「義務教育学校」という選択肢
2019年1月30日水曜日まちのこと
▼「少子化」によって、われわれの生活はさまざまな影響を受けます。先日、大垣市上石津町に住む知人と銭湯でばったり会い、湯船につかりながら、湯っくりと、地域のことを話をしました。
▼さて、大垣市内には、小中学校が合計33校あります(うち市立32校、組合立1校)。当然、児童生徒数にはそれぞればらつきがあります。大垣市内の小学校に通う児童数は、総数8588人で、一番多い小学校で866人、少ないところは31人となっています(息子の通う小学校は699人です)。大垣市は、大垣地域、上石津地域、墨俣地域がそれそれ飛び地となっている全国唯一の二重飛び地の基礎自治体です。大垣地域で最も少人数の小学校は131人となっており、これは一学年だとだいたい20人ぐらいということになります。上石津地域は、地区の4校を足した児童数は246人で、最も少人数の小学校は31人です。この小学校では、いわゆる複式学級方式を採用しており、1・2年年生、3・4年生、5・6年生が同じクラスで学んでいます。複式学級複式学級で良い面があるのですが、それはまた別の話なのでここでは割愛させていただきます。
▼湯船につかりながら、上石津の小学校の話となり、知人が「4校を統合して、さらに上石津中学校とも一緒にして、9年制の学校にしてはどうかという噺もあるらしいよ」と教えてくれました。私は、すぐに羽島市にある「桑原学園」(写真)と白川村の「白川学園」を思い出しました。ついこの間まで、羽島市内で勤務していたので、桑原学園はなじみが深く、実際に先生方ともお話をさせていただいたことがあります。この小中一貫9年制の学校のことを、一般には「義務教育学校」といいます。学校教育法の改正により2016年に新設された学校教育制度です。
桑原学園については、まだ昨年度にできたばかりで、良かったところや課題などはこれから検証がされていくのでしょうが、私が聞いたところによると、良かった点としては、①小学校から中学校への環境変化になじめないこと(いわゆる「中一ギャップ」)による不登校の減少、②小学校段階からの教科担任制、早期カリキュラムの導入、部活動への参加、③学校行事の小中一体化、などがあげられるということでした。制服はどうなっているのかと聞いたところでは、一応、7年生からは学生服(女子はセーラー服)とのことでした。また、課題としては、①5年生や6年生の児童がリーダーシップを発揮する場の減少、②ひとりの校長先生で9つの学年を掌握することへの負担増、③体育館の利用の調整が大変、などが考えられます。
▼たとえば、自分の卒業した小学校が廃校になるとしたら、それは大きな問題です。母校がなくなるのですから。しかし、これだけ少子化が進む中でこの問題を避けて通ることはできません。いろんな人の話を聞くと、お母さん方は地元以外からお嫁に来ている方が多いので抵抗は少ないようですが、おじいちゃん世代、お父さん世代は代々卒業生という方が多く、統廃合ということになるとやはり抵抗があり、地域での話し合いが必要になってきます。いずれにしても、地域の宝である子どもたちにとって最良の方策を、われわれ大人たちがキチンと考えてあげなければならないと思います。