令和4年3月議会(一般質問)
2022年3月14日月曜日活動記録
本日(12月6日)、議会一般質問をさせていただきましたので、長文になりますが全文を掲載いたします。
なお、大垣ケーブルテレビでの放送日は次のとおりです。皆さま、ぜひご覧ください。
◎3月20日(日)7:00~、◎22日(火)7:00~、◎23日(火)16:00~ ※同じ内容が3回放送されます。
なお、私の登壇は13人中12番目です。
【LINE公式アカウント等について】
▼一件目、「LINE公式アカウント等について」質問をさせていただきます。
市が市民の皆さんに向けて発信する情報は、行政施策の情報や、社会生活に必要な情報、生命や財産に関わる情報など、多岐にわたります。さまざまな情報を市民に確実に伝え、行政サービスの周知や利用促進、必要な手続きをしていただくことに結び付けることが大切だと思います。
一昨年からの新型コロナウイルス感染症の給付金に関する全国的な例を見ましても、「いつ、どこに、何をすればよいのか」などの情報が正しく伝わらない、伝えられないなどの課題が浮き彫りになりました。市民にとっては、欲しい情報がきちんと伝わってこないことほど不安なことはありません。
本市では、市民の皆さんにとって必要不可欠な情報を、広報紙はもちろんのこと、様々なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用して発信しています。
たとえば、昨年5月から、大垣市LINE公式アカウントを利用した情報発信が始まりました。2月末現在で、14,639人の方が友だち登録をされているとのことです。このLINE公式アカウントは非常に便利なコミュニケーションアプリだと思います。LINEは、「人と人、人と情報の距離を縮める」をコンセプトに、現在、国内の月間利用者数は8,900万人に上り、うち8割のユーザーが1日1回以上利用、日本人の人口の約7割が利用しており「生活インフラ」として定着していると言えます。LINEでできる様々な機能を活用することで、正確な情報をきちんと市民にお知らせできるだけでなく、本市の業務効率を向上させるとともに、市民にとって利便性の高いサービスを提供できると考えます。
大垣市LINE公式アカウントでは、登録した方にプッシュ通知で情報を配信することができますし、属性や欲しい情報を予め設定してもらうことでその方が必要な情報のみを受信できる「セグメント配信」も可能です。本市では「防災情報」「ごみ収集日情報」など必要な情報を選択することができます。
まず、「ごみ」に関する情報についてですが、公式アカウントでは「ごみ分別検索」機能や「大型ごみ収集のインターネット予約」機能があります。試しに「ごみ分別検索」で「スプレー缶」と入力してみたところ、「燃えないゴミです。使い切って風通しの良いところで穴をあけて出してください」というメッセージが来ました。とても便利だと感じました。
それで、どのくらいの方が利用されているのか、クリーンセンターで確認しましたところ、大型ごみの受付については今年の1月、2月の受付件数は合計899件とのことです。そのうちLINEを含めたインターネットからの受付は、合計369件とのことで、全体の44パーセントを占めていることがわかりました。先日、70歳代の方にこのことをお話しましたところ、私に教えられなくても既に利用されているとのことで、その場でスマホを取り出しやり方を教えてくださいました。これから、ますます活用されていくのではないかと非常に期待しております。
また、ごみ分別アプリ内の分別辞典の利用は、今年度すでに70,472件も利用されているとのことです。こちらも非常に便利な機能ですので、多くの方にご利用いただいているのがわかる気がします。
大垣市LINE公式アカウントでの「防災」の情報発信については、開設中の避難所の検索ができるとともに、防災情報を受け取る設定にしている方は、避難情報発令に合わせた避難行動をプッシュ通知で受け取ることもできます。
そのほかにも、ユーチューブの大垣市公式チャンネルが開設されていて、防災関連としては、「避難情報が変わりました」という動画や「避難所運営マニュアル」という動画がアップされています。とても分かりやすくて良くできている動画だと思います。ごみに関連するものでは、「大型ごみインターネット予約受付動画」「なぜ、ごみを減らさないといけないの」「ごみを減らすには4R」といった面白くてためになる動画もあります。
多くの方がスマホを利用している中、SNSを活用した情報発信の充実は、ますます重要になってきています。そこで、LINEとユーチューブを活用した本市の情報発信の現状と方針についてお尋ねいたします。
【認知症行方不明高齢者等の支援について】
▼二件目、「認知症行方不明高齢者等の支援」についてお尋ねいたします。
高齢化に伴い、患者が増えている認知症ですが、厚生労働省の推計では、団塊の世代が75歳以上に達する2025年には、65歳以上の5人に1人、700万人前後が認知症になるとされています。
この病気は、1972年に有吉佐和子さんが発表した小説『恍惚の人』により世間に知られるようになりました。認知症の人を介護する家族の葛藤を描き、いち早くこの病気のことを世間に知らしめた作品で、映画や舞台化され、話題を集めました。森繁久彌さんと高峰秀子さん主演の映画は感動と衝撃を与えた名作なのでご覧になられた方も多いと思います。
さて、近年、認知症の方が一人で外出し、道に迷うことなどを「徘徊」と表現することを改める動きが全国的に広がっており、例えば、愛知県大府市では、「大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を機に、行政内部では「徘徊」という表現を使用しないこととしているそうです。「徘徊」という言葉には、「目的もなく、うろうろと歩きまわること」という意味がありますが、認知症の方の外出の多くはご本人なりの目的や理由があるとされています。「徘徊」という表現は、そうした認知症の方の外出の実態にそぐわないことや、誤解や偏見につながる恐れがあります。
そのような理由で、「外出中に行方不明になる」「ひとり歩きで道に迷う」などと言い換える自治体が増えております。私も、認知症の方を介護するご家族の気持ちに配慮し、本日は「徘徊」という言葉は使用せず、「ひとり歩き」という言葉を使わせていただきたいと思います。
さて、警視庁の発表によると、1年間で約1万7千人の人がひとり歩きで家を出て、そのまま行方不明者となっているそうです。認知症高齢者の増加に伴い、行方不明者は年々増加しているため、いまは子どもの迷子よりも多くなっています。認知症の方のひとり歩きは、事故やケガなどの危険もあります。
