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共鳴する魂の叫び!「ムンク展」

2018年12月26日水曜日雑感

▼「ムンク展」が開催中です。ムンク(1863-1944)といえば、ノルウェーの国民的画家で、彼の代表作「叫び」は多くの方がご存知なのではないでしょうか。
▼今回は、オスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、油彩画や版画作品約100点が展示されています。幼くして家族の死を体験したムンクの作品は、「死」「孤独」「憂鬱」「絶望」など人間の内面を描き出したものが多くなっていますが、晩年の作品は明るい色彩の作品も多くなってきます。今回初来日の「叫び」には4つのヴァリエーションがあることを初めて知りました(息子は「叫び」をみて、「ひょろけ(おばけのなまえ)だよ、と言っていました。)
▼個人的にはムンクのいろんな作品に出会えたので、行ってよかったと思います。今回、「叫び」以外にも「マドンナ」「接吻」「吸血鬼」にも複数ヴァージョンがあることを初めて知りました。しかし、ムンクの作品は、作家自身の内面がものすごく描かれていて、特に「叫び」は迫ってくる感じを受けました(それと、自分自身もとても不安な気持ちにさせられます)。
▼会場では「音声ガイド」を借りました。この音声ガイドはわかりやすのでとても気に入っています。今回の語りは福山潤さんと宇賀なつみさん(テレビ朝日)でした。
▼ムンクは、画家自身の言葉に芸術的な価値があると考え、膨大な文章を残しています。会場内にもさまざまなムンクの言葉が書かれていましたので、一部メモしてきたものをご紹介します。
・我々は誕生の時にすでに死を体験している。これから待ち受けているのは、人生の中で最も奇妙な体験、すなわち死と呼ばれる真の誕生である。-いったい、何に生まれるというのか。
・読書する人や編み物をする女のいる室内画をもう描いてはならない。呼吸し、感じ、苦悩し、愛する、生き生きとした人間を描くのだ。
・夕暮れに道を歩いていた。一方には町とフィヨルドが横たわっている。私は疲れていて気分が悪かった。立ちすくみフィヨルドを眺める。太陽が沈んでいく。雲が赤くなった。血のように私は自然をつらぬく叫びのようなものを感じた。叫びを聞いたと思った。私はこの絵を描いた。雲を本当の血のように描いた。色彩が叫んでいた。この絵が〈生命のフリーズ〉〈叫び〉となった。


ムンク展
http://munch2018.jp/
 

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