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父の日に思う

2019年6月16日日曜日雑感

▼今日(6/16)は父の日です。母の日はカーネーションをプレゼントしたり、とにかく何かしなければならないというプレッシャーがあるのに比べ、父の日というのは実に忘れられがちな日でもあります。
▼では、父に何をプレゼントしたらいいのと考えてもあまり浮かばないし、母親に何かプレゼントすること以上にかなりハードルが高いのも事実。今日のラジオ番組でも父の日にまつわる番組などをやっていて耳にしたのが、「父が欲しいもの」について、2位は「感謝の言葉」だそうですが、1位は「手紙」なんだそうです!みなさんはお父さんに手紙を送ったことがありますか?「ない」と断言される方がほとんどではないでしょうか。
▼TOKYOFM『パナソニック・メロディアスライブラリー』という番組では、作家の小川洋子さんが。向田邦子さんの『父の詫び状』を紹介されていました。あまりにも有名な作品なのであらすじは紹介しませんが、この本は表題作を含めて昭和初期の家族の在り方がまざまざとそして瑞々しく描かれています。
「父の詫び状」を読み進めていくと、
『「悪いね」とか「すまないね」とか、今度こそねぎらいの言葉があるだろう。私は期待したが、父は無言であった。』しかし、お父さんは本当は申し訳ないと思っていたけど、うまく言えなかったのだろうと読みながら読者は直感的に理解します。そして結びのところで、『巻紙に筆で、いつもより改まった文面で(中略)「此度は格別の御働き」という一行があり、そこだけ朱筆で傍線が引かれてあった。それが父の詫び状であった。』
▼中学生の頃にこの物語を読んでもあまりピンとこなかった記憶がありますが、いま読み返してみると、どちらかというと子供側というより、いつしか、父側に自分が立っているのに気づきました。そして、父母にも妻にも素直に「ありがとう」と言えない自分を見つけます。
▼折しも、本日は友人のお父さんの告別式でした。ありがとうと言えるうちに言っておこうと、そう思いました。

▼父の詫び状(朗読)
http://www.youtube.com/watch?v=PdkWYQ14gGg
▼パナソニック・メロディアスライブラリー
http://www.tfm.co.jp/ml/today/index_20190609.html
 

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