交通事故から子どもを守る
2021年6月29日火曜日まちのこと
▼平成19年1月、タレントの風見しんごさんの小学生の娘さん(当時10歳)が、登校中の交通事故で亡くなりました。青信号で横断歩道を渡っていて、トラックにひかれました。
その後も、全国で通学中の児童が巻き込まれる事故が後を絶ちません。平成24年には、京都府亀岡市で無免許の少年が集団登校中の児童をはね、女児2人と妊婦の女性の命を奪いました。その後、国は全国の通学路の緊急点検を行いましたが、まだまだ危険な場所は残っています。実際に、うちの小学校の通学路でも歩道はあっても車の往来がはげしい危ない箇所が点在しています。
▼そんな中。6月28日、千葉県八街市で下校中の児童の列にトラックが突っ込み、5人が死傷する事故が発生しました。正直、「またか!」という思いです。道路には歩道もガードレールもありませんでした。しかも飲酒運転です!八街市では、5年前にも、同じ小学校の児童の列にトラックが突っ込むという事故がありました。もしかして、そのときに何らかの対策を取っていたら、避けられた事故だったのかも知れません。
▼こうした交通事故防止対策の一つとして、「ゾーン30」という交通対策があります。これは、生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として平成23年から推進している対策で、区域(ゾーン)を定めて最高速度30キロメートル毎時の速度規制を実施するとともに、ハンプの設置等の対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や、ゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図るものです。
▼自動車と歩行者が衝突した場合、自動車の速度が時速30キロを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇します。このため、生活道路を走行する自動車の速度を時速30キロ以下に抑制することとしました。
▼「ゾーン30」については、平成23年に定めた当初の整備目標(全国約3,000か所)を達成し、令和2年度末までに全国で4,031か所を整備しています。平成30年度末までに全国で整備した「ゾーン30」(3,649か所)において、整備前年度の1年間と整備翌年度の1年間における交通事故発生件数を比較したところ、ゾーン内における一定の交通事故抑止効果や自動車の通過速度の抑制効果が認められたとの報告がされていますので、とりわけ、通学路については、積極的に導入していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。