私は昨年のいまごろまで、ディ・サービスの管理者として勤務しておりました。日々、朝夕の送迎はもちろん、日中は食事やトイレなどの介助、さまざまな作業をして高齢者の方と過ごさせていただいておりましたが、何人かのご利用者さまが認知症などを患われておられておりました。なかには、ディ・サービスをご利用されない日に、ひとりで外出してしまい、そのまま行方不明になられる方もおられましたので、たびたび、ご家族様からご相談を受けました。
例えば、自宅にいるのにそれが理解できず、過去に住んでいた場所に帰ろうとして、外出するものの、道に迷って外を歩き続けてしまう。もし、目的地が遠くのふるさとだとすると、歩いて到着できるわけもなく、また、道が分からずパニックになってしまうこともありますし、近所の行き慣れた知人宅に出かけたはずが、何時間も帰ってこないというケースもあり、夏場であれば熱中症のおそれがあります。
幸いにも、私が知る方々は、自宅から離れた場所で保護されたり、認知症のため名前や住所を言えずに「身元不明者」として保護され、無事にご家族のもとに帰ることができましたが、全国的には踏切事故や交通事故に遭う例や、自転車や車で出かけて他人を巻き込んだ事故を起こしてしまうこともあると聞きます。
かつて、NHKスペシャルで「“認知症800万人”時代 行方不明者1万人」という番組が放送されました。この番組は社会に衝撃を与えました。さまよった果てに命を落とし、あるいはようとして知れない。どこのだれか分からぬまま、家族と会えず、施設での保護を余儀なくされる。深刻な事態が、日常生活のすぐそばで毎日のように起きていたにもかかわらず、社会はそれを見過ごしていました。埋もれていた事実が掘り起こされたことで、ようやく、その重大さに気づいたという内容です。認知症の人を介護する家族の方は、「閉じ込めればひとり歩きは防げるが、それはしたくない。どうすれば・・・」とひとり歩きのため、繰り返し行方不明となる大切な方の介護に苦悩されているというということを知りました。
2016年に桜美林大学老年学総合研究所が行った調査によりますと、認知症の高年者が行方不明になってから発見されるまでの時間ごとの生存率は、当日では82.5%、翌日では63.8%、3日から4日目だと21.4%、5日目で0%と、時間が経過するほど生存率は低下していくとのことで、もしひとり歩きにより失踪した場合、一刻も早く発見することが重要となります。そのため、本市でも防災行政無線や一斉メールを使った行方不明者捜索のお知らせを流されています。
そこで、一、防災行政無線での行方不明者に関する情報発信の実績について、二、本市の取り組みについてお尋ねいたします。
【本市の先賢顕彰事業の充実について】
▼三件目、本市の先賢顕彰事業の充実について3点お尋ねいたします。
1点目ですが、本市の先賢の顕彰状況についてお尋ねします。本市には現在の大垣を作り上げた先賢や先人が数多いらっしゃいます。政治、経済、医学、文芸、工学などあらゆる分野で活躍をされています。大垣のみならず全国で活躍され、現在へ繋がる近代日本の発展の礎となられた立派な方もいらっしゃいます。こうした先賢の偉業を学び、そして未来へと繋げていくことは、現代を生きる私たちの責務であると信じます。また、先賢の偉業を知ることは、郷土大垣に対する愛着と誇りを育むこととなります。また、全国的に名を馳せた方々だけでなく、人々の生活の中で、心の支えとなるような活動をされた方もいらっしゃると思います。そうした方々にも光をあて、多くの市民に、さらには全国に向けて発信してゆく必要を感じております。そこで、現在の本市での、先賢の顕彰状況についてお尋ねします。
2点目は、こうした先賢を市民に知っていただくための、分かりやすい紹介に向けた取り組みについてお尋ねします。先賢の顕彰を行うにあたって、先ずは、多くの人に、先賢に関心を持ってもらい、偉業やその背景を知ってもらうことが必要であります。奥の細道むすびの地記念館の先賢館では、先賢の業績や、ゆかりの品などが展示されていますが、ただ、こんな人がいたよ。こんなことしたよ。とパネルで伝えるだけでは、多くの人に興味をもってもらうことは難しいのではないかと思います。分かりやすい、もっと知りたいと思えるような、紹介方法の工夫が必要ではないでしょうか。また、単に展示するだけでなく、本市の先賢について、子供たちをはじめ、多くの市民にも知ってもらえるよう、積極的に紹介することが必要ではないでしょうかお尋ねいたします。
3点目は、小沢道雄禅師の顕彰についてお尋ねいたします。
「本日ただいま誕生」というタイトルを聞いて、すぐに思い出される方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。すぐに思い出された方は、おそらく私より年齢が上の世代の方々ではないかと思っております。
少し、禅師のことをご紹介しますと、大正9年に生まれ、二十歳の時、徴兵されて関東軍に所属し、満州で終戦を迎えられました。戦後、シベリア抑留からの送還中に凍傷を負い、両足膝下10センチから切断。帰国後、絶望のどん底から義足で、雲水として托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)を始められました。市内にある曹洞宗法永寺の住職となり、保護司なども務められる傍ら、自伝「本日ただいま誕生」を執筆され、その波乱万丈の人生は加藤剛さん主演のNHKドラマや植木等さん主演で映画にもなりました。
その映画「本日ただいま誕生」ですが、1979年に全国の限られた劇場で短期間上映されました。当時、小学4年の私は、父といっしょにブラツキ街にあった大垣東映会館に観に行き、かなり衝撃をうけたのを覚えています。その後、フィルム原版の行方が分からなくなり、幻の作品となっておりましたが、35年ぶりに発見、ハイビジョン版に復元され、東京国際映画祭で上映されました。
たまたま先月、道雄禅師の奥様の七回忌が営まれ、禅師のことを知る方々や県外からも参列者があり、私もご一緒させていただく機会を得、そこで禅師にまつわるお話を聞かせいただくことができましたが、やはり、「本日ただいま誕生」や「小沢道雄禅師」のことが忘れられつつあることにみなさん寂しさを感じられておられるようでした。私も同じ思いで、ある郷土史家の先生にそのことをお話したところ、「もっと見直されて良い人だと思います」とのお言葉をいただきました。
