タヌキに出会って考えた
2018年12月9日日曜日まちのこと
▼友人の協力で、大垣市綾里地区において“後援会の案内”を配らせていただきました。綾野町は毎年10月に行われる「綾野祭り」で有名です。江戸時代末期から伝わる5両のやま(神楽、猩々、鯰、獅子、小獅子)が、豊作を祝い、華麗なからくりや子ども舞踊などを披露しながら町内を曳き回ります。
▼猩々やまの山庫の近くを通りかかると、「あっ、たぬき!」とばったり遭遇。もしかしたら、アライグマかも知れませんが、顔がやさしく尻尾が太く短かったのでタヌキだと思います。証城寺(しょうじょうじ)のタヌキならぬ猩々山(しょうじょうやま)のタヌキでした。この辺りは、雑木林や古い空家があるのでそこに住み着き、昆虫やムカデ、ネズミ、今の時期だと柿などを食べて暮らしているのでしょうか。
▼後日、その友人にタヌキの目撃情報を伝えると、タヌキのほかにアライグマやハクビシン、ヌートリアもいるとのこと。田んぼや畑を荒らされて困っているとのことでした。調べてみると、タヌキ、アライグマ、ハクビシン、ヌートリアはいずれも鳥獣保護法における狩猟獣(18種)に含まれ、そのうちアライグマとヌートリアはいわゆる特定外来生物でもあります。
▼特定外来生物を捕獲する場合は、「外来生物法」に基づく防除の確認・認定、または「鳥獣保護法」に基づく捕獲許可の手続きが必要となります。二つの法律があってややこしいですが、外来生物法に基づく防除の確認・認定を受けた場合、「生きている捕獲個体の運搬や保管」に伴う防除も可能ですが、鳥獣保護法で認められているのは「捕獲」だけで「生きている捕獲個体の運搬や保管」は認められていません。このため、鳥獣保護法に基づき捕獲した場合の個体の運搬や処分は、原則として市役所(農林課)と防除従事者(有資格者)が連携をとって、適切に実施しないといけないので、もし発見した場合は、まず市役所に相談しなければならないと思います。いずれにしても、もともと日本に生息していない外来種であるアライグマなどの防除については、個体数を低減するだけでなく、外来種によって損なわれた生態系を取り戻すため、究極的には我が国全域から完全排除を目標にしなければならないと思います。
▼最後に、「たぬき」は漢字の当て字で「他ぬき」。つまり、「他人を抜き出る」=「繁盛する」「開運」ということ。「ライバルに抜きんでる」ということに由来するということで縁起のいい出会いでした。
綾野祭り
http://www.ogakikanko.jp/event/ayanomaturi/
アライグマ防除の手引き(環境省)
http://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/manual_racoon.pdf