News・Blog

ふるさと納税 2つの記事から

2019年1月12日土曜日まちのこと

▼けさの読売新聞朝刊に、「ふるさと納税」に関する2つの記事が載っていました。地域面に「東京都豊島区」に関する記事、社会面に「静岡県小山町」に関する記事です。非常に対照的な内容でしたので、とても興味深く読ませていただきました。
豊島区の内容
 豊島区は手塚治虫ら日本を代表する漫画家たちゆかりのアパート「トキワ荘」を再現し、博物館とする整備計画を策定しました。区は建設にあたり、整備費の一部について「ふるさと納税」を活用することとしました。当初の目標は1億円でしたが、目標の倍以上の2億7000万円が集まったとのことです。博物館は2020年3月22日のオープンを目指しています。
▼小山町の内容
 ふるさと納税の返礼品として、寄付額の4割に相当する「アマゾンギフト券」を加えたところ、何と!248億8000万円が集まったとのことです。これは前年1年間の約9倍、小山町の予算額の2倍にも相当する額となります。
私は「ふるさと納税」の返礼品競争には否定的な立場です。確かに、ふるさと納税によってふるさとの税収の少ない小さな町に図書館ができたとか、良い話はたくさんあります。しかし、本来入るはずの税金が入ってこないということになると、地方自治体にとって頭の痛い問題です。たとえば、「ふるさと納税を使って町に図書館をつくりたい」という趣旨でふるさと納税を呼びかけ、集まったお金を使って計画を実施したいと思います。要するに豊島区と同じ手法です。これはよくよく考えると、クラウドファンディングとほぼ同じですね。
「クラウドファンディング」で不特定多数の人がネットを使って、不特定多数の方に資金の提供や協力を呼びかける手法もかなり一般化されてきました。これには金銭的リターンのない「寄付型」、金銭的リターンのある「投資型」などがあります。これに当てはめるのなら、豊島区が前者で、小山町が後者のような感じがします。小山町としてもこんなにも集まるとは思っていなかったのでしょうが、「ふるさと納税」の本来の趣旨をもう一度思い返してみる必要があるように思います。

記事一覧

コンテンツを表示するにはJavaScriptを有効にしてください。