そこで、お尋ねいたします。小沢道雄禅師の生き方は、現代に生きるわれわれに感銘を与え、生きる力になると思います。ぜひ、顕彰をご検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
以上、前向きな御答弁をいただけることを期待しまして、1回目の質問を終わります。
【答弁】
▼LINE公式アカウント等について、ご答弁申し上げます。
通信アプリ「LINE」や、動画投稿サイト「ユーチューブ」などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、インターネットを通じて、手軽に情報を発信したり、受け取ったりすることができるコミュニケーションツールとして、多くの自治体において導入されております。
本市におきましても、「LINE」や「ユーチューブ」をはじめ、「ツイッター」や「フェイスブック」、「インスタグラム」などを活用して、様々な情報を提供しているところでございます。
とりわけ、「LINE」の活用では、「大垣市公式アカウント」を開設し、防災や新型コロナウイルス感染症に関する情報、ごみ収集日などを配信するほか、保護者が学校にお子さんの欠席等を連絡できる「らくらく連絡システム」や「ごみ分別アプリ」、「子育て支援アプリ」などととも連携して運用しております。
また、「ユーチューブ」の活用では、昨年2月に「大垣市公式チャンネル」を開設し、観光や移住定住のPR、新型コロナウイルス感染症対策など、現在131件の動画を配信しているほか、公共施設におけるイベントのライブ配信や、「広報おおがき」にQRコードを貼り付け、インタビューの様子などを動画で紹介する取り組みも行っております。
こうした中、若手市職員たちが、プロモーション力を高めようと、有志によるワーキンググループを立ち上げ、市の魅力を紹介する動画を製作するなどの意欲的な試みも行われ、たいへん頼もしく心強く思っています。
今後とも、「LINE」や「ユーチューブ」などのSNSを積極的に活用し、市民サービスの更なる向上と、本市の魅力発信に努めるとともに、多くの市民の皆さんにご利用いただけるよう周知してまいります。
ご理解賜りますようお願い申し上げます。
▼認知症行方不明高齢者等の支援について、ご答弁申し上げます。
本市では、認知症になっても住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができるまち「おおがき」を目指し、地域全体で認知症の方とその家族を支えるまちづくりに取り組んでおります。
はじめに、防災行政無線による認知症高齢者等の行方不明に関する放送件数につきましては、昨年度は8件で、本年度は2月末現在で7件でございます。
次に、本市における取り組みにつきましては、認知症高齢者等が行方不明になった際は、防災行政無線やメール配信等を通じて、広く市民や介護事業者等に発見協力を呼びかけるほか、警察署、地域包括支援センター等と連携した捜索を行い、早期発見に努めています。
なお、発見保護された後は、地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームが、本人や家族と関わり、専門医療機関の紹介や福祉サービスの情報提供などの支援を行っております。
また、行方不明者時の早期発見や保護に役立てていただくため、希望された認知症高齢者等の介護者に、GPS端末機を貸与しております。
このほか、来年度、高齢者の衣類等に、見守りシールを貼り付けし、発見者がシールのQRコードをスマートフォンで読み取ることで、本人確認や家族等への連絡ができる「認知症高齢者見守りシール交付事業」を新たに実施する予定でございます。
今後も、認知症の方やその家族が、安心して生活できるよう、見守り事業の充実に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
▼本市では、「大垣市第2次教育振興基本計画」において、「文化振興」を重点分野として、位置づけているところでございます。
はじめに、本市の先賢の顕彰状況につきましては、奥の細道むすぶの地記念館におきまして、大垣の歴史や文化・芸術を築きあげた江馬蘭斎、飯沼慾斎、江馬細香、梁川星厳及び小原鉄心の5人の先賢を紹介するほか、主に江戸時代から戦前にかけて功績を残した大垣市ゆかりの人物を取り上げた企画展をはじめ、外部講師による企画展関連講座などを開催しております。
また、小学校6年生を対象とした「ふるさと魅力体験」の実施や、主に社会人を対象とした「大垣先賢大学」を開催するとともに、地域の先賢顕彰団体である「梁川星厳顕彰会」や「所郁太郎奉賛会」などの活動に対する支援を行っております。
さらに、来年度は、記念館開館10周年にあたり、俳人・松尾芭蕉の真筆や、藩老・小原鉄心に関連する資料を展示する企画展を開催するほか、本市出身の日本画家・守屋多々志画伯と長谷川朝風画伯に光を当てた生誕110周年及び120周年企画展の開催を予定しております。
次に、分かりやすい紹介に向けた取り組みにつきましては、記念館の展示内容を、より理解しやすくするため、平成30年度に製作した「大垣遺産アプリ」に、新たな映像コンテンツを追加し、内容の充実を図っているところでございます。
また、来館者の興味や関心をさらに高めるため、民間事業者との連携により、音声や文字等による展示物の解説を行う展示物ガイダンスアプリ「ポケット学芸員」を新たに導入し、記念館や郷土館など、市内19か所の歴史文化施設への、来館者の拡大を図ってまいります。
なお、ご提案の小沢道雄禅師につきましては、業績などの調査を行ってまいります。
今後も、本市ゆかりの先賢について、積極的な情報収集に努めるとともに、歴史文化施設において企画展を開催するなど、顕彰事業の充実に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【まとめ】
ただいまは、それぞれにご答弁いただきました。
▼まず、「LINE公式アカウント等について」ですが、若手職員のみなさんがワーキンググループを立ち上げ、市の魅力を紹介する動画を製作しているとのことでした。企画や撮影、編集までを自分たちだけで手掛けているという新聞記事を拝見し、私も注目していたところですが、出来上がったものを市公式ユーチューブチャンネルで拝見させていただいたところ、とてもすばらしいと感じました。
