就職活動スタート!地方自治体の職員採用戦略
2019年3月7日木曜日まちのこと
▼3月2日の日本経済新聞によると、全国の地方自治体の採用試験で法律や経済の知識などを問う「専門試験」を廃止する傾向とのことです。その理由として、ここ数年、企業が採用を増やしており、内定時期も公務員試験に比べると早く、しかも若者人口は減っているのがことがあげられます。
▼公務員試験予備校の調査では、約8割の地方自治体が専門試験を廃止しているそうです。岐阜県羽島市も2018年度に、法律の知識などを問う試験を廃止したところ、受験者数は169人で前年度の約7倍に増えたとのことです。
▼こうした動きについて、大学の専門家には「公務員は法令知識と順法精神を最低限備える必要があり、短期的な展望で専門試験をなくすのは筋違いだ」と指摘する声もあります。
▼私個人の経験でいえば、大垣市の公務員試験に合格、採用されて、最初の職場は「市文化事業団」という財団法人でした。学芸員の仕事などをさせていただきましたが、特に法律の知識が必要なことがなく、そこで7年間勤務させていただきました。その後、税務課に配属となり、徴収業務を担当し、民法や地方税法、民事執行法、破産法などの知識が必要となったため、大学の夜間部(名城大学法学部)に通いました。知識が無くても、必要であれば自主的に学ぶ人は学ぶし、学ばない人は学ばないと思います。いくら良い大学を出てきても社会に出てから学ばない人もいますので、一概には言えないと思います。
▼参考までに、大垣市の採用状況を調べてみると、2018年度は大卒一般事務応募者94、最終採用17ということで約5.5倍。2007年度は応募者211、最終採用5で約42倍でした。
▼市職員は、市役所の宝だと思っています。今年も、高い志と能力を持って入庁してくる職員がたくさんいることと思います。彼らを大事に育て、市の発展に寄与し、市民生活に役立つ施策を行っていただけることを期待しています。いずれにしても、専門試験廃止がどのように影響するかは5~10年後にならなければわからないでしょう。