News・Blog

不登校問題について

2021年10月14日木曜日雑感

けさの新聞に不登校に関する記事が一面に掲載されていました。
▼文部科学省が13日に公表した2020年度の児童生徒の問題行動調査によると、岐阜県内の小中学校の不登校の児童生徒数は過去最多の3432人(前年度比388人増)となり、5年連続で最多を更新したそうです。もしかすると、よくニュース番組でも取り上げられているように新型コロナウイルス感染拡大による家庭環境の急変や昨年度実施された一斉休校が不登校増加の一因の可能性もあるかと思います。
▼なお、不登校は何らかの理由で年度内に30日以上欠席した児童・生徒を指し、新型コロナの感染回避や病気などの欠席は含みません。県教委によると、県内の小中学校の不登校児童生徒数は千人当たり21・5人(前年度比2・7人増)で、全国平均の20・5人を上回った。内訳は小学校11・2人(同2・5人増)、中学校41・0人(同2・8人増)。増加率は小学校が前年度比26・6%、中学校が6・7%だったそうです。
▼県教委は特に小学校中学年以上で不登校になった子どもが多かったと指摘。「児童・生徒が自宅にいる時間が長くなり学校生活に不安を覚えた」「コロナ禍で夫婦や親子間に不和が起きて学習意欲がそがれた」などの例を挙げた。「今後さらに不登校児童が増える恐れがあり、詳しい分析が必要」としています。
▼一方、県内の小中学校、高校と特別支援学校のいじめ認知件数は計6838件(同4124件減)。総計が前年より減るのは13年度以来6年ぶり。小中学校と高校での暴力行為の発生件数は1968件(同784件減)でした。いじめと暴力行為の認知・発生件数の減少について、県教委は学校の一斉休業などで児童・生徒間の接触が減ったことを理由の一つに挙げています。
▼今晩、PTA役員会があったため、さっそくこの話題を冒頭に取り上げました。実際に私の息子もよく「明日、学校に行きたくないよ!」ということがあります。私の場合は、PTA会長という任を仰せつかっている関係で、週3ぐらいのペースで学校に用事があるため、そのついでに、息子のクラスをこっそりと覗き、担任の先生(何と!高校の同級生で同じクラス)に様子などをお聞きすることができるため、大変恵まれた環境であると思います。そのおかげで、大きな問題もなく、勉強や運動はきらいだけど息子なりに学校生活を楽しんでいる感じです。しかし、一般には私のような保護者は少なく、コロナ禍ということもありなかなか学校へ行くこともなく、実際に昨年から授業参観は開催されておらず、今年の1年生と2年生の保護者は今だに我が子の授業風景を見たことがないという方がほとんどという状態です。これは早く何とかしたいということは、学校側もPTA保護者側も一致した意見となっています。
▼そんななか、私が新聞記事の話をしたため、校長先生がご自分の体験談を語ってくださいました。校長先生がまだ担任を持っていたころの話だそうです。ある中学女子生徒が1年生のときから不登校でした。2年にときに校長先生が担任となりましたが、やっぱり不登校。家に行っても会えずじまい。3年生は担任ではなくなりましたが、その女子生徒は急に「高校に行きたい」と言い、実際に高校へ進学したそうです。その後、普通に就職して社会人となったとのことでした。あくまで一例であるとのことですが、校長先生が言われるには「必ずしも無理に学校に行かせることがその子のためになるとは限らない。たまたま中学3年間がその子にとって、人生を考えるためのモラトリアム期間だったのではないかと思う」というようなお話をされました。私はなるほどとは思いましたが、たまたまその子は高校から気持ちを切り替えてレールを戻せたから良いものの、ほとんどの場合、中学3年間も学校に行かなかったら親は心配ですし、きちんと社会に出ていけるのかと考えてしまいます。私が中学生の頃も不登校の同級生がいましたが、残念ながらいまはどこで何をしているのか分かりません。しかし、いまは、不登校を経験した生徒が学ぶことができる草潤中学校(岐阜市)や西濃学園中学校(揖斐川町)があります。
さらに、来春には、東海三県で初の不登校を経験した生徒らが学ぶことができる西濃学園高校の設立が計画されています。町内の旧小学校庁舎を利用するとのことで、定員は1学年25人を予定しているとのことです。
学び方はひとそれぞれだと思います。われわれ大人はこどもたちのためにできるだけいろんなチャンネルを用意する努力を怠ってはならないと思います。私の好きな言葉は「人生は10レースまである!」です。日本は一度失敗すると、大人も子どももなかなか挽回しにくいと言われています。こうした世の中を変えるためにも我々は頑張っていかなければならないと感じます。
 

記事一覧

コンテンツを表示するにはJavaScriptを有効にしてください。