そのほか、新型コロナ対策や職員採用など様々なテーマの動画を観ることができますし、市空き家バンクチャンネルでは、登録物件を自宅等に居ながら内覧できる取り組みをされています。また、日本昭和音楽村では「水嶺湖ホール無料インターネットライブ配信サービス」、大垣消防組合は「職員自作の大垣消防PR動画」を配信しており、どれもかなりの出来栄えで良い取り組みをされていると思います。
さまざまな部署で動画配信などPR活動を積極的に進めていただいておりますが、提案をさせていただけるなら、防災備蓄倉庫内にある資機材の使い方の動画があると良いと思っています。発電機やチェーンソー、浄水機の使い方、簡易トイレの組み立てはやや難しく、もし動画があると文字や写真によるマニュアルよりも理解しやすいのではないかと思います。
情報発信について提言等申し上げましたが、一方、情報収集に関して申し上げますと、LINE公式アカウントの先進都市である熊本市では、一昨年から「市民レポート」というサービスを開始し、ごみの不法投棄情報、災害時における道路冠水箇所、街路樹などの倒木情報など、平時においては道路や河川、公園等の不具合などについて、市民から状況写真、日時、場所などの情報提供をしていただく取り組みを開始し、市民の利便性向上だけでなく、市役所側も夜間受付や情報精度の向上で対応工数が削減できたとのことです。
ちなみに、本市では、令和2年度において年間404件の不法投棄の通報があったとのことですから、こうした「市民レポート」サービスにより、もし市民の利便性向上、職員の業務の軽減につながるのであれば導入を検討する価値はあると思います。
ひと月ほど前、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー「ボストン市庁舎」という上映時間4時間半の映画を観てきました。映画の一場面で、職員がパッカー車を操作し、ゴミを収集する場面があります。日本でもアメリカでもゴミは勝手になくなるのではなく自治体が収集しています。自治体が収集したゴミを焼却し、埋め立て処分する。そこには市民の税金が使われています。しかし、問題はこのような市役所の仕事が、市民からは見えにくいということだと思います。情報発信、情報の届け方がどこかマズい可能性もあります。映画の中で、マーティン・ウォルシュ市長も「市が何をやっているのかを市民に伝えきれてない」と正直に語っています。本市はいかがでしょうか。映画を観ながら思ったのは、この映画で描かれているのはボストン市だけでなく、本市も含めた世界共通の課題であると感じました。
私は、職員全員が広報担当だと考えます。広報というと、広報紙やホームページの担当者というイメージがあるかも知れませんが、決して、広報は広報課だけが担うものではないと思います。
私もかつて本市収納課職員のころ、住民のみなまさからの税金に関するさまざまなお問い合わせに対し、わかりやすく丁寧な説明をして、ご理解いただいたうえで納税いただくよう、先輩方からご指導いただいたことを思い出します。こうした職員ひとりひとりの市民に対する説明等も、たいせつな広報活動のひとつであると思います。
市職員全員が広報に関する理解と意識をもつことにより、市民にとってわかりやすく丁寧で質の高い情報提供、広報活動ができると思います。今後、LINE公式アカウントをはじめとしたSNSなども上手に活用して、市民に寄り添った説明、情報発信をしていただくことをお願いいたします。
▼次に「認知症行方不明高齢者等の支援」についてですが、
本市では、防災行政無線、メール配信を通じての市民などへの呼びかけのほか、GPS端末の貸与を行っており、また、新年度からは、「認知症高齢者見守りシール交付事業」を実施されるとのことでした。国も「認知症になっても安心して暮らせる町づくり」をスローガンに掲げていますし、見守りQRコードシールは、ぜひ導入していただきたかった取り組みでしたので、ありがたく思っております。
しかし、シールを配るだけでなく、この事業を広く市民に知っていただき、サポートしていただけるような取り組みも併せて必要ではないかと考えます。
たとえば、愛知県みよし市では、認知症について正しい知識を持ち、認知症の人や家族を応援するボランティアである「認知症サポーター」を増やす取り組みをしております。令和3年12月現在で、「認知症サポーター養成講座」を受講してサポーターとなられた方が2万人もおられるとのことです。
また、全国的には、「認知症高齢者ひとり歩き見守り訓練」とか「捜索訓練」といった取り組みをされている自治体があります。認知症についての正しい知識の普及を図りながら、地域での見守りと支え合い、関係機関との連携を深めるために実施しておられます。このような取り組みを導入することにより、地域で抱えている他の課題においても、手を差し伸べられる人を増やし、力を合わせて解決していく“地域力”の向上にもつながるのではないでしょうか。
私は、道で迷われているような人を見かけたらお声をかけるように心がけております。が、いざやってみるとこれがなかなか難しいことがわかります。
しかし、地域で誰かが一声かけることができたら、早期発見につながるケースは多いと思います。認知症の高齢者でも、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、地域で見守り、支え合う方法を考えるきっかけとして、QRコードを使った模擬訓練を企画されると良いと思いますので提言させていただきます。
▼最後に、「先賢顕彰事業の充実について」、12月議会で提案させていただいた展示物ガイダンスアプリ「ポケット学芸員」ですが、すでにテスト運用が始まっており、写真や音声解説を楽しむことができます。これほど早期に実現するとは思っておりませんでしたので、市長、教育長、教育委員会事務局の迅速な対応に感謝申し上げます。展示物の解説のほかに、いろんな応用的な活用ができると思いますので、今後、いろんなアイデアを出していただき活用していただければと願っております。
小沢道雄禅師および「本日ただいま誕生」については、本も映画も40年以上前の作品なので、現在とは、障がいの方を取り巻く環境や課題なども違う部分もあると思いますが、しかし、東京国際映画祭で、この作品は多くの方に感動を与えました。市民のみなさんも観たいと思われるのではないでしょうか。
メガホンをとられた降旗康男(ふるはたやすお)監督はこれまでに48本の映画を撮られているそうですが、ある映画サイトに降旗監督が制作した映画ランキングというのがあり、1位が「駅STATION」、2位が「冬の華」、3位が「本日ただいま誕生」となっております。ちなみに、4位が「少年H」で、5位が「鉄道員(ぽっぽや)」でした。
