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行政の広域連携について

2019年3月9日土曜日まちのこと

▼ちかごろ、市町村合併等の自治体行政の著しい変化とともに、新たな広域連携の在り方を模索する動きも盛んになっています。これまでの行政システムでは、市民・住民の多様なニーズへの対応や地域ごとに異なる課題の解決を十分に行うことができなくなってきているからです。
▼これまでは広域連携というと、「効率性かつ継続的な広域行政」に重きが置かれていましたが、最近では「扶助性(ささえあい)かつ弾力的・可変性を求める広域行政」が移行しつつある感じがしています。地方自治体においても地域の特性や事情の変化に対応し、弾力的に最も適した広域連携を模索していくことが求められています。
▼そうしたなか、共同通信社のアンケート調査の興味深いアンケート調査結果が発表されました。
広域連携で行政サービスを提供するため、複数の市町村で構成する「圏域」によって医療や教育などの行政サービスを提供する構想について、岐阜県内市町村の賛否は拮抗しているとのことです。
▼この圏域構想は、昨年7月、総務省の有識者研究会が2040年ごろの深刻な人口減少を見据えて提言され、圏域への法的権限や財源の付与も盛り込まれています。
アンケート結果によると、全国的には、「賛成」または「どちらかといえば賛成」が30%。「反対」「どちらかというと反対」が34%、「その他」24%でした。岐阜県内42市町村+県が回答しており、圏域の法制化には「賛成」「どちらかといえば賛成」が16市町村、「反対」「どちらかといえば反対」は15市町村。残りの11市町村は「その他」とのことでした。
賛成理由としては、「地方創生の取り組みだけでは、今後の地域活性化が難しい」「法的根拠や財源を持つことで、圏域での取り組みの実効性が高まる」「大きな枠組みで政策立案が可能となる」「行政コストの削減などで新たな地方創生施策が生まれる可能性がある」「現状は各自治体が個別に同じような施策を実施しており、非効率であるほか、広域的に取り組まなければ成果が上がらない施策が多い」などの意見です。この中には、13年前に大垣市との合併を選択しなかった町の意見もあり、当時と状況が変わったのか、それとも合併は不可でも広域連携は可なのかなど、検証する必要があるように思います。
▼反対理由としては、「地域によって課題が異なる傾向があり、行政区域を広げると対応がしづらくなる」「自治体独自の住民サービスが困難となる」などがあげれれています。
▼私が暮らす大垣市は「その他」と回答しており、その理由として「地方の声を踏まえて慎重に議論すべき」としております。
▼私は広域連携の前に、まず「平成の大合併」の検証をしなければならないと考えます。市町村から圏域へ権限と財源が移れば、事実上の合併状態となります。人口減少と高齢化がさらに進めば、これまでの市町村の在り方を見直しは避けられません。しかしよく議論をしないまま合併をして「こんなはずでは」となれば、犠牲になるのは住民です。それは避けたいことです。しかし、各自治体ごとの課題を持ち寄り、補うことができれば連携する、その発展として「合併」ということもあるのかも知れません。
 

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