校則のない中学校
2019年6月26日水曜日雑感
▼都内に住む知人から「校則のない中学校がある」という話を聞きました。それは東京都世田谷区にある区立桜丘中学校。校則がなければ、生徒たちはやりたい放題で収拾がつかなくなるのではないかと思いまいたが、実際は、いじめが激減し、校内暴力もなく、学力も区のトップレベルであるとのことでした。2010年に今の西郷孝彦校長が赴任し、納得のいかない校則のひとつひとつを検証し、ついには校則を全廃してしまったというものです。着任した当初は、生徒を力で押さえつける指導もあったといいます。それが今は、校長室の扉は開けっ放しで、次々と生徒がやってきて、相談事をしたり、愚痴を聞いてもらったりしているとのことです。
▼どうして、校則がなくなったのか。「生徒が3年間楽しく過ごせる学校にする」が目標で、そのため、「校則があると楽しくないよね。だったら無くしちゃえ。」となり、「勉強ができないと学校が楽しくない。だったら学力のつく授業を採り入れよう。」と逆算して考えていったとのことです。桜丘中学校の取り組みは、学校が楽しくない条件を改善することで出来上がっていきました。だからこそ、教室にいるのが嫌だったり、入りづらかったりするときは、生徒自身の判断で廊下で自習しても構わない。机とイスが並ぶ廊下で、タブレットで自習したり、自分の好きな学習をしたりしてもよいということになったわけです。もちろん、私服でも制服でもどちらでも構いません。
▼そのほか、取り組みとして興味を持ったことは、「障害のある生徒や、不登校の生徒を積極的に受け入れている」こと。そもそも、社会にはいろんな人がいて、人はそれぞれ違うということが当たり前だとわかれば、自分と違う他人に寛容になれるという考えから来ています。もう一つは、「すべてを英語だけで他の教科の勉強をしたり作業をする“CLIL”(Content and Language Integrated Learning=内容言語統合型学習)」「夕食(100円)がつく『夜の勉強会』などの取り組みです。ぜひ、一度視察見学をしたいと思っています。
▼ちなみに、桜丘中学校ホームページには
Our lives begins to end the day we decide to become silent about things that matter.Martin Luther King Jr.
(問題になっていることに沈黙するようになったとき、我々の命は終わりに向かい始める。マーチン・ルーサー・キング牧師)とあります。
▼桜丘中学校HPhttp://www.setagaya.ed.jp/tsaka/
▼桜丘中学校の記事(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/ASM304245M30UEHF002.html