小沢道雄禅師の生き方は、現代に生きるわれわれ大人のみならず、かつての私と同じように、子どもたちにも感銘を与え、生きる力になると思います。ふたたび、大垣で映画『本日ただいま誕生』を観る日が来ることを願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
市が市民の皆さんに向けて発信する情報は、行政施策の情報や、社会生活に必要な情報、生命や財産に関わる情報など、多岐にわたります。さまざまな情報を市民に確実に伝え、行政サービスの周知や利用促進、必要な手続きをしていただくことに結び付けることが大切だと思います。
一昨年からの新型コロナウイルス感染症の給付金に関する全国的な例を見ましても、「いつ、どこに、何をすればよいのか」などの情報が正しく伝わらない、伝えられないなどの課題が浮き彫りになりました。市民にとっては、欲しい情報がきちんと伝わってこないことほど不安なことはありません。
本市では、市民の皆さんにとって必要不可欠な情報を、広報紙はもちろんのこと、様々なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用して発信しています。
たとえば、昨年5月から、大垣市LINE公式アカウントを利用した情報発信が始まりました。2月末現在で、14,639人の方が友だち登録をされているとのことです。このLINE公式アカウントは非常に便利なコミュニケーションアプリだと思います。LINEは、「人と人、人と情報の距離を縮める」をコンセプトに、現在、国内の月間利用者数は8,900万人に上り、うち8割のユーザーが1日1回以上利用、日本人の人口の約7割が利用しており「生活インフラ」として定着していると言えます。LINEでできる様々な機能を活用することで、正確な情報をきちんと市民にお知らせできるだけでなく、本市の業務効率を向上させるとともに、市民にとって利便性の高いサービスを提供できると考えます。
大垣市LINE公式アカウントでは、登録した方にプッシュ通知で情報を配信することができますし、属性や欲しい情報を予め設定してもらうことでその方が必要な情報のみを受信できる「セグメント配信」も可能です。本市では「防災情報」「ごみ収集日情報」など必要な情報を選択することができます。
まず、「ごみ」に関する情報についてですが、公式アカウントでは「ごみ分別検索」機能や「大型ごみ収集のインターネット予約」機能があります。試しに「ごみ分別検索」で「スプレー缶」と入力してみたところ、「燃えないゴミです。使い切って風通しの良いところで穴をあけて出してください」というメッセージが来ました。とても便利だと感じました。
それで、どのくらいの方が利用されているのか、クリーンセンターで確認しましたところ、大型ごみの受付については今年の1月、2月の受付件数は合計899件とのことです。そのうちLINEを含めたインターネットからの受付は、合計369件とのことで、全体の44パーセントを占めていることがわかりました。先日、70歳代の方にこのことをお話しましたところ、私に教えられなくても既に利用されているとのことで、その場でスマホを取り出しやり方を教えてくださいました。これから、ますます活用されていくのではないかと非常に期待しております。
また、ごみ分別アプリ内の分別辞典の利用は、今年度すでに70,472件も利用されているとのことです。こちらも非常に便利な機能ですので、多くの方にご利用いただいているのがわかる気がします。
大垣市LINE公式アカウントでの「防災」の情報発信については、開設中の避難所の検索ができるとともに、防災情報を受け取る設定にしている方は、避難情報発令に合わせた避難行動をプッシュ通知で受け取ることもできます。
そのほかにも、ユーチューブの大垣市公式チャンネルが開設されていて、防災関連としては、「避難情報が変わりました」という動画や「避難所運営マニュアル」という動画がアップされています。とても分かりやすくて良くできている動画だと思います。ごみに関連するものでは、「大型ごみインターネット予約受付動画」「なぜ、ごみを減らさないといけないの」「ごみを減らすには4R」といった面白くてためになる動画もあります。
多くの方がスマホを利用している中、SNSを活用した情報発信の充実は、ますます重要になってきています。そこで、LINEとユーチューブを活用した本市の情報発信の現状と方針についてお尋ねいたします。
【認知症行方不明高齢者等の支援について】
▼二件目、「認知症行方不明高齢者等の支援」についてお尋ねいたします。
高齢化に伴い、患者が増えている認知症ですが、厚生労働省の推計では、団塊の世代が75歳以上に達する2025年には、65歳以上の5人に1人、700万人前後が認知症になるとされています。
この病気は、1972年に有吉佐和子さんが発表した小説『恍惚の人』により世間に知られるようになりました。認知症の人を介護する家族の葛藤を描き、いち早くこの病気のことを世間に知らしめた作品で、映画や舞台化され、話題を集めました。森繁久彌さんと高峰秀子さん主演の映画は感動と衝撃を与えた名作なのでご覧になられた方も多いと思います。
さて、近年、認知症の方が一人で外出し、道に迷うことなどを「徘徊」と表現することを改める動きが全国的に広がっており、例えば、愛知県大府市では、「大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を機に、行政内部では「徘徊」という表現を使用しないこととしているそうです。「徘徊」という言葉には、「目的もなく、うろうろと歩きまわること」という意味がありますが、認知症の方の外出の多くはご本人なりの目的や理由があるとされています。「徘徊」という表現は、そうした認知症の方の外出の実態にそぐわないことや、誤解や偏見につながる恐れがあります。
そのような理由で、「外出中に行方不明になる」「ひとり歩きで道に迷う」などと言い換える自治体が増えております。私も、認知症の方を介護するご家族の気持ちに配慮し、本日は「徘徊」という言葉は使用せず、「ひとり歩き」という言葉を使わせていただきたいと思います。
さて、警視庁の発表によると、1年間で約1万7千人の人がひとり歩きで家を出て、そのまま行方不明者となっているそうです。認知症高齢者の増加に伴い、行方不明者は年々増加しているため、いまは子どもの迷子よりも多くなっています。認知症の方のひとり歩きは、事故やケガなどの危険もあります。
