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市民参加型予算(2)~1%支援制度~

2019年5月28日火曜日まちのこと

▼まだ、日本では市民参加型予算は導入されていませんが、税収の使い道を納税者が決めることができる制度としては、千葉県市川市の事例があげられます。市川市は、2005年から市民税の1%を納税者が投票により約100のNPOに補助することができる「市川市市民活動支援制度」を始めましたが、残念ながら現在は廃止となっています。この制度は、もともとはハンガリーで自身の所得税の1%を指定した団体に寄付できる「市民が選ぶ市民活動団体支援制度」がもとになっています。ちなみに、我が国では、愛知県一宮市などでは継続されているようです(国内で一番参加率が高いのが一宮市。11.5%)。
▼市民参加型予算のメリットとして、①予算の仕組みを市民に理解してもらい、政策決定の透明性を高め、説明責任を果たすために有効である。②市民参加で決める予算は、政治や行政との対話や協働をより効果的に進める手段として活用できる。③自治会等への参加と討論を通して地方自治をより身近に感じられるようになる。
▼一方、外国の事例をもとに課題として考えられるのは、①市民集会などで予算を決めるが、参加率はかなり低い。どうやって参加者を増やすのか。インターネットによる参加もあるが討議をすることができない。②参加者の偏りをどのように防ぐか。③直接民主制の市民参加を代表民主制の議会とどう調整するか。などがあるように思われます。
地方自治体の行う予算編成に対して、市民参加の門戸が開かれてきていますが、自治体の予算編成への市民参加はまだ始まったばかりで限定的です。一方通行ではない市民ニーズの掘り起こしには、NPOをはじめとした市民組織の役割が重要だと思います。まちづくりや地方自治の強化のために、市民活動団体の活性化と制度設計を進め、予算編成の市民参加を進めていくべきだと思いますが、みなさんはどのように考えますか。

一宮市市民活動支援制度 http://www.138npo.org/seido/

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