域であれば、固定資産税評価額にかける倍率は1.1で、評価額は変わりません。
なお、ただいまご説明しました「相続税評価額」の算定方法等につきましては、税理士と税務署にお伺いし、確認いただいております。
当該地区は、幹線道路沿道を含む立地条件にありながら、長年、ロードサイド型の開発が進まなかったのですが、それが用途地域指定によるものなのかどうか、そしてそれが良かったのか悪かったのか、もし30年前に逆線引き地区でなくなっていたら、当該地区は今どうなっていたのか、それはわかりません。
▼都市計画運用指針には、「存置した用途地域については、都市的土地利用の可能性が失われた時点で速やかに廃止する事が望ましい」との記述もあり、用途地域存置はあくまで暫定であり、非正規な状態であると解釈できます。
そこでお尋ねいたします。今後、本市としてはどのような方向性を検討されていますか。また地権者等の意向調査などをされる予定はありますか、お聞かせください。
【答弁】
逆線引き地区について、ご答弁申し上げます。
本市における市街化区域と市街化調整区域との区域区分は、都市計画法に基づき、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、昭和46年3月に初めて都市計画決定いたしました。
現在、逆線引き地区となっております長沢町及び犬ケ渕町地内の一部区域につきましては、昭和50年12月に市街化調整区域から住居系用途の市街化区域に編入しております。
その後、市街化区域でありながら農地から宅地への土地利用が進まず、岐阜県との協議により未利用地地区とされ、平成3年4月に市街化区域から市街化調整区域に変更する、いわゆる逆線引きを行いました。
その際、住民の合意形成が図られ、土地区画整理事業などの計画的な市街地整備の見込みが明らかになった時点で、再び市街化区域に編入できるとの条件のもと、予定している住居系以外の開発を防止するために、用途地域を存置しております。
しかしながら、その後も合意形成には至らず、現在も市街化調整区域のまま、第1種中高層住居専用地域が存置する地区となっております。
今後の方針でございますが、大垣市都市計画マスタープランには、「土地利用の可能性を検討したうえ、用途地域廃止を含め適正な土地利用を誘導し、一部区域については新たな工業系の土地需要に対応するため、必要最小限の工業系土地利用を誘導するもの」と位置付けております。
そうした中、今年度から、人口規模、土地利用分布、都市施設の整備状況など、都市計画法の規定により、おおむね5年ごとに行う都市計画に関する基礎調査を実施いたします。
今後は、基礎調査を踏まえた令和7年度の区域区分の定期見直しに向けて、岐阜県及び関係機関と協議を重ね、意向調査や、必要最小限の工業系土地利用の可能性なども含めまして、当地区の将来を見通した土地利用の検討を進めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【答 弁】
放置されている空き家や空き地等の対応について、ご答弁申し上げます。
少子高齢化や人口減少に伴い、放置されている空き家や空き地等が全国的に増加するなど、適切に管理されていない空き地等の問題が顕在化してきております。
こうした中、本市におきましても、放置されている空き家や空き地等において、草木の繁茂が原因となる交通障害や衛生害虫の発生、ごみの不法投棄の誘発など、近隣の生活環境に悪影響を及ぼす事例が発生しております。
とりわけ、草木が繁茂している空き家や空き地等について、市民の皆さんから相談があった場合には、職員が現地を確認し、大垣市美しいまちづくり条例等の規定に従い、土地や建物の所有者等に対して、必要な指導や助言などを行っているところでございます。
また、頻繁にごみが散乱する場所や不法投棄があった場所につきましては、市の衛生パトロール等による監視を継続して行っております。
今後とも、景観の悪化や、ごみの不法投棄を招くような、放置されている空き家や空き地等につきましては、庁内での情報共有を図りながら、迅速な対応に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【まとめ】
▼ただいまは、それぞれにご答弁いただきました。