私は昨年のいまごろまで、ディ・サービスの管理者として勤務しておりました。日々、朝夕の送迎はもちろん、日中は食事やトイレなどの介助、さまざまな作業をして高齢者の方と過ごさせていただいておりましたが、何人かのご利用者さまが認知症などを患われておられておりました。なかには、ディ・サービスをご利用されない日に、ひとりで外出してしまい、そのまま行方不明になられる方もおられましたので、たびたび、ご家族様からご相談を受けました。
例えば、自宅にいるのにそれが理解できず、過去に住んでいた場所に帰ろうとして、外出するものの、道に迷って外を歩き続けてしまう。もし、目的地が遠くのふるさとだとすると、歩いて到着できるわけもなく、また、道が分からずパニックになってしまうこともありますし、近所の行き慣れた知人宅に出かけたはずが、何時間も帰ってこないというケースもあり、夏場であれば熱中症のおそれがあります。
幸いにも、私が知る方々は、自宅から離れた場所で保護されたり、認知症のため名前や住所を言えずに「身元不明者」として保護され、無事にご家族のもとに帰ることができましたが、全国的には踏切事故や交通事故に遭う例や、自転車や車で出かけて他人を巻き込んだ事故を起こしてしまうこともあると聞きます。
かつて、NHKスペシャルで「“認知症800万人”時代 行方不明者1万人」という番組が放送されました。この番組は社会に衝撃を与えました。さまよった果てに命を落とし、あるいはようとして知れない。どこのだれか分からぬまま、家族と会えず、施設での保護を余儀なくされる。深刻な事態が、日常生活のすぐそばで毎日のように起きていたにもかかわらず、社会はそれを見過ごしていました。埋もれていた事実が掘り起こされたことで、ようやく、その重大さに気づいたという内容です。認知症の人を介護する家族の方は、「閉じ込めればひとり歩きは防げるが、それはしたくない。どうすれば・・・」とひとり歩きのため、繰り返し行方不明となる大切な方の介護に苦悩されているというということを知りました。
2016年に桜美林大学老年学総合研究所が行った調査によりますと、認知症の高年者が行方不明になってから発見されるまでの時間ごとの生存率は、当日では82.5%、翌日では63.8%、3日から4日目だと21.4%、5日目で0%と、時間が経過するほど生存率は低下していくとのことで、もしひとり歩きにより失踪した場合、一刻も早く発見することが重要となります。そのため、本市でも防災行政無線や一斉メールを使った行方不明者捜索のお知らせを流されています。
そこで、一、防災行政無線での行方不明者に関する情報発信の実績について、二、本市の取り組みについてお尋ねいたします。
【本市の先賢顕彰事業の充実について】
▼三件目、本市の先賢顕彰事業の充実について3点お尋ねいたします。
1点目ですが、本市の先賢の顕彰状況についてお尋ねします。本市には現在の大垣を作り上げた先賢や先人が数多いらっしゃいます。政治、経済、医学、文芸、工学などあらゆる分野で活躍をされています。大垣のみならず全国で活躍され、現在へ繋がる近代日本の発展の礎となられた立派な方もいらっしゃいます。こうした先賢の偉業を学び、そして未来へと繋げていくことは、現代を生きる私たちの責務であると信じます。また、先賢の偉業を知ることは、郷土大垣に対する愛着と誇りを育むこととなります。また、全国的に名を馳せた方々だけでなく、人々の生活の中で、心の支えとなるような活動をされた方もいらっしゃると思います。そうした方々にも光をあて、多くの市民に、さらには全国に向けて発信してゆく必要を感じております。そこで、現在の本市での、先賢の顕彰状況についてお尋ねします。
2点目は、こうした先賢を市民に知っていただくための、分かりやすい紹介に向けた取り組みについてお尋ねします。先賢の顕彰を行うにあたって、先ずは、多くの人に、先賢に関心を持ってもらい、偉業やその背景を知ってもらうことが必要であります。奥の細道むすびの地記念館の先賢館では、先賢の業績や、ゆかりの品などが展示されていますが、ただ、こんな人がいたよ。こんなことしたよ。とパネルで伝えるだけでは、多くの人に興味をもってもらうことは難しいのではないかと思います。分かりやすい、もっと知りたいと思えるような、紹介方法の工夫が必要ではないでしょうか。また、単に展示するだけでなく、本市の先賢について、子供たちをはじめ、多くの市民にも知ってもらえるよう、積極的に紹介することが必要ではないでしょうかお尋ねいたします。
3点目は、小沢道雄禅師の顕彰についてお尋ねいたします。
「本日ただいま誕生」というタイトルを聞いて、すぐに思い出される方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。すぐに思い出された方は、おそらく私より年齢が上の世代の方々ではないかと思っております。
少し、禅師のことをご紹介しますと、大正9年に生まれ、二十歳の時、徴兵されて関東軍に所属し、満州で終戦を迎えられました。戦後、シベリア抑留からの送還中に凍傷を負い、両足膝下10センチから切断。帰国後、絶望のどん底から義足で、雲水として托鉢行脚(たくはつあんぎゃ)を始められました。市内にある曹洞宗法永寺の住職となり、保護司なども務められる傍ら、自伝「本日ただいま誕生」を執筆され、その波乱万丈の人生は加藤剛さん主演のNHKドラマや植木等さん主演で映画にもなりました。
その映画「本日ただいま誕生」ですが、1979年に全国の限られた劇場で短期間上映されました。当時、小学4年の私は、父といっしょにブラツキ街にあった大垣東映会館に観に行き、かなり衝撃をうけたのを覚えています。その後、フィルム原版の行方が分からなくなり、幻の作品となっておりましたが、35年ぶりに発見、ハイビジョン版に復元され、東京国際映画祭で上映されました。
たまたま先月、道雄禅師の奥様の七回忌が営まれ、禅師のことを知る方々や県外からも参列者があり、私もご一緒させていただく機会を得、そこで禅師にまつわるお話を聞かせいただくことができましたが、やはり、「本日ただいま誕生」や「小沢道雄禅師」のことが忘れられつつあることにみなさん寂しさを感じられておられるようでした。私も同じ思いで、ある郷土史家の先生にそのことをお話したところ、「もっと見直されて良い人だと思います」とのお言葉をいただきました。
そこで、お尋ねいたします。小沢道雄禅師の生き方は、現代に生きるわれわれに感銘を与え、生きる力になると思います。ぜひ、顕彰をご検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
