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ネロが見たかった絵「ルーベンス展」

2018年12月28日金曜日雑感

ルーベンス(1577-1640)は、わが国では名作アニメ『フランダースの犬』で知られています。主人公のネロがアントワープ聖母大聖堂のルーベンスの祭壇画〈キリスト降架〉の前で愛犬パトラッシュと共に天に召される場面は多くの人が感動されたことと思います。しかし、放送からすでに44年。今の子どもたちを含め、この物語を知らない世代が多数を占める時代となってしまいました。少しストーリーを復習しますと、舞台は1870年ころのベルギーのフランダース地方です。少年ネロはおじいさんと犬のパトラッシュとともに、貧しくも楽しく暮らしていました。将来は画家になりたいと願うネロは、ルーベンスの絵を見たいと願っていますが、お金が払えないため見ることができません。そして最終回、愛犬パトラッシュとともにその絵の前で天に召されていくという物語です。
▼最終回ラストシーンのネロのセリフには今でも涙が出ます。「探しに来てくれたんだね。ありがとう。僕たちはいつまでも一緒だね。ずっと見たかった絵を見ることができて、すごく幸せなんだよ」
▼今回のそのアントワープ大聖堂の祭壇画の実物は出品されていませんが、“ほぼ原寸大4K”で再現されています。私のすぐ前で鑑賞されていた同年配と思しき男性は、「僕はすごく幸せなんだよ、パトラッシュ、、、」と小さくつぶやいていました。私も実はパトラッシュがそばに居たら一緒に絵の前で眠りにつきたい!と思うほど。それぐらい我々世代にとって、この物語は特別なんです。
▼そのほかにも、世界30か所以上から終結した“これぞバロック!”という3m超の作品が勢ぞろいしています。1月20日までの開催です。

ルーベンス展
http://www.tbs.co.jp/rubens2018/
フランダースの犬(最終回)
http://www.youtube.com/watch?v=TKsuamxZG40

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