▼まず、「逆線引き地区」についてですが、平成30年に国土交通省が発表した数字では、全国の市街化調整区域で用途地域指定があるところは2,347ヘクタールで、これは全国の市街化調整区域全体の0.02%となります。現在はどのくらい、このような地区があるのか確認のために、国土交通省都市計画課にお尋ねしたところ、過去5年間で所沢市、三島市、宝塚市など全国6つの市で市街化調整区域内の用途地域を廃止したとのことですが、正確な数字は把握しておらず、いずれにしても、残置しているのは数千ヘクタールぐらいしかないとのことでした。
▼今後、市として、当該地区の住民や地権者に向けた丁寧な説明会を開くなど、地域の意見に耳を傾けていただき、区域区分の見直し等を含めてご検討いただきたいと願っております。
▼次に、「放置されている空き家や空き地等の対応について」ですが、現在、市が行っている現状をご説明いただきましたので、今後について、私の所感と提言を述べさせていただきたいと思います。件名を「空き家や空き地等」としているとおり、必ずしも人が住んでいないところだけを問題としているわけです。
さて、「物の堆積または放置、樹木または雑草の繁茂等により、害虫、ねずみ等または悪臭が発生している状態、火災の発生、堆積された物品等の崩壊等または不法投棄のおそれがある状態、景観を著しく毀損している状態が生じ、周辺の生活環境が衛生上、防災上支障が生じる不良な状態」が放置されているところを「ごみ屋敷」と呼ぶことがあります。この言葉は人によってはごみではないという認識もありますので、あまり適切ではないと思いますが、この場は分かりやすくするために、いわゆる“ごみ屋敷”と呼ばせていただくことでご理解をいただきたいと思います。
▼では、こうしたいわゆるごみ屋敷問題を解決するにはどうしたら良いでしょうか。本市には、平成11年に施行された「大垣市美しいまちづくり条例」があります。これはネーミングも良く、非常によくできた条例ですが、いわゆるごみ屋敷問題にあてはめると3つの課題があると思っております。ひとつは「樹木や雑草の伐採に関する課題」、二つ目は、「代執行によるごみ等の撤去に関する課題」、三つ目は「福祉的な支援に関する課題」です。
▼まず、ひとつ目ですが、樹木や雑草、ごみを法律で強制撤去できないのかと疑問を持っておられる方は多いと思います。
▼ごみに関する法律として、まず挙げられるのが「廃棄物処理法」ですが、ごみ屋敷のごみを取り締まることはできません。なぜならごみ屋敷のごみは、住人にとってはごみではなく、「財産」であるため、廃棄物処理法を適用することはできません。
▼そのほか、樹木や雑草、ごみが敷地外の道路にはみ出て通行人の邪魔となる場合は、「道路交通法」違反として取り締まることはできますが、当然、ごみ屋敷敷地内は道路交通法の規制の対象外のため、ごみはそのまま放置されます。
▼また、ごみ屋敷は、ごみの中で可燃物が自然発火したり放火されたりして、火災を起こす危険性をはらんでいます。実際にごみ屋敷の火災事故は少なくないため、火災予防のために『消防法』でごみを撤去させることはできないかという意見も聞かれますが、火災発生の危険性はあるものの、確率と緊急性が極度に高いわけではないため、消防法の適用対象外となるそうです。
▼このように、現行の法律ではなかなか対応できないことがわかります。
▼一つ目の課題の「樹木や雑草の伐採」については、現行民法第223 条では、隣の土地にある樹木の枝や根っこが、越境してきた場合、根っこは勝手に切ってもよいが枝は切れないとされています。枝に関しては請求することができるだけで、どうしても応じてくれない場合は裁判で勝訴して強制執行を行うしかありません。
しかし、これについては、民法が改正され、令和5年4月1日から新ルールが施行されることになりました。改正民法第233条第3項には、越境されたほうの土地所有者が、枝を切り取ることができるという3つの場合の特則が追加されました。これによって、隣地が所有者不明土地であっても、適切に対処することが可能になり、大きく前進するのではないでしょうか。