以上、前向きな御答弁をいただけることを期待しまして、1回目の質問を終わります。
【答弁】
▼LINE公式アカウント等について、ご答弁申し上げます。
通信アプリ「LINE」や、動画投稿サイト「ユーチューブ」などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、インターネットを通じて、手軽に情報を発信したり、受け取ったりすることができるコミュニケーションツールとして、多くの自治体において導入されております。
本市におきましても、「LINE」や「ユーチューブ」をはじめ、「ツイッター」や「フェイスブック」、「インスタグラム」などを活用して、様々な情報を提供しているところでございます。
とりわけ、「LINE」の活用では、「大垣市公式アカウント」を開設し、防災や新型コロナウイルス感染症に関する情報、ごみ収集日などを配信するほか、保護者が学校にお子さんの欠席等を連絡できる「らくらく連絡システム」や「ごみ分別アプリ」、「子育て支援アプリ」などととも連携して運用しております。
また、「ユーチューブ」の活用では、昨年2月に「大垣市公式チャンネル」を開設し、観光や移住定住のPR、新型コロナウイルス感染症対策など、現在131件の動画を配信しているほか、公共施設におけるイベントのライブ配信や、「広報おおがき」にQRコードを貼り付け、インタビューの様子などを動画で紹介する取り組みも行っております。
こうした中、若手市職員たちが、プロモーション力を高めようと、有志によるワーキンググループを立ち上げ、市の魅力を紹介する動画を製作するなどの意欲的な試みも行われ、たいへん頼もしく心強く思っています。
今後とも、「LINE」や「ユーチューブ」などのSNSを積極的に活用し、市民サービスの更なる向上と、本市の魅力発信に努めるとともに、多くの市民の皆さんにご利用いただけるよう周知してまいります。
ご理解賜りますようお願い申し上げます。
▼認知症行方不明高齢者等の支援について、ご答弁申し上げます。
本市では、認知症になっても住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができるまち「おおがき」を目指し、地域全体で認知症の方とその家族を支えるまちづくりに取り組んでおります。
はじめに、防災行政無線による認知症高齢者等の行方不明に関する放送件数につきましては、昨年度は8件で、本年度は2月末現在で7件でございます。
次に、本市における取り組みにつきましては、認知症高齢者等が行方不明になった際は、防災行政無線やメール配信等を通じて、広く市民や介護事業者等に発見協力を呼びかけるほか、警察署、地域包括支援センター等と連携した捜索を行い、早期発見に努めています。
なお、発見保護された後は、地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームが、本人や家族と関わり、専門医療機関の紹介や福祉サービスの情報提供などの支援を行っております。
また、行方不明者時の早期発見や保護に役立てていただくため、希望された認知症高齢者等の介護者に、GPS端末機を貸与しております。
このほか、来年度、高齢者の衣類等に、見守りシールを貼り付けし、発見者がシールのQRコードをスマートフォンで読み取ることで、本人確認や家族等への連絡ができる「認知症高齢者見守りシール交付事業」を新たに実施する予定でございます。
今後も、認知症の方やその家族が、安心して生活できるよう、見守り事業の充実に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
▼本市では、「大垣市第2次教育振興基本計画」において、「文化振興」を重点分野として、位置づけているところでございます。
はじめに、本市の先賢の顕彰状況につきましては、奥の細道むすぶの地記念館におきまして、大垣の歴史や文化・芸術を築きあげた江馬蘭斎、飯沼慾斎、江馬細香、梁川星厳及び小原鉄心の5人の先賢を紹介するほか、主に江戸時代から戦前にかけて功績を残した大垣市ゆかりの人物を取り上げた企画展をはじめ、外部講師による企画展関連講座などを開催しております。
また、小学校6年生を対象とした「ふるさと魅力体験」の実施や、主に社会人を対象とした「大垣先賢大学」を開催するとともに、地域の先賢顕彰団体である「梁川星厳顕彰会」や「所郁太郎奉賛会」などの活動に対する支援を行っております。
さらに、来年度は、記念館開館10周年にあたり、俳人・松尾芭蕉の真筆や、藩老・小原鉄心に関連する資料を展示する企画展を開催するほか、本市出身の日本画家・守屋多々志画伯と長谷川朝風画伯に光を当てた生誕110周年及び120周年企画展の開催を予定しております。
次に、分かりやすい紹介に向けた取り組みにつきましては、記念館の展示内容を、より理解しやすくするため、平成30年度に製作した「大垣遺産アプリ」に、新たな映像コンテンツを追加し、内容の充実を図っているところでございます。
また、来館者の興味や関心をさらに高めるため、民間事業者との連携により、音声や文字等による展示物の解説を行う展示物ガイダンスアプリ「ポケット学芸員」を新たに導入し、記念館や郷土館など、市内19か所の歴史文化施設への、来館者の拡大を図ってまいります。
なお、ご提案の小沢道雄禅師につきましては、業績などの調査を行ってまいります。
今後も、本市ゆかりの先賢について、積極的な情報収集に努めるとともに、歴史文化施設において企画展を開催するなど、顕彰事業の充実に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
【まとめ】
ただいまは、それぞれにご答弁いただきました。
▼まず、「LINE公式アカウント等について」ですが、若手職員のみなさんがワーキンググループを立ち上げ、市の魅力を紹介する動画を製作しているとのことでした。企画や撮影、編集までを自分たちだけで手掛けているという新聞記事を拝見し、私も注目していたところですが、出来上がったものを市公式ユーチューブチャンネルで拝見させていただいたところ、とてもすばらしいと感じました。
そのほか、新型コロナ対策や職員採用など様々なテーマの動画を観ることができますし、市空き家バンクチャンネルでは、登録物件を自宅等に居ながら内覧できる取り組みをされています。また、日本昭和音楽村では「水嶺湖ホール無料インターネットライブ配信サービス」、大垣消防組合は「職員自作の大垣消防PR動画」を配信しており、どれもかなりの出来栄えで良い取り組みをされていると思います。
