グレイクリスマス
2018年12月24日月曜日雑感
▼さて、「グレイクリスマス」ですが、この舞台を観るのは実に20年ぶりとなります。前回は、大垣市民会館で奈良岡朋子さん主演で鑑賞させていただきました。今回の主演は中地美佐子さん。やはり20年ほど前に「蕨野行」という舞台で見て、「いい新人がでてきたなぁ」と思ったことを覚えていますが、今回はその中地さんが五條伯爵家華子の役を務められました。
▼終戦後から朝鮮戦争勃発までの旧伯爵家をとりまく人々を描いた5年間にわたるクリスマスが舞台です。思うに任せない、切なくやるせない人々の人生が描かれています。最後に、華子が憲法の一部を諳んじるシーンがあります。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない・・・」ここには、憲法はあって当然なものではなく、努力して保持していかなければならないというメッセージが込められているように思います。憲法観と朝鮮統合について私と若干の考え方の違いはあるものの、素晴らしい作品には違いありません。戦後のを知らない時代を生きている我々にとって、考えさせられるところが多い作品でした。
▼作品の舞台となっている時代から70年が過ぎ、昭和から平成そして次の時代へ。この国のありようと私たちの生き方が問われているのだと思います。最後に、サンタさんへのお願いではありませんが、大垣で上質な舞台作品をもっともっと見られる環境整備をしたいと思っています。