▼二つ目の課題である「代執行によるごみ等の撤去」についてですが、「空き家」の場合は、「空家等対策特別措置法」により、特定空き家等に対し、除却、修繕、立木の伐採、その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置について、助言、勧告、命令を経て、所有者に代わり、行政が強制的に敷地に立ち入り適正管理に向けた代執行ができます。
しかし、いわゆるごみ屋敷は、集めてくる人がいるからこそ物が堆積するため、空き家でないことが非常に多いわけです。つまり、この場合はいわゆる「空家法」は使えません。
では、「大垣市美しいまちづくり条例」で問題が解決できるのかというと、「指導」「勧告」「命令」「公表」などの目的達成手段が規定されていますが、それでも従わない場合の最終手段である「行政代執行」に関する規定がありません。
市内には、何カ所か敷地内外に物が堆積したいわゆるごみ屋敷があります。先日、消防に市民からごみ屋敷の相談があったとのことで、私も現場を確認にいってまいりました。当該敷地内には多くの燃えるものが堆積しておりました。
それで、市内にこうしたいわゆるごみ屋敷はどのくらいあるのだろうかと思い、市担当課にお尋ねしたところ、いまのところ、市民からの情報提供や相談はないと言っておられましたが、私の知る限り、市内には数件の“いわゆるごみ屋敷”がありますので、いつ何時、問題化してくるかわからないと思います。すでに問題化しているのかも知れません。対策を講じる必要があるのではないでしょうか。
▼三つ目の課題である「福祉的な支援」についてですが、大垣市美しいまちづくり条例には「命令」の規定がありますが、実は、先進事例の一つである世田谷区のごみ屋敷条例は、「勧告どまり」となっています。全国的にも珍しい事例ですが、あえて行政代執行を回避するため命令は規定していないそうです。私はここが重要だと感じています。「命令がない」ことではなく、「その理由」です。同区によれば、「対象者の多くは、収集癖、認知症、高齢化による身体機能の低下、生活意欲の減退、セルフネグレクトなど精神的あるいは身体的に問題を抱えた要支援者であるなど、何らかの問題を抱えている人と想定されるため、弁明等の権利を適切に行使できないと思われることから命令を出すことは不適切と考えたとのことです。そういう方は、代執行をしても結局、また同じ状態になってしまう可能性が高いといわれているからだそうです。
▼ただいま、三つの課題について申しあげましたが、それぞれ、本市としては、「樹木や雑草」については生活環境部、「空き家」については都市計画部、「福祉的な支援」については健康福祉部がご担当のことと思います。そのほかに、道路上であれば建設部、消防法的な側面からは消防組合となります。
こうした横断的な取り組みは行政がもっとも苦手とする部分、かなりハードルが高く困難を極める難しいプロジェクトではないかと思っています。
足立区では、いわゆるごみ屋敷条例の施行後に、100以上の案件を解決したものの、それ以前はご多分に漏れず「縦割り」や「たらい回し」など役所の悪弊が立ちはだかっていたそうです。
▼全国の自治体において、いわゆるごみ屋敷対策条例の制定が進んでいます。現在、全国で80以上の自治体で制定されており、この「条例」によりさまざまな手段でのごみ屋敷への対応が可能となっています。
▼本市においては、いわゆるごみ屋敷はまだそれほど多くはないかも知れません。しかし今後、ひとり暮らし世帯や認知症の増加、高齢化等に伴い、課題先進国であるわが国で起きている社会問題は、いずれ本市にも押し寄せてくると考えます。ごみ屋敷問題の解決に必要な処方箋の数は、原因者の数だけあると言ってもよく、個々の問題解決にあたっては、自治体の知見の蓄積と分析、庁内横断的な取り組みのほか、本人の気持ちに寄り添った解決方法も必要となってきます。
そのために、福祉支援や代執行の定めなども盛り込み、「美しいまちづくり条例」の改正を行ってはどうでしょうか。放置された空き地や空き家など、また、樹木や雑草等の問題の解決について、単なる環境問題、ごみ問題とは捉えず、地域とも連携し、「人への支援」として取り組んでいただける条例となるよう改正等に取り組んでいただきたいと思います。ごみ減量化や選んでもらえるまちづくりを推進する本市において、率先的に取り組んでいただけることを願って私の質問を終わります。