さまざまな部署で動画配信などPR活動を積極的に進めていただいておりますが、提案をさせていただけるなら、防災備蓄倉庫内にある資機材の使い方の動画があると良いと思っています。発電機やチェーンソー、浄水機の使い方、簡易トイレの組み立てはやや難しく、もし動画があると文字や写真によるマニュアルよりも理解しやすいのではないかと思います。
情報発信について提言等申し上げましたが、一方、情報収集に関して申し上げますと、LINE公式アカウントの先進都市である熊本市では、一昨年から「市民レポート」というサービスを開始し、ごみの不法投棄情報、災害時における道路冠水箇所、街路樹などの倒木情報など、平時においては道路や河川、公園等の不具合などについて、市民から状況写真、日時、場所などの情報提供をしていただく取り組みを開始し、市民の利便性向上だけでなく、市役所側も夜間受付や情報精度の向上で対応工数が削減できたとのことです。
ちなみに、本市では、令和2年度において年間404件の不法投棄の通報があったとのことですから、こうした「市民レポート」サービスにより、もし市民の利便性向上、職員の業務の軽減につながるのであれば導入を検討する価値はあると思います。
ひと月ほど前、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー「ボストン市庁舎」という上映時間4時間半の映画を観てきました。映画の一場面で、職員がパッカー車を操作し、ゴミを収集する場面があります。日本でもアメリカでもゴミは勝手になくなるのではなく自治体が収集しています。自治体が収集したゴミを焼却し、埋め立て処分する。そこには市民の税金が使われています。しかし、問題はこのような市役所の仕事が、市民からは見えにくいということだと思います。情報発信、情報の届け方がどこかマズい可能性もあります。映画の中で、マーティン・ウォルシュ市長も「市が何をやっているのかを市民に伝えきれてない」と正直に語っています。本市はいかがでしょうか。映画を観ながら思ったのは、この映画で描かれているのはボストン市だけでなく、本市も含めた世界共通の課題であると感じました。
私は、職員全員が広報担当だと考えます。広報というと、広報紙やホームページの担当者というイメージがあるかも知れませんが、決して、広報は広報課だけが担うものではないと思います。
私もかつて本市収納課職員のころ、住民のみなまさからの税金に関するさまざまなお問い合わせに対し、わかりやすく丁寧な説明をして、ご理解いただいたうえで納税いただくよう、先輩方からご指導いただいたことを思い出します。こうした職員ひとりひとりの市民に対する説明等も、たいせつな広報活動のひとつであると思います。
市職員全員が広報に関する理解と意識をもつことにより、市民にとってわかりやすく丁寧で質の高い情報提供、広報活動ができると思います。今後、LINE公式アカウントをはじめとしたSNSなども上手に活用して、市民に寄り添った説明、情報発信をしていただくことをお願いいたします。
▼次に「認知症行方不明高齢者等の支援」についてですが、
本市では、防災行政無線、メール配信を通じての市民などへの呼びかけのほか、GPS端末の貸与を行っており、また、新年度からは、「認知症高齢者見守りシール交付事業」を実施されるとのことでした。国も「認知症になっても安心して暮らせる町づくり」をスローガンに掲げていますし、見守りQRコードシールは、ぜひ導入していただきたかった取り組みでしたので、ありがたく思っております。
しかし、シールを配るだけでなく、この事業を広く市民に知っていただき、サポートしていただけるような取り組みも併せて必要ではないかと考えます。
たとえば、愛知県みよし市では、認知症について正しい知識を持ち、認知症の人や家族を応援するボランティアである「認知症サポーター」を増やす取り組みをしております。令和3年12月現在で、「認知症サポーター養成講座」を受講してサポーターとなられた方が2万人もおられるとのことです。
また、全国的には、「認知症高齢者ひとり歩き見守り訓練」とか「捜索訓練」といった取り組みをされている自治体があります。認知症についての正しい知識の普及を図りながら、地域での見守りと支え合い、関係機関との連携を深めるために実施しておられます。このような取り組みを導入することにより、地域で抱えている他の課題においても、手を差し伸べられる人を増やし、力を合わせて解決していく“地域力”の向上にもつながるのではないでしょうか。
私は、道で迷われているような人を見かけたらお声をかけるように心がけております。が、いざやってみるとこれがなかなか難しいことがわかります。
しかし、地域で誰かが一声かけることができたら、早期発見につながるケースは多いと思います。認知症の高齢者でも、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、地域で見守り、支え合う方法を考えるきっかけとして、QRコードを使った模擬訓練を企画されると良いと思いますので提言させていただきます。
▼最後に、「先賢顕彰事業の充実について」、12月議会で提案させていただいた展示物ガイダンスアプリ「ポケット学芸員」ですが、すでにテスト運用が始まっており、写真や音声解説を楽しむことができます。これほど早期に実現するとは思っておりませんでしたので、市長、教育長、教育委員会事務局の迅速な対応に感謝申し上げます。展示物の解説のほかに、いろんな応用的な活用ができると思いますので、今後、いろんなアイデアを出していただき活用していただければと願っております。
小沢道雄禅師および「本日ただいま誕生」については、本も映画も40年以上前の作品なので、現在とは、障がいの方を取り巻く環境や課題なども違う部分もあると思いますが、しかし、東京国際映画祭で、この作品は多くの方に感動を与えました。市民のみなさんも観たいと思われるのではないでしょうか。
メガホンをとられた降旗康男(ふるはたやすお)監督はこれまでに48本の映画を撮られているそうですが、ある映画サイトに降旗監督が制作した映画ランキングというのがあり、1位が「駅STATION」、2位が「冬の華」、3位が「本日ただいま誕生」となっております。ちなみに、4位が「少年H」で、5位が「鉄道員(ぽっぽや)」でした。
小沢道雄禅師の生き方は、現代に生きるわれわれ大人のみならず、かつての私と同じように、子どもたちにも感銘を与え、生きる力になると思います。ふたたび、大垣で映画『本日ただいま誕生』を観る日が来ることを願って、私の質問を終わります。ありがとうございました。